【感想・ネタバレ】少女のための秘密の聖書のレビュー

あらすじ

楽園を追放されたアダムとエヴァ、兄弟殺しのカインとアベル、ノアの箱舟、神に滅ぼされた悪徳の町・ソドムとゴモラ、父と娘が子をなすロトとその娘――少女がお兄さんに誘われて扉を開いたのは近親相姦、殺人、男色、何でもありの世にも奇妙な聖なる書物。鬼才の芥川賞作家が描く、残酷でみだらで魅惑的な旧約聖書の世界。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

初っ端からこれは当たりだと思いながら読み進めた。鹿島田さんにしか書けないだろう、奇想天外な展開。面白かった。イカれてる御伽噺のようで。
語り手の“わたし”が住む家には母親と血の繋がらない二の腕を触りたがる父親がいる。わたしの住む裏のアパートにはパンツ泥棒かもしれない気味の悪い浪人生のお兄さんがいて、わたしは母親に頼まれて家賃を取りにパンツ泥棒かもしれないお兄さんのもとに行く。そこでひょんなことをきっかけにお兄さんから旧約聖書について話を聞くことになるーーという物語の始まり。
血の繋がらない父とちょっと壊れている(どろけいをしている娘に破廉恥と言い捨てたり、かりんとう=犬の糞=破廉恥という考えな)母の不穏な、いやらしい始まりの気配があるたび、家賃を取りに行けと命じられ、次第にそれが楽しみになるわたし。パンツ泥棒かもしれないお兄さんはいつもお菓子を与えてくれ、旧約聖書の続きを読み聞かせ、ときにわたしの周囲での事件に準え話を進めていく。
そしてちょいちょい愉快な、シュールな展開を迎えるから面白い。
黒い靴下しか持っていない男のクラスメートに白い靴下が欲しいなら自分で買えばいいと指摘したことで、黒い靴下の男の子に「黒い靴下を履いているやつが黒い心を持っているとは限らない」とか言われ殺してやるとしつこく嫌がらせを受けたり笑、

わたしの見る夢の中。
お父さんとお母さんは裸でした。お父さんが、おちんちんをこすり始めます。すると、それはどんどん大きくなりらバットほどの大きさになりました。おちんちんがそのぐらい大きくなると、お父さんは消化器のホースみたいに、白い液体を放出しました。それがお母さんの乳房に当たると乳房がどんどん膨れあがってしまうのです。とか笑

ネタバレになりますが
ラストのパンツ泥棒の正体がお兄さんではもちろんなく、お父さんでもないところがちょうどよかったかな。
不気味さと少しのしょうもなさを真面目に描いた物語が好きな方は是非。

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2015年08月13日

Posted by ブクログ

ネタバレ

近所のお兄さんの家に家賃を取りに行って、お菓子を食べながら聖書の話を聞いた子どもたち。わたしと、黒い靴下の少年。

血のつながらのないお父さんはわたしの二の腕を触りたがるし、
お母さんは少女のままでいやらしい目でわたしを見て接してくる。
黒い靴下の少年は殺してやると言って、わたしを間違ったものから守ってくれる。

万物の誕生からモーセ、預言者ダニエル、聖書を通じて現実の物事と向き合っていく正直者たち。

モーセのところが難しかった。
とてもわかりやすく、そして難しい。
正しいこと間違っていることを見極める力を身に付ける大切さ。
性的だけど、中学高校で読むといいかも)^o^(

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2015年05月08日

Posted by ブクログ

旧約聖書か~と思って読むとはじめから卑猥な風景が、どちらが主題か判らないですが、面白かったです。でも聖書は謎だらけですよね。エジプト脱出のあとアモンは武器持って戦ってるし、ヘブライ人は、神に見いだされたから正しいみたいな自己肯定は納得できない。

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2015年04月08日

Posted by ブクログ

面白い角度で旧約聖書のことが書かれていて楽しめました。
旧約は大学時代に勉強していたのでなんとなく斜め読みで、少女少年お兄さんの物語だけしっかり読みました。
旧約聖書って何言ってんのかよく分からなかったりするけど、聖書についてお兄さんから聞いた後に少女たちが色々と話してるのを見てると「あぁ、なるほど」ってなんとなく、ぼんやりとでも旧約聖書について掴めるので良かった。
タイトル買いした本だったけどすごく当たりでした。

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2015年02月11日

Posted by ブクログ

近所のパンツ泥棒と噂されるお兄さんが(主に)聞かせてくれる旧約聖書の話と、ちょっと生々しい現実に置かれた主人公の少女の話が代わる代わる出てくる。

旧約聖書の人々や神様の話って、よくある教訓めいた話と違って、なんだかすっきりしない。まるで、少女の置かれたねちねち、ぬるぬるした現実世界みたい。そんな風に、言葉に表しきれない何かを読みながら感じていたのだけど、物語の最後で少女がまとめてくれました。

旧約聖書は本当の物語なんだ。
旧約の物語には、その「はっきり」がありません。物語に出会うたびに、ただ、ぞくぞく、ぬるぬるした気持ちになるのです。
でも、それはわたしが生きている世界にとても似ています。お母さんとお父さん、少年とお兄さん。気持ち悪いこと、気分いいこと、哀しいこと、嬉しいこと。そういうことは、全て、ぞくぞく、であり、ぬるぬる、でした。

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2015年01月29日

Posted by ブクログ

主人公の母親と義理の父親がめちゃくちゃ気持ち悪い 主人公の少女の思春期らしさはある意味リアリティがあるけど母親が気持ち悪すぎて現実感がなかった 聖書のエピソードが差し挟まれてるので全体の気持ち悪さがいくらか緩和されてるところはある 少女から見た世界はこんなに気持ち悪いんだな

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2025年03月13日

Posted by ブクログ

聖書を読んだのはもう20年以上昔の幼児時代で、旧約もあまりしっかりとは知らなかった。
この話は中学生の主人公の現実であるなんだか粘っこい世界と、
変わった人達の口から語られる聖書の世界が上手く交じり合っていて面白かった。
聖書は面白いけど、名前だとかの横文字や言い回しに頭痛や睡魔に襲われる人は少なくないと思うので、閑話的に入る短い現実視点が読み易さや理解に一役買っていた。
まだ未熟で大人になり始める子供達の素直な思考とか意見、だからこそ敏感に感じ取ってしまうよくわからない汚くて怖くて粘つく感覚。

面白い小説というより、わかりやすい旧約聖書という感じ。
お菓子が美味しそうでしたw

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2015年08月08日

Posted by ブクログ

頭のおかしいような人ばかりで
聖書の世界とマッチ。
世の中は意味不明だが、神はその極地。
信じる人も、なく生きる人も、みんな意味不明。

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2015年07月17日

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