鍛治靖子のレビュー一覧

  • 黄金の狩人3

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    「ファーシーアの一族」3部作の続編「道化の使命」。
    これも3部作で、一作が3冊ずつになるようです。

    フィッツは行方不明の王子を追って、山を行く。
    王子は<気>を持つ古き血族の狩猟猫に取り込まれ、反乱の徒パイボルドに利用されているらしい。
    共に行くのは、狼のナイトアイズとゴールデン卿。
    狼のナイトアイズは、フィッツが<気>の絆を結んでいる相手。誇り高く頼りになる相棒だが、年を取ってきているのがフィッツの心配の種。
    ゴールデン卿は異国の貴族という触れ込みの黄金の髪と肌をした華やかな宮廷人士。
    だがフィッツにとっては、子供の頃から心通わせた王の道化。
    その正体は人並み外れた長命の、「白の予言者」だ

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    2011年06月02日
  • 黄金の狩人2

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    波乱のファンタジー。
    面白いです。
    しかし、あと1冊で終わるのか‥?

    フィッツは、六公国のかっての王シュルードの第一王子シヴァルリの庶子。
    陰の存在として教育を受け、暗殺者として働いた時期もあった。
    王位を継いだ第二王子のヴェリティを信頼していたが、その死後に引退を決意し、トム・バジャロックと名乗って、田舎で隠棲していた。
    絆を結ぶ狼のナイトアイズのことは、狼によく間違われるが飼い犬なのだと説明しつつ。
    すっかり老人のような心境で15年が過ぎたが、まだ30代半ば。

    ヴェリティ亡き後、王妃ケトリッケンが統治者となっている。
    かっての師シェイドは王妃の顧問官となっていた。
    デューティフル王子の

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    2011年05月25日
  • 黄金の狩人1

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    35歳の、もはや自分が自分をどのように考えているかすらわからない、若者でも年寄りでもない年齢の主人公によるファンタジー。静かで落ち着いた文体もいい。機智に富んだ老狼との会話もいい。架空の話になぜこれほど感動するのかと思えるほど魅了されてしまう。お勧めです。

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    2010年11月13日
  • 黄金の狩人3

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    ファーシーアの一族シリーズはまだまだ続いているが、黄金の狩人は3冊で完結。これまで訳されたシリーズのなかで一番きれいに終わり、読後感が良かったのはこの巻ではなかろうか。

    やっと見つけたデューティフル王子とは打ち解けられず、フィッツは相変わらずの性格で、苛々を募らせる。お互い反発しながらも、次第に関係が変化していくさまは特に面白かった。

    フィッツはすっかり大人になったなぁ。王子を冷静に観察するフィッツと一緒に、子供時代のフィッツのことを思い出した。

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    2010年09月23日
  • 精霊を統べる者

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    いつ読んだか忘れてしまったけど、登録しそびれていたので。
    スケールの大きなファンタジーで、最終場面はぜひ映像で見たいなと思った

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    2025年11月22日
  • 魔術師ペンリック

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    面白かった。
    ペンリックとデズデモーナの掛け合いが好きだった。
    「退屈 退屈 退屈です。」
    クスッと笑わせてくれるところも好きだった。
    ただ5神教の世界がまだ理解できていないので、充分楽しめなかったところはある。
    次のシリーズが楽しみ。

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    2025年10月31日
  • 精霊を統べる者

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    『SFが読みたい!2024』の海外長編部門の第1位。
    間違いなく面白い!!
    SF色よりか、ファンタジー色のほうが強いかも。
    主人公も相棒も、恋人(こっちも女性・・・普通ではなかったけど)も登場人物が全員格好いい。
    全体に流れるスチームパンク、女性ながら、なかなかなハードボイルド。

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    2025年08月17日
  • 精霊を統べる者

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    #精霊を統べる者

    精霊と魔法と科学技術で大国となった、20世紀初頭・スチームパンク調のもう一つのエジプトが舞台。主人公は、超自然現象から人々を守る魔術省の女性エージェント。相棒は超人的能力を有する謎の美女。魔術学校優等生の真面目な新人エージェントも加わって、伝説の魔術師の再来を追う。この設定だけでワクワクする。
    続編も期待できるし、作中に登場する他のエピソードも邦訳希望だし、何より映像化を強く希望!

    #読書好きな人と繋がりたい

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    2025年04月07日
  • 精霊を統べる者

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    1912年のエジプトが舞台。私は第1章で物語に入っていけなくて苦しんだんですが、1章はモブ、サクサク読み進んで大丈夫。2章から名前頭に入れながら読みましょう。1912年とはいえ、ジン(精霊)や魔法が普通に顕現した世界観。イギリスだと妖精、ドイツはゴブリンなど、使い魔・よき隣人もお国で様々です。主人公ファトマは若くしてエジプト魔術省エージェント精鋭として活躍する女性。洒落たスーツを着こなし、帽子にもこだわりが。しかし、女性の地位が低いのは当時と変わらず、その苦労も描かれます。世界観と登場人物の個性的で正義感あって、チャーミングなところが魅力的な本でした。410ページですが上下2段の文字列で、かな

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    2024年12月13日
  • 精霊を統べる者

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    ファンタジー。SF。
    初めて読む作家。両親がトリニダード・トバゴ出身のアメリカ人歴史学者とのこと。
    エジプトが舞台のサイバーパンク。
    魔法が存在し、ジンと人間が共存する世界観が独特で面白い。
    主要人物が、主人公ファトマとパートナーのハディア、恋人のシティと、女性ばかりなのも特徴的。
    基本的には、冒頭の不可解な事件を主人公たちが捜査する、ミステリ的なストーリー。
    派手な戦闘シーンもあり、映像化しても良さそう。ジンやイフリートたちの戦闘シーンは、文章でもなかなかの迫力。
    世界観にハマリ、かなり楽しく読めた。
    天使たちの行動の目的は明らかになっていなかったように思うし、続編やこの作品以前のシリーズの

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    2024年11月13日
  • 精霊を統べる者

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    エジプトを舞台にしたスチームパンク!

    もう設定からして珍しすぎる!

    幻想文学と銘打たれているのは、人と精霊(ジン)が共存している世界観だから。
    19世紀初頭、エジプトに大魔法使いが現れ、時空をつなげて、精霊を呼び出した。
    さらに、その精霊たちの能力も掛け合わせて、機械工業化も進めたので、この世界ではエジプトは、アメリカ・ロシアに並ぶ世界三大強国となっている……。

    それでも、女性蔑視や、エジプトが栄えたからこそ南北の人種差別問題が表面化している。
    主人公も、その相棒も恋人も、主要キャラはほぼ女性♪
    みんなステキな人たちで、フェミニズム文学としても傑作だと思う。

    大国であればこそはびこる差

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    2024年09月25日
  • 魔術師ペンリックの仮面祭

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    ネタバレ

    表紙は 聖者キーオとペンリック、そしてデズデモーナ
    毎巻、表紙に感心させられる。イメージにピッタリのイラストで素晴らしいと思う


    ロディの仮面祭
    孤児出身であり聖者であるキーオ。若い女性。
    ペンリックはキーオに振り回されながら、魔を剥がす任務をこなす
    その事件にはちょっとした殺人未遂事件が絡んでいてややこしくなる。


    ラスペイの姉妹
    海賊に捕まりそこで、幼い姉妹と出会うペンリック
    幼い姉妹も一緒に連れて脱出。
    姉妹は父親と本妻とは別の、内縁の妻の間の子ども。事情があって父親は姉妹を引き取れない。
    姉妹は、ペンリックの計らいでヴィルノックの庶子神教団の庇護下に入る


    ヴィルノックの医師

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    2024年08月14日
  • 精霊を統べる者

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    1912年のエジプト・カイロを舞台に、すさまじい想像力が爆発する幻想小説巨篇。
    スチームパンクの世界観に加え、精霊(ジン)が復活し、魔法が支配している世界という設定だ。そこで起きた異常な大量殺人事件を解明するべく、エジプト錬金術・魔術・超自然的存在省の特別調査官ファトマが奔走する。
    魅力的な設定に加え、キャラ造形がうまい。抜群のリーダビリティもあって、2段組本文408ページを一気に読んでしまった。シリーズの初長篇らしいが、他の作品もぜひ読みたい。
    ネビュラ賞、ローカス賞、イグナイト賞、コンプトン・クルック賞の4冠受賞。

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    2024年07月06日
  • 魔術師ペンリック

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    ある日突然、魔を受け継いで、魔術師になったペンリックの物語。この魔術師の能力は、魔術師だったものが死ねば、最も近くにいた者に、その能力が受け継がれるというもの。この設定が面白かったです。中編3編ですが、いろんな神がいる世界観に慣れるまで、少し時間がかかりましたが、慣れた頃に読んだ最後の『ペンリックと狐』面白かったです。まるでジョジョのような能力が、いろいろ読めて楽しかった!

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    2023年09月03日
  • 魔術師ペンリックの仮面祭

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    ☆4.5
    「ロディの仮面祭」
    「ラスペイの姉妹」
    「ヴィルノックの医師」

    今回のサブタイトルはすべて地名。時間軸的には「ロディ」は1巻と2巻の間に挟まるらしい。
    「ラスペイ」と「ヴィルノック」は最新の話題。
    ペンリックはニキスと結婚して、ヴィルノックに住んでいる。

    どうしても、第3話「ヴィルノックの医師」のインパクトが強い。謎の感染症が広がり、ペンリックは治療にふらふらになりながら、患者からさえ怪しまれ罵倒され、なお感染源を探る。
    パンデミック物は、最後に感染症と治療法が分かり、一気に解決するカタルシスがおもしろいけれど、時期的になかなか重苦しかった。
    まあ、解説によると、著者本人も、この

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    2023年06月15日
  • 魔術師ペンリック

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    人のいいイケメンがちょっとしたラッキー(もしくはアンラッキー?)で魔術師になる話。明るくて捻くれたところのない主人公が好感度大でした。
    続刊も買ってあるので、しばらくしたら読もうと思います。

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    2021年08月19日
  • 魔術師ペンリックの使命

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    相変わらず、設定が飛びまくってる。
    読みはじめてからしばらく、え?これ、ペンリックのお話だよね?てか、セドニアてどこ?と???だらけだった。
    でも、やっぱりおもしろいんだよね~。状況が分からないのに読ませるビジョルドはすごい。

    さらにチートに磨きをかけたペンリックは、なんと30歳。童顔だし、素直でお人好しっぷりは変わらないので、誰にもそう見られないけども。
    それでも徐々に明らかになるチートゆえの辛い経験で、老成しちゃってる部分もあり、そのせいでさらに意味不明な人に見える。
    そんなペンリックに、運命の女性登場!
    美人じゃないちょいぽちゃな未亡人、てところが、ビジョルドの主人公ぽい(笑)
    はっき

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    2021年07月07日
  • 魔術師ペンリック

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    5神教シリーズってこんな話だったっけ?と思いながら、でも楽しく読みました。
    どことなくヴァルデマール的なユーモアもありつつ。
    若干のミステリィもありつつ。
    主人公たちの掛け合いが楽しい作品は好きです。
    ペンリックがとことんお人好しで柔らかく優しい人物なのがまた良いですね。
    決してほのぼの系な話では無いと思うのだけど、ペンリックの人柄のお陰で、なんとなくほのぼの系な雰囲気になっている気がする。
    あと、訳者さんの匙加減も良い感じだと思います。

    続編もあるのかな?

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    2018年11月28日
  • 魔術師ペンリック

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    五神教シリーズ。主人公のペンリックは金髪碧眼長身で弓の腕にも長けた若者、てことで、ビジョルドさんの作品では珍しいタイプの主役なのではないか。
    思いもよらず魔術師となってしまったペンリック、その立場にだんだん馴染んでいくところが描かれるのかなと思いきや、短編集(中編かも)ゆえに、二作品目ではすっかり板についていた。馴染んでいく過程も見たかったなー。
    ファンタジーでありつつミステリー風味でおもしろかった。

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    2018年11月04日
  • 吟遊詩人の魔法 下

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    下巻は、大いなる魔法に至る「道」を探索する吟遊詩人たちと己の野望のために「道」を利用しようと企む宮廷詩人の追跡劇。
    上巻が地味な展開だったので、下巻ではド派手な魔法戦があるのかと期待していたら、大ドンデン返し的なものもなく、地味な展開のまま話が終わってしまった。
    いや、ひとつひとつのパートはすごく読み応えあるんだよね。でも、全体としてみるとクライマックスがちょっと弱かったかなと思う。
    そんな中、面白かったのが非モテ感溢れる脇役ネッドの見事なリア充チェンジ。
    上巻では軟弱なボンボンのネッドが、下巻では逞しい男、というか漢(おとこ)になっていて、王国随一の剣士を(二人がかりだけど)倒して許嫁(上巻

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    2018年01月30日