長尾剛のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
剣豪・宮本武蔵の"五輪書"のエッセンスを現代語でまとめあげた一冊。筆者によれば、武蔵が死の直前に一気に書き上げた原著は、文書の流れが十分には整理しきれておらず、本人も手直しを考えていたという、ある意味未完成版とのこと。そのため直訳では大意をつかみづらく、この本では原著の要所を抜き出し、さらに解釈を加えた構成を選択した由。
内容は剣技の技術論がメインなのだが、そこに"とはいえ現代にも生かせる点はあるはずだ"と筆者が繰り返すのは、まあご愛敬。そりゃ"他山の石"という言葉すらあるとおり、学べる人はどんなものからも学べるわけで。ただ武蔵のシビアでリアリスティックな考え方は確かに学べるところがあるようにも思える。
最後に、仏教思想も下敷きにした、兵法の道を究め空に至るその理想を記した"空之巻"は、長い戦いの末に彼がたどり着いた境地が窺え、感慨深いものを感じると同時に、自らを省みる材料ともなった。 -
Posted by ブクログ
古代から存在した戦う女性たち。日本史の中の女武者列伝。
序章 女軍という存在
第一章 神話時代から古代の女軍
第二章 武士の時代の女軍たち(1)
第三章 武士の時代の女軍たち(2)
第四章 幕末動乱の中に散った女軍
第五章 近代、封殺された女軍の魂
おわりに 現代日本に甦った女軍の魂
参考文献らしきものは、文中に少しだけ。
『日本書紀』に「女軍(めいくさ)」という言葉がある。
女の戦士・・・戦う女性が存在したという。
日本史の中に存在した、そんな女武者を探し、語る。
更に、男性と同格の立場で戦う女軍の“魂”を探し、語る。
でもね、一部を小説風に脚色なんですね~。
諸説含めて歴史的事実に則ったといっても、エピソード集の感。
だから、タイトルの“女武者列伝”から、様々な史料を基にした
人物伝を読めると手にした者としては、足元をすくわれる、感。
しかも武者以外の人物・・・確かに著者の言う女軍の“魂”の
人物かもしれないけど、なんか違和感がありました。 -
Posted by ブクログ
漱石門下生まるわかりな一冊。
非常に読みやすく、シンプルに纏められているので、数多き漱石門下についての入門書としては丁度良いのでは。
最も、「漱石ゴシップ」の方の本の為、新鮮味は余り無いと云うか…切り口がまた其処?感は否めないというか。(だかからこそ解りやすくすんなり入ってくると云う点もあり)
偏って子規や虚子好きと云う自分にとっては、虚子子規の下りは「…そうかな~?」と云う点も残りつつ…。
しかし著者の漱石愛が凄い。漱石大好きすぎるので、若干思い込みで書かれている様な気もしますが、漱石大好き!と云う方なら共感が得られる部分でもあります。 -
Posted by ブクログ
借りた本。
『漱石ゴシップ』の方ですね。
漱石門下に連なる人々を取り上げ、漱石とどのような関わりがあったのか、という所で列伝的に並べられており、楽しい。
漱石の作品を少しでも齧っていると、森田草平や小宮豊隆の名は目につく。
敬愛する先生に、仕事やお金の工面をしてもらいながら、我こそが漱石に寵愛されし児、を競い合っている図は、肯定しきれない感もある。
寺田寅彦は「木曜会」でなくても漱石に会えた人物であったと書いている。
それでも、修善寺の大患や臨終には立ち会えなかった彼の心中とはどのようなものだったのだろう。
他にも岩波書店の創始者、岩波茂雄との話(岩波書店のロゴや『こころ』自費出版のこと)、志賀直哉の書けない小説、内田百閒の漱石の画筆を恭しく飾っていた話、芥川龍之介が感じた漱石の引力などなど、有名人ばかりですごい。
漱石の癇癪と、後からの自責の部分は、読んでいるとちょっと分かって切なくなる。
鏡子夫人の悪妻像については、小宮豊隆が作ったもので、本当は楽観的な明るい女丈夫だったとあるのも、初めて知った。
気難しいイメージのある漱石だが、これほどの人脈を活かしていこうとするのは、相当なものだろうと思う。
教育者というか、先達というか。
漱石門下であることの是非はともかく、自身の作品だけでなく、様々な財産を遺した方なのだな。 -
Posted by ブクログ
西郷隆盛の述べる人の進むべき「正しき道」に関する教え。リーダーとして政治や事業を行うべき立場の人間、そのような立場を目指す人間、それだけでなく人として生きる者すべてが持つべき日々の心構えが述べられています。幕府側として戊辰戦争に敗れた庄内藩士達が、明治政府から離れて下野した後の西郷隆盛に合って教えられた話なので、明治政府の批判を多分に含んだ敗者の愚痴のように聞こえなくもない。本書は現代語訳というだけでなく著者の解釈によって話が付け加えられ読みやすくなっています。所々具体的な話しになるとなるほど、役に立つなぁ、と思う箇所もありますが、基本的には儒教的な正道なので、大部分は「ははぁ、仰る通りです」(そうは言ってもなぁ・・)と首肯するしかないと思います。
-
Posted by ブクログ
以前から、孫子や孔明などの中国の軍略家の本を読もうと思っていたが、なかなか手につけられず、やっとこさ読んだ本。負け戦の6パターン「走る」「弛む」「陥る」「崩れる」「乱れる」「逃げる」やダメな将の5つのパターンなど、様々な場面を想定し、分類されている。西洋で言えば、フレームワークだ。戦は、兵隊のモチベーションを維持しつつ、国の軍費を抑えつつ、以下に敵国を自分の思い通りに動かすかが勝負になる。その戦略の知恵が詰まっているので、ビジネスにも応用ができると感じた。西洋でいうとフレームワークというのだろうか?様々なフレームワークがでてきて、非常に勉強になった。これからは東洋の時代かな〜
-
Posted by ブクログ
ネタバレ頼山陽資料館で、抹茶とか飲んでるくせに、実は「日本外史」読んだことないです。
歴史でも知識として、名前を覚えたくらい。
えーと、どんな内容なの?
幕末の志士たちが、熱狂的に読んで、熱く語り合ったとかいうベストセラー。
色々出てるのですが、漢文読めねえ。いっぱい注釈ついてないと、分からない。
という、トホホな自分がやっとこ手に取ったのが、「超」現代語訳。
ここまで易しくしてもらわないといけないとは、己の読解力に不安が出てきました。
幕末の志士たちは、これを読んで、尊皇攘夷!て盛り上がっていたのですね。
頼山陽の好き嫌いエッセイというか、歴史上のサムライたちの好き嫌いを熱く語っている本です。
そして、我々もこれの影響をかなり受けているのだなと気づきます。
今、人気のある武将たちは、ここから出ているといっても過言ではない?!
ゲームやアニメのイケメン武将ブームのきっかけというか、これに取り上げられている人を、デフォルメしたのかなというぐらい、名前がばんばん出てきます。
読んで、損はないでしょう。
捉え方は自由ですが。
ちょっと、足利と北条が気の毒だけど、尊王の立場だとしょうがないかな。
毛利がべた褒めなのは、頼山陽が安芸の国の人だからでしょうね。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ杉田玄白さんの「蘭学事始」を、読みやすくしてくれた本です。
この本が読みたいと思ったきっかけは、三谷さんの本。
「鼻を『フルヘッヘンド』する」というのが出てくるけど、
実は…という話題から興味が出ました。
「解体新書」を言えば、杉田玄白さんが有名ですが、
実は前野良沢さんが頑張ったんだなぁ。
玄白さんは自分でも性格が「大雑把」と書いているので、
この2人の血液型を想像すると、玄白さんがOかB、
良沢さんはAだったと察するけど(笑)
「ターヘル・アナトミア」を訳した人たちのように、
書いてあることが全くわからない、調べようにも辞書がない、
という状況から、必死で勉強して、だんだん意味が理解できるように
なってきた喜び。
これは、すごく感動するだろうなぁ。
今はほとんどの言語に辞書があるから、彼らのような
感動は、おいそれとは得られないだろうな。
うらやましいな。