鍛治靖子のレビュー一覧
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「ファーシーアの一族」3部作の続編「道化の使命」。
これも3部作で、一作が3冊ずつになるようです。
フィッツは行方不明の王子を追って、山を行く。
王子は<気>を持つ古き血族の狩猟猫に取り込まれ、反乱の徒パイボルドに利用されているらしい。
共に行くのは、狼のナイトアイズとゴールデン卿。
狼のナイトアイズは、フィッツが<気>の絆を結んでいる相手。誇り高く頼りになる相棒だが、年を取ってきているのがフィッツの心配の種。
ゴールデン卿は異国の貴族という触れ込みの黄金の髪と肌をした華やかな宮廷人士。
だがフィッツにとっては、子供の頃から心通わせた王の道化。
その正体は人並み外れた長命の、「白の予言者」だ -
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波乱のファンタジー。
面白いです。
しかし、あと1冊で終わるのか‥?
フィッツは、六公国のかっての王シュルードの第一王子シヴァルリの庶子。
陰の存在として教育を受け、暗殺者として働いた時期もあった。
王位を継いだ第二王子のヴェリティを信頼していたが、その死後に引退を決意し、トム・バジャロックと名乗って、田舎で隠棲していた。
絆を結ぶ狼のナイトアイズのことは、狼によく間違われるが飼い犬なのだと説明しつつ。
すっかり老人のような心境で15年が過ぎたが、まだ30代半ば。
ヴェリティ亡き後、王妃ケトリッケンが統治者となっている。
かっての師シェイドは王妃の顧問官となっていた。
デューティフル王子の -
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1912年のエジプトが舞台。私は第1章で物語に入っていけなくて苦しんだんですが、1章はモブ、サクサク読み進んで大丈夫。2章から名前頭に入れながら読みましょう。1912年とはいえ、ジン(精霊)や魔法が普通に顕現した世界観。イギリスだと妖精、ドイツはゴブリンなど、使い魔・よき隣人もお国で様々です。主人公ファトマは若くしてエジプト魔術省エージェント精鋭として活躍する女性。洒落たスーツを着こなし、帽子にもこだわりが。しかし、女性の地位が低いのは当時と変わらず、その苦労も描かれます。世界観と登場人物の個性的で正義感あって、チャーミングなところが魅力的な本でした。410ページですが上下2段の文字列で、かな
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ファンタジー。SF。
初めて読む作家。両親がトリニダード・トバゴ出身のアメリカ人歴史学者とのこと。
エジプトが舞台のサイバーパンク。
魔法が存在し、ジンと人間が共存する世界観が独特で面白い。
主要人物が、主人公ファトマとパートナーのハディア、恋人のシティと、女性ばかりなのも特徴的。
基本的には、冒頭の不可解な事件を主人公たちが捜査する、ミステリ的なストーリー。
派手な戦闘シーンもあり、映像化しても良さそう。ジンやイフリートたちの戦闘シーンは、文章でもなかなかの迫力。
世界観にハマリ、かなり楽しく読めた。
天使たちの行動の目的は明らかになっていなかったように思うし、続編やこの作品以前のシリーズの -
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エジプトを舞台にしたスチームパンク!
もう設定からして珍しすぎる!
幻想文学と銘打たれているのは、人と精霊(ジン)が共存している世界観だから。
19世紀初頭、エジプトに大魔法使いが現れ、時空をつなげて、精霊を呼び出した。
さらに、その精霊たちの能力も掛け合わせて、機械工業化も進めたので、この世界ではエジプトは、アメリカ・ロシアに並ぶ世界三大強国となっている……。
それでも、女性蔑視や、エジプトが栄えたからこそ南北の人種差別問題が表面化している。
主人公も、その相棒も恋人も、主要キャラはほぼ女性♪
みんなステキな人たちで、フェミニズム文学としても傑作だと思う。
大国であればこそはびこる差 -
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ネタバレ表紙は 聖者キーオとペンリック、そしてデズデモーナ
毎巻、表紙に感心させられる。イメージにピッタリのイラストで素晴らしいと思う
ロディの仮面祭
孤児出身であり聖者であるキーオ。若い女性。
ペンリックはキーオに振り回されながら、魔を剥がす任務をこなす
その事件にはちょっとした殺人未遂事件が絡んでいてややこしくなる。
ラスペイの姉妹
海賊に捕まりそこで、幼い姉妹と出会うペンリック
幼い姉妹も一緒に連れて脱出。
姉妹は父親と本妻とは別の、内縁の妻の間の子ども。事情があって父親は姉妹を引き取れない。
姉妹は、ペンリックの計らいでヴィルノックの庶子神教団の庇護下に入る
ヴィルノックの医師
軍 -
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☆4.5
「ロディの仮面祭」
「ラスペイの姉妹」
「ヴィルノックの医師」
今回のサブタイトルはすべて地名。時間軸的には「ロディ」は1巻と2巻の間に挟まるらしい。
「ラスペイ」と「ヴィルノック」は最新の話題。
ペンリックはニキスと結婚して、ヴィルノックに住んでいる。
どうしても、第3話「ヴィルノックの医師」のインパクトが強い。謎の感染症が広がり、ペンリックは治療にふらふらになりながら、患者からさえ怪しまれ罵倒され、なお感染源を探る。
パンデミック物は、最後に感染症と治療法が分かり、一気に解決するカタルシスがおもしろいけれど、時期的になかなか重苦しかった。
まあ、解説によると、著者本人も、この -
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相変わらず、設定が飛びまくってる。
読みはじめてからしばらく、え?これ、ペンリックのお話だよね?てか、セドニアてどこ?と???だらけだった。
でも、やっぱりおもしろいんだよね~。状況が分からないのに読ませるビジョルドはすごい。
さらにチートに磨きをかけたペンリックは、なんと30歳。童顔だし、素直でお人好しっぷりは変わらないので、誰にもそう見られないけども。
それでも徐々に明らかになるチートゆえの辛い経験で、老成しちゃってる部分もあり、そのせいでさらに意味不明な人に見える。
そんなペンリックに、運命の女性登場!
美人じゃないちょいぽちゃな未亡人、てところが、ビジョルドの主人公ぽい(笑)
はっき -
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下巻は、大いなる魔法に至る「道」を探索する吟遊詩人たちと己の野望のために「道」を利用しようと企む宮廷詩人の追跡劇。
上巻が地味な展開だったので、下巻ではド派手な魔法戦があるのかと期待していたら、大ドンデン返し的なものもなく、地味な展開のまま話が終わってしまった。
いや、ひとつひとつのパートはすごく読み応えあるんだよね。でも、全体としてみるとクライマックスがちょっと弱かったかなと思う。
そんな中、面白かったのが非モテ感溢れる脇役ネッドの見事なリア充チェンジ。
上巻では軟弱なボンボンのネッドが、下巻では逞しい男、というか漢(おとこ)になっていて、王国随一の剣士を(二人がかりだけど)倒して許嫁(上巻