佐宗邦威のレビュー一覧
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企業理念が大事であるということは、もう何度も繰り返し主張されていることであり、反対する人もいないことである。ただ、昨今、再評価というか改めて考える会社が増え、重要視されているようであり、「理念経営2.0」というタイトルに期待を込めて購読。ミッション・ビジョン・バリューのような過去からの原則に加え、パーパス、ナラティブ、ヒストリー、カルチャー、エコシステムといった要素を加え、それぞれの意味やつながりを再考し、どう作るか、どう活かすかを解説してくれている。わかっているようでわかっていないこの抽象度の高い事柄を、もう一度頭に叩き込む良い機会になった。これ、講義用に再編してやってみようかな。
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Posted by ブクログ
ネタバレ佐宗氏によるクリエイティブ本。
ワクワクしつつ読書。
メモ
・大人になると自分の内面イメージよりも外とのコミュニケーションを大事にすることで元々使っていた創造脳を使わなくなってしまう。
・この本でいう創造は自分の内面で今はまだ存在していないものを想像し、それを世の中に形にしていくあらゆる行為を呼ぶ
・創造することは希望をつくる力
・創造の本質
模倣 感性のセンサーを働かせる センスを磨く
想像 自分ならどうするか。世の中にあるものを少し変えて自分らしさを入れ込んでいく
創造 自分の創造サイクルを回し制作物に落とし込んでいく
・まねるときに大切なのは小さな違いまで観察すること。それが自分の感性のセンサーを働かせることになる。
・センスに関する三つの軸
自分軸 自分が好きかどうか
時代軸 感度高い人が面白いと感じるものに目をつけられるか
品質軸 上質かどうか。専門家の厳しい評価に耐えうるか
・自分たちの好きを大事にすること。良いものを体験しにあちこちに行くこと。気になったものはすぐ取り入れてみること
☆自分を主語にする三段階
自分が感じている感情と対話する
自分の好きな世界に浸る
自分のつくりたい世界を想像する
・余白をつくる
スマホを持たず、ペンとノートを持ってカフェにこもる
・自分との対話の時間が多いほど自分が主語の時間は増えていく
・曖昧さをだきしめよう
・想像力を鍛える方法
目をつむってワクワクするシーンを妄想する
それを物語として言葉で書いたり、スケッチで描いたりして実際に表現してみる
表現したものを自宅で見えるところに貼っておく
・全身を使って考える
片付け
・しっくりくる表現フォーマットを見つけてみる
文章、静止画、動画、身体、リズム
・仕事が忙しいときこそ、運動の時間をあえて入れる
・誰もが自分のキャンバスを選び、自分を表現していく生き方をすることで希望を。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ壮大なタイトルに負けない内容だったと感じた。
結論としては「デザイン思考は、新しい切り口、課題を見つけ、解決策を考えるためのツールとして必要」という内容だった理解。
課題が見えていない、見えていても既存の方法では解決ができない、というときに活用する。また、課題の見つけ方も従来の左脳の世界ではなく、右脳と左脳を行き来するような方法を必要とする。
将来のイメージを語れる人材と非常に相性が良い、とも感じた。
また、実際の方法論(特にリサーチや統合に向けた箇所)は実業務で参考になる。最近のはやりのワードということではなく、「だから必要」ということが理解できた。
別段個人で枠を超えられたり、いろんな人材になれたり、経験を持てたりしていれば「協働」などは不要。だが、そんな人はいない。ましてや新しい領域をつくらなければいけない、という時代観において。
これ以上の発展、課題解決は必要なのか、という視点も一方で持つべきものだとも感じる。 -
Posted by ブクログ
文句なし僕にとっては★5つの本です。 20年近くのビジネス人生において尊敬するに至った野中先生と入山先生が帯を書いている本なので当然期待を高く読み始めるわけでありますが、やっぱり読んでよかったと思えた本で、多くの方に読んでもらいたいなぁと思う本です。
『△から〇へ変わる組織の形』として表現されている内容や、本書の前半の見開きで『創造と変革の36の智慧』として整理されている体系がそもそも素晴らしいのも事実であるが、そのアプローチを入山先生の帯の言葉を借りれば「いま日本中の大企業で変革を本当に起こしている張本人による、これは最高のイノベーションの手引書だ!」という、事実としてやってきた事例が満載なので、すごく手触り感がある。
自分の立場や感想や見解などというものを述べるより、今回も抜粋多めにしたほうがいいと思うので、多めで行きたいと思います。 さすがに図までは引用してなくてすみませんが、下記、ご確認ください。(都合により自分の所属するカイシャが関わった部分は長めです)
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P28 △から〇へ変わる組織のかたち
一方、創造する組織は、グーグルをはじめとしたIT企業のような分散型の組織モデルだ。クリエイティブな活動は、長期的に新たなアイデアや事業などを通じて、新たな価値を生み出し続けることを目的とする。生産のための設備は人であり、人の内発的エネルギーによって駆動するため、突如としてすごいアウトプットが現れることもあれば、気分が乗らないとアウトプットがゼロのこともある。(中略)野心的なビジョンや、腹に落ちたミッションなどの意思の向かう方向性が明確になったとき、よくいえば自律的、悪く言えばバラバラのベクトルが一気にまとまっていく。アイデアとアイデアの偶然の出会いにより突然変異を生む創造が、その営みの中心だ。
P103
BIOTOPEでは、NTTコミュニケーションズでボトムアップ型の会社の理念浸透活動を支援する機会があったが、大きな組織にミッション/ビジョンを広めていくためにまず重要なのは、一気に全体を変えようとせず、共感度の高いコアな社員から自分事化を進めていくことだ。巨象はいきなり動かない。役職・部門を超えて、共感度・活性度の高い人たちによるコミュニティを形成し、彼らの周りから変革の日が広がっていく仕掛けをつくるほうが有効だ。
たとえば、策定プロセスにおいても経営幹部だけでなっく、会社の部署をカバーできるように広く呼びかけ、ワークショップやインタビューなどで組織や未来への想いの強い社員を巻き込んでおくのもいい。そのうえで、策定したミッション/ビジョンを個人の想いやビジョン、日々の仕事と結びつけ、自分の言葉で語っていくストーリーテーリングの場を設ける。役職や部門を超えて、共感度・活性度の高い人たちによるコミュニティを形成し、彼らの周りから変革の火が広がっていく仕掛けをつくっていくのだ。
(中略)言葉に込めた思想や世界観をきちんと伝えたうえで、どうしたら自分の仕事に生かすことができるかを、それぞれの社員にとっての物語として語ってもらうのも効果が高い。(中略)自分事化したストーリーを手に入れた共感者たちは、ミッション/ビジョンの伝道師となり、浸透・伝播のための強力な協力者となってくれる。
P208
天の時というのは、自社の変革期だ。言い換えるなら、乱世の時代と呼べるかもしれない。新たな取り組みは、平時においては辺境や道楽で行われることが多い。しかし、事業環境が大きく変化し、自社が存続の危機に見舞われたとき、いままでのルールが180度変わる。その際、既存の仕組みでうまくやっていた人の足が止まり、逆にゼロから道をつくってきた人が縦横無尽に動けるようになる。周囲が止まって見えるようなゲームができる瞬間があるのだ。
(中略)現場レベルでは、大きな波に巡り合わない平時では、コストを減らして“死なずに待つ”ことをして当面をしのぐことも大切だ。新規の取り組みを続けていると、どこかのタイミングで必ず疲れが出て、当初のエネルギーが沸かなくなってくる。しかしここからが本当の勝負だ。実はそうした新たな活動は、スタート時と比べて時間が経てば経つほどスキルも期待も向上するため、体感的には成果実感が減ってくるものの、着実に成果は出ているものだ。待ちの時間は、外に何かしらの発信をしておき、勝負どころで動いてもらえる社内のネットワークを構築しておく。そして、いざ天の時が来たときに動ける準備を整えておくといいだろう。
P236
「この変革プロジェクトで、あなたのチームは、潜っていていい。これから組織が立ち行かなくなったときに生き残って、新たな方向性を指し示す集団が必要なんだ。」イノベーション活動は、短期的な成果として見るだけではなく、長い目で見てバランスをとるという視点が大切だ。変革チームは、常に必要とされるわけではない。ただ、新しい次世代のモデルを実践していた人は、突然、否応なしにリーダーになることがある。
団塊の世代が退場し、社会の世代交代が起こったとき、これまで述べたあらゆる問題は深刻化し、大きな変革が迫られる時がくる。天の時が訪れるまでの猶予の時間は、おそらくあと5年だろう。いままでアウトローでしかなかったイノベーターたちは、世代や環境の持続可能性という既存のシステムでは解決のしようのない大義をもつことで、一気に次代の主流をつくるリーダーになる可能性を秘めていると思う。僕らは、そこまでに十分な準備をしておかなければならない。
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Posted by ブクログ
【案創無物】
本書はすばらしい!
わたしがモヤモヤと感じていたことが、ことごとく言語化されています。
― モノの生産 ―
製品(モノ)を中心に考えれば、いかに効率よく、ムダを省き作り出すかが課題になります。
トップ(指揮者)以外はトップに従う歯車という状態が最もムダがなく効率的です。あとは指示通りに動いているか管理することが正解になります。そのため、ピラミッド型でトップダウン方式が理にかなっています。
ただ、人は人であり機械の部品なんかではないという感情があります。ピラミッド型組織は人に単なる歯車であることを意識させないために、役職やボーナスという金銭的報酬で「人」である感情を与えています。モノ中心の考えであれば、必要のないムダなことになるかもしれませんが、人を歯車として動かすための潤滑剤となっています。しかし、あまりにもたくさん感情を与えてしまうと、モノ中心のシステムでなくなり、人が中心で個々人の感情にまかせて動く非効率的なシステムになってしまいます。
本来であれば、奴隷のような完全に感情を排除できる歯車がベストですが、今の世の中、公に奴隷制度を掲げることはできません。AIが人のようにある程度融通の利く高性能な歯車になれば、わざわざ感情を持ち合わせた厄介な「人」を使う必要はなくなります。現状、AIがそこまでに至っていないので、安くてそこそこ融通の利く「人」を歯車として使っているだけです。
ムダを省き効率的にシステムを動かすためには改善も重要です。PDCAを回し、どんどんムダを省いていくことが必要になります。モノが中心のシステムであればこれは大きな武器になりますが、新しい発想は生まれてきません。
― 変動費ゼロ ―
デジタルが発生した時点で、モノを作ることに力点を置く必要はなくなりました。正確に複製することにコストがかからなくなったのです。いままで、ムダなく効率的に複製を作ることに一生懸命になってきましたが、ムダなく効率的に、しかも一瞬にしてモノが作れるようになったのです。(すべてのモノがこうではありませんが。。。)
このようになるとモノ作りが主目的であった組織は意味がなくなります。複製品を作ることにコストと時間がかからないため、重要な項目でなくなり、初品を生み出すことが重要な項目になってきます。これは以前から言われている「0→1」思考です。初品を生み出す組織(システム)にピラミッド型は当てはまらないのです。
「モノを作る組織」→「創造する組織」への変化です。
― 組織概念の変化 ―
長い間、モノが中心の世界が続いたため、組織とはピラミッド型だとほとんどの人が認識しています。また、組織そのものの研究も進んで組織論もできあがっており、われわれは長い間そう洗脳されてきています。上の指示により動くものだと思い込んでいます。
しかし、現在「その組織」というものが変化してきています。世の中にモノが溢れかえり必要以上にモノが存在し、大量にごみとして排出されています。
これ以上モノ(複製品)を作り出す必要性はなくなっています。いかに効率よく大量に生産するための組織は不要となってきているのです。
「その組織」の中で育ってきた人は上の指示で動こうとします。「だって、上の指示で動くこと、それが組織だろ?そうでないと組織が成り立たない」と思い込んでいますが、「その組織」が変わってきているのです。ブロックチェーンのような形が組織として成り立ってきているのです。ヒエラルキーが無くなってきています。
― ヒットの短命化 ―
現在は何が成功するか先が読めない世の中です。とりあえずやってみたら、何かよくわからないけどうまくいったという世界です。トップだけでなく世の中のだれも、未来に何がヒットするかはわからないのです。
今は時代の変化が速く、昔のように生涯で一つヒットさせれば一生涯食べていける時代ではないです。一つのヒットの賞味期限が短いのです。たとえヒットを生んだとしても、そのヒットを生んだトップが一人で次から次へとヒットを連発することは不可能です。
物が溢れ、ヒットするものが読めない、この状況でトップダウンによりトップの指示に従うことは何も考えずトップと心中するのと同じです。
今は世の中に何かを発信するためのハードルがない状況です。
雑談からノリでやってみたらうまくいった。そんな時代です。
アイデアを生み出すには結局一人で考えるしかないです。人の意見を参考にするのもよいですが、自分一人で考えることが重要です。人の意見だけを集めただけでは、最大公約数を生み出しているに過ぎず、過去の枠から外に出ることはできません。
壁の外に出るためには自分で考えるしかないのです。
― 稲妻が走り雷鳴轟くとき ―
この変化はいいことで、自分一人で考えたことが世の中でヒットするかもしれないのです。
こんなにすばらしいことはないです!