鹿島田真希のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
マザコンというのはようするに母親への執着なんだけど
母子姦のタブーゆえに、母が自分のものにならないと絶望した子供は
その代替として
「母になってくれるかもしれない女性」を探し始めるわけ
んでもって、それを見つけてモノにしたと感じたとき
彼は幼児期の全能性を取り戻して
なんかとんでもない世界にトリップしちゃったりする
こともあるのね
一方、そういう男に魅入られてしまった女の子は
母を演じようと必死になって
大変なことなんだ
「恐るべき子供たち」が
アクロバットでさわやかな着地を決めたような小説だが
もうちょっと恥を知れよと言いたい部分はあります -
Posted by ブクログ
聖書を読んだのはもう20年以上昔の幼児時代で、旧約もあまりしっかりとは知らなかった。
この話は中学生の主人公の現実であるなんだか粘っこい世界と、
変わった人達の口から語られる聖書の世界が上手く交じり合っていて面白かった。
聖書は面白いけど、名前だとかの横文字や言い回しに頭痛や睡魔に襲われる人は少なくないと思うので、閑話的に入る短い現実視点が読み易さや理解に一役買っていた。
まだ未熟で大人になり始める子供達の素直な思考とか意見、だからこそ敏感に感じ取ってしまうよくわからない汚くて怖くて粘つく感覚。
面白い小説というより、わかりやすい旧約聖書という感じ。
お菓子が美味しそうでしたw -
Posted by ブクログ
第147回 芥川賞受賞作
読み終えて、どっと疲れました。
結婚後、脳の障害で不自由な生活をせざるを得なくなった夫との暮らしに幸せを見つけられない奈津子は、夫を連れ覚悟の旅へ。。。
向かった先は、子供の頃家族で止まったホテル。
今では五千円で泊まれるホテルだが、子供の頃のそこは家族の栄華を象徴する場所だった。
今では全ての財産を失っているのにもかかわらず、いつかまた元の暮らしが待っていると謙虚さの欠片もない母と、プライドの塊でうまく行かないのは誰かのせいと疑わない無職の弟。
その二人の存在こそ、奈津子を死に向かわせた理由だった。
奈津子の母と弟への嫌悪感は、ただただ陰鬱で気持ち悪か -
Posted by ブクログ
ここまで一貫して万人受けしないものを書き続ける作家さんも珍しいな、と思います。相変わらずの強さ。
表題作のハルモニアはとてつもなく異なっている音大生の男女の愛とやらを音に乗せ、音楽として描いているものすごく入りづらくて読みづらい気がするのに不思議とテンポ良く物語が運ばれていきます。
砂糖菓子哀歌もまた独特で、ほんと哀歌です。リズミカルなの。言葉の運び方が。甘いのか苦いのか固いのか。中身を理解するよりも先にすいすいと読み進めてしまう不思議な本。
もはや中毒。川上未映子的なね、けど川上未映子さんよりももっと独特ださらに万人受けしない、好きだなー。 -
Posted by ブクログ
これは賛否が分かれそう。
ストーリーの進行はほとんど登場人物たちの会話に委ねられ、地の文が極端に少ない。一人ひとりの発言がいちいち長く、言葉遣いも語る内容もなかなか非現実的。
よって、良いのか悪いのか判断しかねたまま、なんだかジェットコースターのように一気に読まされてしまった。
ストーリーを楽しむというよりも、作者の伝えたい事柄が直接登場人物の口から語られているという印象だな。間接話法じゃなくて直接話法というか(イメージ)。
やや引っかかったのは瞬という人物。いつも登場に違和感があるというか、物語における役割としての「説明する人」っぽさが出てしまっているのかな。