鍛治靖子のレビュー一覧
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短編だし、先に書いた物だし、「精霊を総べるもの」のおまけぐらいにしか期待していなかったが、単独でもとても面白い。絵を描くような描写のクオリティーも変わらない。「精霊を統べるもの」で良くわからない設定の理解も深まる。
なにより、長編で一番謎だった“天使“の設定に奥行きが出た。多分作者は“天使“に思い入れがあるのだろう。<あの連中は天使じゃないわよ。天使はすべて神とともに天にましますのだから><真の天使は自由意志を持たないのだから、自ら選んで定命なるもののもとにやってくることはできない>。作品と離れて、天使とはなんなのか?考え悩んだことのある人から出てくる一節。“天使“を追ってジェリ・クラークさんの新刊が出たら必ず読もう。
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褐色スーツ姿の男装麗人のファティマが活躍する精霊を統べる者の短編集。ファティマが登場する前巻で語られる天使との因縁と、心理劇の一遍と、ファティマ以外の魔術省職員のバディ物の三編。
この世界は、ごった煮で情報過多感が無きにしもあらずで、世界観がまとまりきれてない感もあるが、逆にそのような過渡期の世界観こそがファンタジィには必要だと思うし、魅力を感じる。人が考えた(完璧だと思っている)世界観は所詮限界があり、過渡期とか、まだ考えていないとかで、結果として未知、未定、曖昧だからこそそこに対する興味がセンスオブワンダーを引き起こし、作られた世界に魅力を与えると思う。 -
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少し前に購入。ようやく読み終わりましたので、続巻というか、時系列的にはこの話より前になるというのも是非手に入れようと思います。でもこの間本屋行ったときあったかな…?
と言う訳で異国情緒あふれるファンタジー。エジプトが舞台だけれども精霊が居て、色々な人種と宗教と文化が混在している感じが良いなぁと。そしてちょうど傍観者でいられる読者という立ち位置がさらに素晴らしい。
主要人物が女性だらけなのもちょっと面白いところ。最初出てきたときはめんどくさいヒロイン属性かと思ったハディアも、実は腕に覚えがあるかわいいだけの女の子ではないし、何せシティがかっこよすぎる。強くて美人で芯が強い。そりゃあ主人公もメロメロになるよなぁ~ 主人公のスタイルと言動もかっこいいし。
お話自体は結構、国家滅亡の危機ぐらいに大きな話ではあるのだけれども、そもそも精霊や天使などというどれほどの力を持っているかわからない存在がウロウロしている国なので、危機管理的には仕方がないのかなぁという感じでもあり。最後に美味しいところを持っていくアハマドにクスリとさせられたり。大変楽しく読み終わりました。あと、ラムセスが良いですね、すごく良い。 -
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エジプトおもろー!
はい超絶面白かった『精霊を統べる者』の前日譚となる短編集とのことですが、もう明らかに整理されてない!w
世界観が整理されてない!
詰め込みすぎ!
もうごちゃごちゃ!
スチームパンクだし、アラビアンだし、天使出てくるし、魔法だし、錬金術だし、呪術だし
でも、そもそも舞台になってる”エジプト”がもうぐちゃぐちゃなんよね
現在は国民の9割はイスラム教徒なんだけど、古いキリスト教が栄えてたときもあるし、その前はもちろん古代エジプトの神々よね
なにしろ三千年栄えエジプト文明よ
簡単にまとめると
古代エジプト文明 → ギリシャ系のプトレマイオス朝 → ローマ帝国 →キリスト教文化 → イスラム文化 → オスマン帝国 → イギリスの影響
って歴史を辿ってるのよな
そりゃあもう面白いのてんこ盛りのお国柄なわけね(面白いのてんこ盛りのお国柄てなんやねん)
あらためてエジプトに興味盛り盛りのわいです
よしゃー、なんかエジプト関連のもの読もー!
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表紙が地味。
ごみの散らばる茶色っぽい街並みにスチームパンクっぽいロボットや飛行船、ビルの向こうにピラミッド。と、日本人のイメージするエジプトの街並み。でも作品はもっとカラフル。
「ファティマはいつものように山高帽をはじいた。今日は鮮やかなバーガンディ色のスーツに、ブローケットのベストだ。襟元はクラブカラー、ローズブラッシュ色のピンストライプのシャツの上に、濃いオリーブ色のタイを銀球のついたピンでとめている。」「シティだ。ベニーの言うとおり、まさしくトラブルそのものに見える。レースとシフォンの赤いイブニングドレスが足元で波うっている。透けるほど薄いトップスの下で、ネット上にビーズを縫いつけた細身のボディスが薄明かりにきらめいている。腰にはそれと揃いのサッシュを締めている。(中略)ファトマはシティの頭に目をやった。短い編みこみのウイッグの真ん中に、金色の王冠がおさまっている。その正面には牝獅子の彫金細工がついている。」p141-142
この後の二人のダンスシーンを表紙にしていればあと3割くらい売上が増えたんじゃないかと。 -
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プロローグ
『三体2』以来の久しぶりのSF小説
小説『三体』は、SF小説で最も権威ある賞と云われる“ネビュラ賞”と“ヒューゴ賞”を獲得しているが、本書は、ヒューゴ賞こそノミネートのみに終わったが、ネビュラ賞、ローカス賞他4冠を獲得
日本でも、『SFが読みたい!2025版』の
ベストSF2024海外編で見事1位を獲得し、国内外問わず高く評価されている作品だ
果たして、8の評価は如何に…
本章
『精霊を統べる者 下』★4
時代設定は、1912年のエジプト
精霊と人間、魔法と科学が混じり合う世の中が設定
40年前に姿を消した伝説の魔術師が突如、姿を現すのだが…
彼の正体を暴くために、女性特別捜査官が捜査に乗り出すという物語
他著と比べるのもどうかと思うが、『三体』の衝撃は凄まじかった!
内容もスケールも濃く、流石SFといえるものだったが、本書は似たような賞を総ナメにした作品であるが、よくある設定や物語の展開は否めない感がした
次作に期待したい!!!
エピローグ
白金台にある、荏原 畠山美術館に行ってきた
実業家畠山氏が蒐めたコレクションが一堂に会す
室町時代から江戸時代にかけての蒔絵を中心とした作品の数々にコスモ(小宇宙)を感じずにはいられなかった
そして、庭園の手入れや構図、設計も素晴らしい
計算された美と自然の美とが見事に融合し
得も言われぬ非日常と非現実的な風景を創り出していた
これぞ正にSFではないか!!!
そう思った!
※このSFのジャンルを調べたら
アラビアン・スチームパンク・百合ファンタジー・アクション巨編だそうだ
なんじゃそりゃーーー❢
最後にそうも思った(¯―¯٥)8v♪
完 -
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ネタバレ表紙は 聖者キーオとペンリック、そしてデズデモーナ
毎巻、表紙に感心させられる。イメージにピッタリのイラストで素晴らしいと思う
ロディの仮面祭
孤児出身であり聖者であるキーオ。若い女性。
ペンリックはキーオに振り回されながら、魔を剥がす任務をこなす
その事件にはちょっとした殺人未遂事件が絡んでいてややこしくなる。
ラスペイの姉妹
海賊に捕まりそこで、幼い姉妹と出会うペンリック
幼い姉妹も一緒に連れて脱出。
姉妹は父親と本妻とは別の、内縁の妻の間の子ども。事情があって父親は姉妹を引き取れない。
姉妹は、ペンリックの計らいでヴィルノックの庶子神教団の庇護下に入る
ヴィルノックの医師
軍の砦で感染症が広まる。 -
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☆4.5
「ロディの仮面祭」
「ラスペイの姉妹」
「ヴィルノックの医師」
今回のサブタイトルはすべて地名。時間軸的には「ロディ」は1巻と2巻の間に挟まるらしい。
「ラスペイ」と「ヴィルノック」は最新の話題。
ペンリックはニキスと結婚して、ヴィルノックに住んでいる。
どうしても、第3話「ヴィルノックの医師」のインパクトが強い。謎の感染症が広がり、ペンリックは治療にふらふらになりながら、患者からさえ怪しまれ罵倒され、なお感染源を探る。
パンデミック物は、最後に感染症と治療法が分かり、一気に解決するカタルシスがおもしろいけれど、時期的になかなか重苦しかった。
まあ、解説によると、著者本人も、このネタを思い付いたのは2019年より前!と何度も主張しているらしい。
医師という立場の難しさ、喜び、生命という奇跡への感謝。だけでなく、ちゃんとこのシリーズならではの「解決方法」も書かれていて、知識を次代へ持ち越す重要性も描かれていると思う。
「ロディの仮面祭」では、まだどこか腰の座らないペンリックの行き当たりばったりな行動と、たぶんヴェネチアを参考にした仮面祭の華やかさと猥雑さが楽しかった。出てくる聖者さまがかわいくて賢くて、茶目っ気があってかなり好きだった。
「ラスペイの姉妹」は海賊に拐われたペンリックが孤児の姉妹とともに逃げ切るお話し。ちょっと長い気もしたけれど、ペンリックの、弱い者への優しさがよく分かる佳品。