冥土めぐり

冥土めぐり

539円 (税込)

2pt

子供の頃、家族で行った海に臨むホテル。そこは母親にとって、一族の栄華を象徴する特別な場所だった。今も過去を忘れようとしない残酷な母と弟から逃れ、太一と結婚した奈津子は、久々に思い出の地を訪ねてみる…。車椅子の夫とめぐる“失われた時”への旅を通して、家族の歴史を生き直す奈津子を描く、感動の芥川賞受賞作。

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冥土めぐり のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ 2023年02月26日

    プライドとお金に執着する母たち、善意が自身に向けられていることを疑わないような振る舞いを続ける夫。
    ひどい、辛い、面の皮が厚い、など様々な思いを読んでる中で抱いたものの、読み進めると、果たしてどういう感情でいればよいかわからなくなる。圧倒的な筆力。感情がもっていかれます。

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    Posted by ブクログ 2021年09月02日

    「冥土めぐり」は本当に素晴らしい。不条理や理不尽の中で思うようにいかないまま「生きていく」ということが、それぞれの登場人物を通じて、とても生々しく、リアルに描かれている気がします。

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    Posted by ブクログ 2020年04月04日

    亡霊のようにずっと自分の人生にまとわりついた過去。そういったものは誰でも1つは持っていると思う。
    色鮮やかに、何度も繰り返し語られた過去の素晴らしい出来事。例えばそれが軽井沢の別荘でバーベキューをした優雅な休日だったとする。それを50年経ってから、もう一度同じ場所に行って、風化した別荘の床を踏んで、...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2015年02月05日

    痛い。
    痛いけど心地よい。淀んでる。
    個々の細かい描写が好みだった。
    シーン展開はいつもどおり(?)神話的。とても良い。
    「今は、意味の分からない絵でも見ることができた。奈津子は、ただ、絵を見ていた。」

    『99の接吻』も美しい。
    「蛍光灯のようなもの」・・・

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    Posted by ブクログ 2024年01月25日

    主人公の奈津子から、いかに搾取するかしか考えない毒母と毒弟が強烈だった。障害者になり、奈津子の力にはなれないが、無邪気でマイペースな夫の雰囲気がとても良かった。芥川賞を受賞した表題作のほか、実の姉に特別な感情を抱く菜菜子が主人公の『99の接吻』も収録。

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    Posted by ブクログ 2021年11月21日

    「冥土めぐり」「99の接吻」の二編。どちらも中性的な登場人物と癖のある登場人物との対比が面白い。冥土めぐりでは、純粋で鈍感でかつ前向きな太一。99の接吻では、中性な観察者で感性ですべてを理解する菜菜子。他の登場人物がコントラスト豊かに浮かび上がる。面白いと思いました。

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    Posted by ブクログ 2021年09月30日

    読書開始日:2021年9月28日
    読書終了日:2021年9月30日
    所感
    【冥土めぐり】
    家族のかたちは様々だと小説を読んで初めてわかる。
    自分は自分の家族で良かったと思えることが増えると同時に、現実は小説よりも奇なりといったもので、辛い過去として抱えて生きるものもたくさんいることがわかる。
    本作は...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2016年11月20日

    表題作は簡単に言えば、アダルトチルドレンの治癒の話。主人公の感覚は分かるものが多かった。個人的に凄くハッとさせられたのは芸術作品を鑑賞してるときの感覚で、これは自分もまったく同じなので驚いた。同時に、客観的に見るとこれは芸術を味わう感性と真逆の思考回路だなと気づいた。自分の芸術を見る目がないことがす...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2023年07月06日

    読んでいくとタイトルに感心、執着とは違う母性とも違う愛より情かあって感じました。99の接吻では私の持ってる感性と離れてて分かり得なかったとこあり。

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    Posted by ブクログ 2020年08月25日

    第147回芥川賞受賞作。主役の既婚女性が、裕福だった頃の家族の過去を手探りに行くかのように、幼い頃に旅行で訪れたホテルに、病気で体が不自由となった旦那と訪れる。全体的に何となく陰気な雰囲気。金持ちから急に貧乏になった為か、母親がとても痛々しい。

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