【感想・ネタバレ】黄金の狩人3のレビュー

あらすじ

豪奢な服に身を包み、黄金色の肌に黄金色の髪をした美しい若者。すっかり変わってはいたが、それは懐かしい道化だった。フィッツの祖父にあたる王に仕えていた不思議な白い道化。十五年のあいだに彼になにがあったのか。自らを白の予言者と称し、フィッツを“触媒”と呼ぶ道化の予言を証明するように、フィッツの周囲に変化の風が吹き荒れる。外諸島との和平のための結婚を目前に行方をくらました、若き王子の捜索に招喚されたのだ。黄金卿こと道化の従僕と偽ってのフィッツの探索行が始まる。公国の希望である王子を探し出すことができるのか。本格異世界ファンタジー!/解説=石堂藍

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Posted by ブクログ

「ファーシーアの一族」3部作の続編「道化の使命」。
これも3部作で、一作が3冊ずつになるようです。

フィッツは行方不明の王子を追って、山を行く。
王子は<気>を持つ古き血族の狩猟猫に取り込まれ、反乱の徒パイボルドに利用されているらしい。
共に行くのは、狼のナイトアイズとゴールデン卿。
狼のナイトアイズは、フィッツが<気>の絆を結んでいる相手。誇り高く頼りになる相棒だが、年を取ってきているのがフィッツの心配の種。
ゴールデン卿は異国の貴族という触れ込みの黄金の髪と肌をした華やかな宮廷人士。
だがフィッツにとっては、子供の頃から心通わせた王の道化。
その正体は人並み外れた長命の、「白の予言者」だった…

デューティフル王子は、亡きヴェリティ王とケトリッケン王妃の間の一粒種。
六公国の未来を担うただ一人の王子なのだ。
王家ファーシーア一族は遠視能力で国を守ってきたが、古き血族の<気>とは全く別物とされている。
古き血族は<気>で特定の動物と絆を結び、時には動物と一体化してしまう危険性があり、その有様を忌み嫌われてきたからだ。
実際にはこの世界の超能力のたぐいは皆どこかで繋がっていた物なのだろうが、記録も不完全で、すべてを知る人はもはやいない。
公国では長らく禁忌とされてきた<気>を持つとデューティフル王子は自ら気づいたが、誰にもそのための教育を受けさせてもらえることが出来ずに、孤独だったのだ。
教育できるのは、今やフィッツだけ…

意識を絡め取られている王子に説明する暇もなく、強引に奪い返すフィッツ。
<気>を持つ自分の本来の仲間と思ったパイボルドらが、じつは王子の身体を乗っ取ろうとしていた事実に驚愕する王子。
宮廷で多くの家臣に囲まれた暮らしにうんざりしていた王子。
最初は当然ながら、見も知らぬ従僕に過ぎないフィッツの無礼な態度に反発していたが、親族に違いないと気づく。
次第に心を開いていくのですね。

半端でない危機を通り抜け、哀しみと衝撃をこらえつつ、いずれは前に進もうと思い定める人々。
バックキープの都に住む<俗>のまじない師の女性ジンナも、孤独がちなフィッツの良き理解者になりそう。
よかったです。

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2011年06月02日

Posted by ブクログ

ファーシーアの一族シリーズはまだまだ続いているが、黄金の狩人は3冊で完結。これまで訳されたシリーズのなかで一番きれいに終わり、読後感が良かったのはこの巻ではなかろうか。

やっと見つけたデューティフル王子とは打ち解けられず、フィッツは相変わらずの性格で、苛々を募らせる。お互い反発しながらも、次第に関係が変化していくさまは特に面白かった。

フィッツはすっかり大人になったなぁ。王子を冷静に観察するフィッツと一緒に、子供時代のフィッツのことを思い出した。

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2010年09月23日

Posted by ブクログ

 ナイトアイズが死んじゃった~(泣) でも彼は、風になったように逝ってしまったので、今は楽しいところから見守ってくれているんだなぁと思う。
 とりあえずバックキープに戻ってきたので、終わった感が強かったのだが、実は続いていたんですよね。次の話しが楽しみ。

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2010年07月06日

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