下地寛也のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
デザインやマーケティングの表層的なテクニックではなく、人が「ついそうしてしまう」状態をどう設計するかに焦点を当てた、思考の解像度が高い一冊です。
本書の面白いポイントは、「人は論理ではなく環境に動かされる」という前提に立ち、行動を変える鍵は“意志”ではなく選択肢の並び方や見せ方にあると明確に示している点。人は「やる気があるから行動する」のではなく、「やりやすいから行動する」。この逆転の発想が、具体例を通して腹落ちする構成になっています。
たとえば、商品が選ばれない理由、サービスが使われない理由、習慣が続かない理由を、「説明不足」や「努力不足」に帰さず、「しにくい設計」になっているからだと分解します。ここで語られるのは派手なアイデアではなく、摩擦を減らす・迷いを減らす・判断を先回りするといった、極めて地味だが強力な視点です。
ビジネスやデザインの話にとどまらず、資料作成、会議設計、チーム運営、さらには自分自身の行動改善にも応用できるのが本書の強み。「人を動かす」ではなく、「人が動いてしまう」状況をどう作るかを考えるようになり、仕事の設計思想そのものが変わります。
努力論に疲れた人ほど刺さる一冊。成果が出ない原因を人に求める前に、「しやすさ」を疑う視点を与えてくれる、実務的で本質的な良書です。 -
Posted by ブクログ
組織は思うように動いてくれないは、正に自分の悩みと一致するため、本書を手に取った。既に知っている内容も多かったものの、新たな学びも多く、参考になった。
以下、特に印象に残ったポイントを記す。
1. 仕事において、コミュニケーションが得意かどうかは関係ない
表面的なコミュニケーションスキルだけでは、仕事としては立ち行かなくなっている。
2. コミュニケーションに本番はない
たとえ功績のある人でも、人徳のない人には高い地位を与えてはならない。
3. 仕事の本質は問題解決
会社は、顧客の問題を見つけ、それを解決することで新しい価値を提供し、利益を得ている。
4. 評価に対する正しい向き合い方
「ダニング=クルーガー効果」という心理現象では、能力の低い人ほど自分の能力を過大評価してしまう。つまり、能力の低い人は自分の能力を正確に判断できない。優秀な人ほど自己評価を控えめにする傾向がある。上司が評価をするのであれば、その上司がどのような視点で評価をしているのか理解するしかない。
5. 上司のプライドに配慮する
上司が最も恐れるのは、自分の経験や立場を否定されることである。「それは違うと思います」「そのやり方は難しくないですか?」「あの部門の方がうまくいっていますよね」これらの言葉は、部下にとっては正論でも、上司にとっては危機感を抱くものである。しかも、その正論が的を射ているほど関係を悪化させる要因になる。
特に注意が必要なのは、成功体験を真っ向から否定する言葉である。「今は時代が違います」「もうそのやり方では古いです」このような言葉は避けたほうがよい。代わりに、「違った切り口かもしれませんが、私はこのように考えました。いかがでしょうか?」と、相手の意見に理解を示しつつ、自分の意見を横に並べておくように伝える。
一度プライドを傷つけてしまうと、その人との関係を修復するのは非常に困難である。常に相手のプライドに配慮することで、スムーズな信頼関係を築くことができる。
6. 意見の違いは「立場の違い」に過ぎない
このときに大切なのは、先輩を飛び越えて上司に直接確認を取らないことである。
7. その他のポイント
・忠誠心と貢献意欲を履き違える人がいる
・根回しは決裁者のプライドを尊重するために行う
・好意を持てば、人は動いてくれる
・的外れな発言は信頼を損なう
・自分らしさはまず誰かのやり方を真似ることから始める -
Posted by ブクログ
著者はコクヨの広報・マーケターの方ですが、常に社外に向かって商品とは別の価値を出し続けている方であり、非常に参考になりました。
本書は「インプット」「アウトプット」と大きく2つの目的から書かれています。
インプットの方は、本書では紙でのメモを紹介しています。私も昔は付箋やメモ帳などを持ち歩いている時期がありました。手書きの方が定着率が高い、というのもその通りかと思います。
ただ、私の場合は常にメモを持っている、という状態を維持するのが難しく、結局ふっと思い浮かんだものはスマホでメモを取るようになりました。頭に浮かんできたものを、スマホの音声入力を使ってメモを取っています。たまに誤変換などがありますので、とったメモは落ち着いたらPCの中のネタ帳に入れるなど、すぐに処理をするようにしています。
とはいえ「スマホが使えない場所」などもありますし、そのような状況の中ではやはりノートにメモを取っています。今後はメモを取る頻度(と気づきの書き込み)を上げたいですので、それ用のものを一つ準備しておくようにしたいと思います。
アウトプットについては、メモというよりは「思考術」「考えの整理の仕方」の紹介といった方がしっくりくるかと思います。ノート上で思考を整理する、といった内容です。
こちらについては、最近万年筆がお気に入りであるということもあり、私ももっぱらノートを使用しています。私の場合はキーワードではなく文章で書いていくことが多いですが「一度要素を全部書き出していく」「関連のあるものをつなげていく」といったところは一緒で、そこからメリット・デメリットを新たに書き出してみたり、さらに反論を書き加えてみたり、構成を再整理してみたり、といった使い方をしています。
こういったことも昔はすべてPCで行っていましたが、紙の方が使い勝手が良く、一度紙の上で整理したものをPCで並べていく、というやり方に変えました。効果としては紙の上で考える方がすっきりして効果も高いように思います。 -
Posted by ブクログ
ファシリテーションについて書かれた書籍。
気になる記載を抜き出す。
「問いかけて3回連続でシーンとさせてしまうとその会議は死んでしまう」対策として、「質問する前にアイデアが出そうか予測しておき、できれば進行役が自分でも『3つくらいは意見が言えるかな』とちょっと考えてから聞くほうが良い」「だれも意見が出ない場合は呼び水となるように『例えばこんなことできませんか』と準備しておいた3つのアイデアを少しづつ、場に提示する」
会議が時間通りに終わらない最大の原因は「テーマ設定」がされていない。=会議をどのように進めるのかという道筋を参加者が共有できていない。
【会議内容の告知メール】
目的(何のため)、議題(何を議論する)、ゴール(何ができれば終わる)という整理ができる。
目的の例:次号の社内報に何を掲載するのか検討する
議題の例:社内報先月号の社内アンケート結果共有
今月のテーマ案 ディスカッション
取材内容の詳細、段取り調整
※会議の具体的なイメージを参加者に持ってもらえるように告知にする。
会議のゴール例:特集で取材するテーマと部署の決定
社長対談の対談相手のリストアップ
スケジュールと役割分担表の作成 -
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コクヨ株式会社のワークスタイルコンサルタント・下地寛也氏が、日本一ノートを売る会社の社員として膨大なメモを収集し体系化した一冊です。メモを「インプットメモ」と「アウトプットメモ」の2種類に分けて使い分けることで、自分らしい思考を深められると説きます。インプットメモでは情報に自分の気づきを加えて記録し、アウトプットメモでは現状を見える化し、課題を整理し、打ち手を構造化することで問題解決につなげます。メモした情報の5パーセント使えればいいという気持ちで書くことや、書くことと考えることを分けるといった実践的なテクニックが満載です。正解のない時代に自分だけの答えを出したいビジネスパーソンにおすすめの思考術です。