佐宗邦威のレビュー一覧
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同じ著者の「直感と論理をつなぐ思考法」の内容を分かりやすく、より具体性を増したものにした本。「創造」の前段階として、真似から自分の理想像を模索する「模倣」と、自分の感性を磨く・アウトプットする「想像」(+それを確保するための「余白」)について述べている。
本書の中で印象的だったのは、「創造がされるのは思考が緊張からリラックスへと移り変わったとき」ということだ。これはジェームズ・W・ヤング著『アイデアのつくり方』(cccメディアハウス)にも同じことが書かれていた。ただ、本書が『アイデアのつくり方』と異なるのは、「余白の時間をスケジューリングする」「アトリエや創造の場を探す」といった、緊張→緩和の環境作りにも具体的に触れていた点だった。一方、『アイデアのつくり方』は要点を端的に表現してくれている本であり、ページ数も本文40ページ、解説30ページ弱の手軽さが魅力なので、本書を読んで創造性を育む環境のイメージを持ちつつ、『アイデアのつくり方』を持ち歩いて、思考法を復習する、といった使い分けができそうだと感じた。
タイトルには『13歳からの』とあるが、果たして創造の大切さに気付いている13歳がどれ程いることか。でも「自分モード」がまだ上手いであろう子ども達にこそ是非とも読んでもらい、創造性の基礎知識を分かりやすく身に付けてほしいと思う。 -
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美術を学ぶなかでなんとなく身につけてきたような、まだまだ身についていないような、そんなぼんやりとした「クリエイティビティ」というものの正体を紐解いてくれた本。ただ解説するだけでなく、ひとつひとつのステップに分解して誰にでも「模倣」できるように書いてくれている。
クリエイティブというと、たとえば絵がうまくなるとかデザインができるようになるとか、用途の限られた技術的な部分に目が行きがちだ。でも本当はもっと汎用性の高い能力なんだよなあ。アートをビジネスに活かす、というジャンルの本はもっと読んでいきたい!
【読んだ目的・理由】模倣から生まれる創造性に興味があったから
【入手経路】買った
【詳細評価】☆4.2
【一番好きな表現】自分のテーマに出会った人は、「自分がつくるべき作品が降りてくる」という状態になってきます。「つくりたい」という以上に、自分は「つくらざるを得ない」「あ、これ、俺がつくるべきだなあ」という感覚でしょうか。(本文から引用) -
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ネタバレ本書は両利きの経営、既存事業の発展、新規事業の創出を行う際の処方箋を述べたものである。グラレコ等ビジュアル化の必要性について端的に示している。(本書はスルメ的なところがあり噛めば噛むほど味わい深いということも付け加えておく)
クライエントである経営陣、新規事業担う人材の両者の立場をよく理解している。コンサルタントとしての視座が垣間見える。
0→1と1→100の局面の違いは全く異なる。前者は生物の進化や生き残り。後者は過去や他者の成功体験の良い部分を抽出し自己改善しつづけること。モードが全く異なる。
本書は主に前者、つまり新規事業を如何に会社経営に取り込んでいくかの内容になっている。前者と後者の相性の悪さはあるものの2つに共通しているものもある。それはコミュニケーションである。
もともと、言葉というのは自分と他人を”分ける”ために発達してきたコミュニケーション手段であり、論理脳は言葉で考えれば考えるほど他人との相違に焦点を絞っていく性質がある。(中略)まずは体感やビジュアルなどの非言語で、多様な考えのなかから共通点を見つけ、その輪郭を描き出していく。その後、一人ひとりが物語に翻訳していくと、それぞれが考えた物語の背後にある共通の価値観やイメージが見えてくる。(「創造の智慧10 過去―現在―未来をつないだ新たな文脈をつくる」より一部抜粋)
以前も読んで書評を書いていたようだ。今回読み直したが全く新しい本として新鮮な気持ちで読めた。成長(もしかして退化)しているということなのだろうか。 -
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ネタバレイノベーションの障害
人 :主人公
場 :遊べる場
意思 :数字よりビジョン
作り方:共創の方法論
組織 :既存組織とは別の場で育成し既存組織に接ぎ木
想像する組織:分散型⇔生産する組織:ピラミッド
内発的動機 ⇔ インセンティブ目標:KPI
創造の場 ⇔ 効率的分業
ボトムアップ ⇔ トップダウン
新たな知識 ⇔ 効率・改善
生命科学的 ⇔ 機械工学的
能力に合わせた組織
0→1 妄想を構想に
やる気のスクリーニング
熱量の小さい参加者が増えると熱が生じない。
創造の土壌
多くのものが生まれる多様なタネ、失敗の肥料
既存事業のやり方
再現性高くミスなく効率的に作る。
遊びや失敗は不良。
→「見たことのある落としどころ」になってしまう。
場と間
「仮説推論」
思いの即興、やってみて考える。
今の気持ちを話す。
余白。ゆるさ。
情報の全体像。
意義
教科書に出てくるようなバズワードではなく、
思想や世界観のある、
その企業流の言葉に翻訳されていること。
ムーンショット型ビジョン
各自の思いを引き出し、束ねる。
意思
自分事化したストーリー
調整能力に偏る日本のホワイトカラー生産性
改善、忍耐、複製
創造サイクル
インプットとアウトプットの間に突然変異を起こす。
デザイン思考
創造性の民主化、魔法の杖ではない。 -
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昨年『直感と論理をつなぐ思考法』に衝撃を受け、本作も購入。前著は個人の実践と効果に焦点が当てられていたが、今回はVISION DRIVENやデザイン思考を実践した組織づくりや、組織内でイントレプレナーとなるための考え方やエクササイズ、実践についてが主だった。
自分が組織をつくる、引っ張るときに改めて読むべき著作と感じたが、いま実践できることは
・VISION DRIVENであれ
・社外のオープンなコミュニティへの参加
・言葉でまとめず、絵やストーリーで思考
など。
膨大なインプットの結果、リラックスした状態のときにふとしたひらめきが生じることは経験があるし、まずそのインプットのためにも、仕事に関係のない情報でも横断的にとっていくようにしないとなと思いました。
いくつか、書き留め。
・妄想をうまく引き出すために、必要なスキルは“問う”ことと“表現する”ことである。
・「アプリシエイティブ・インクワイアリー」:その人が持つ関心や強み、将来の可能性に焦点を絞った質問をするのが特徴で、一人ひとりがもつ潜在的な想いを、問いかけに即興で答えてもらうことによって表出させる。
・イノベーション活動の初期段階では、できるだけ多様な人が混じり合う場を作ることから始めるのが、遠回りに見えて近道だ。
・彼ら(↑の場作りを主導するリーダー)が大事にしているのは、"ゆるいノリ”のリーダーシップだ。
・世の中の流行りは小さいうねりが海岸に近づくにつれて波になり、くずれていくようなものだということを知った。バズワードになって、経済誌や新聞に載るようなテーマは、サーフィンでいうと波がくずれているような場所で、もはや追っても遅いことが多く、どこで波をとらえるかという戦略が必要になる。
→捉えておくべき波①:技術の「ハイプ・サイクル」(ごく初期の小さなうねり。業界内の小さなバズ)
→捉えておくべき波②:「キャズム」超え。これは大波。
・多様なビジョンを引き出して統合が難しい理由のひとつは、いきなり言葉で合意形成を図ろうとすることで起こる。もともと、言葉というのは自分と他人を"分ける”ために発達してきたコミュニケーション手段であり、論理脳は言葉で考えれば考えるほど他人との相違尼焦点を絞っていく性質がある。
→ビジョンや想いはまずは絵やストーリーでまとめよう。
・[リベラルアーツ]は"WHY”をつくるうえで強力な武器だ。しかし、注意が必要なのは、リベラルアーツは勉強して満足というかたちで終わってしまうケースがしばしば見られる点だ。自分のビジョンや次の時代観を一度つくってみたうえで、それをヒントに、自分なりの物語を紡いでいくのが実践的だ。
・「Emarged Strategy」“戦略は実践のもとに創発される”という考え方。事前に計画するのではなく、実践の智慧を戦略として結晶化させていくべきだという現場主導の戦略立案の考え方
→イノベーションの現場と相性がいい。
・新たな営みを仕込んでいくうええ重要なことは、“天の時”“地の利”“人の和”。まずは、仲間や人脈を増やして人の和をつくる。次に、社会のトレンドや自社の組織を動かして、地の利をつくる。ここまでは、個人の力でコントロールできることだ。しかし、イノベーターにとって本当に重要なのは、天の時だと思う。天の時というのは、自社の変革期だ。 -
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ネタバレ既存ビジネスが飽和している現代日本において必要とされているのは、本書にある常識を壊すようなデザイン思考なのだと思う。
本書は筆者の経験に基づきデザイン思考の流れを大別して記しており、入り口から出口までのイメージを作ることができた。
特に各章末にデザイナーの常識とビジネスマンの常識という比較があり、いかに自分が後者の常識にとらわれた思考をしているかを気付かされた。
「私が解決したい課題は・・・」という切り口で物事を考え、
そこに至るためにはポストイットやラフスケッチ、ホワイトボードなどとにかく少しでもイメージを具体化できる環境で思考を行い、右脳からアイデアを生み出す必要があることを知った。
今回学んだデザイン思考をいかに現在の実生活や仕事に活用し、自分自身のスキルとして定着させるか、その場を作り意識的に行動できるかが、今の私に必要なことだと感じた。
デザイン思考の基本を知るという意味では本書は平易な言葉で書かれており、この類の中では比較的読みやすい部類だと思うので、関心がある人にはまずは手にとって読んでみてほしい。 -
Posted by ブクログ
「ひとりの妄想」を出発点としながらも、未来を変化させていくためには周囲を巻き込み、動かしていくことが必要であるとわかる。
基本的にはデザイン思考を肯定的に捉えつつ、適していない局面についても触れられている。
比較的大きい企業において、いかにイノベーションの種を撒き枯らさずに育てるか詳細に解説されている。そのため、スタートアップにいるような人材にはピンとこない部分があるかもしれない。
クックパッドのような比較的新しい企業であっても現状維持の慣性が働き、イノベーションへと向かうには相応のエネルギーが要るということがケーススタディよりわかる。
ただ「妄想から始めよう」というドリーミングな本ではなく、その妄想を形にするために泥をかぶる覚悟を後押しする現場感にあふれた一冊。