梶よう子のレビュー一覧

  • 北斎まんだら

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    信州小布施の豪商の総領息子・高井三九郎が葛飾北斎の元へ弟子入り志願にやってくるところから話は始まる。描くことしか頭にない北斎、その北斎を支える出戻り娘・お栄、弟子・渓斎英泉こと善次郎、そして問題児の孫・重太郎らが織りなす人間模様…タイトル通りの北斎を中心とした人間曼荼羅。北斎とお栄、お栄と善次郎、北斎と善次郎の江戸言葉の掛け合いも面白い。終始賑やかな感じだが、最後は互いに思いやる気持ちにじーんと来ました。

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    2024年05月28日
  • 商い同心 人情そろばん御用帖

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    北町奉行所諸色調係同心・澤本神人(じんにん)シリーズ第二作。
    前作を10年以上前に読んだので詳細を忘れていたが、問題なく読めた。

    『諸色調係』とは『市中に溢れる品物の値が適正かどうか調べ、あるいは無許可の出版物の差し止めなどを行うお役目』とのこと。
    よくある切った張ったの類の事件を扱う『定町廻り同心』とは違った地味な役職ではあるが、物語の方はなかなかシリアスだった。

    女易者に騙されたと男が暴れたり、南蛮の仕掛け鏡を巡って危険が迫ったり、偽の薬用人参が流通したり、雇われ中間が行方不明になったり、これは澤本の担当なのか?と思うような調べもあるが、そこは役人、上から頼まれれば嫌とは言えない。

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    2024年05月18日
  • 広重ぶるう(新潮文庫)

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    浮世絵師歌川広重の人生を描いた作品。
    火消同心である安藤重右衛門は絵師歌川広重としての顔も持つ。だが肝心の絵はなかなか売れなかった。そんなままならない日々を送っていた重右衛門はある日絵の版元から東海道五拾三次を描いてみないかと誘われる。北斎の富嶽三十六景に触発された重右衛門はその誘いに乗って描くことにする。
    己の絵の才を疑わない姿は鼻持ちならないが、絵に打ち込む様子はやはりすごい。特に北斎の富嶽三十六景で目にした藍色に心を奪われるのはさすが。異国から来たそのベロ藍と呼ばれる色を広重ぶるうとして絵に使うようになるがすぐには売れないのが残念に思われる。
    少々長いけれどもそれを感じさせない力作。

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    2024年03月31日
  • 広重ぶるう(新潮文庫)

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    新田次郎文学賞

    星3.5
    東海道五十三次などで知られる絵師、歌川広重。「ベロ(ベルリンのこと)藍」に魅せられ、当時、役者絵などより劣るものと思われていた名所絵で一世を風靡した。酒呑みで、喧嘩っ早い広重だが、心の奥に優しいものを持っているのが、小気味良い江戸弁でよく現わされている。時代物に強い著者ならでは。
    ネットで広重の絵を改めて見たが、色づかい、構図など素晴らしい。
    ドラマも楽しみ。

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    2024年03月30日
  • 江戸の空、水面の風―みとや・お瑛仕入帖―(新潮文庫)

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    ネタバレ

    【収録作品】三つ揃って/さわりのゆらぎ/傍目八目/風を鎮める/残り蟬/鏡面の顔

    いつのまにかお瑛が結婚していて子どももおり、前作から急に時間が飛んでいるので、1作読み飛ばしたかと思った。が、解説を読むとそういうわけではないようだ。
    お瑛の夫の成次郎はなかなかいい人だが、何か秘めているようなので今後が楽しみ。

    今回のキーパーソンである圭太が不気味。名前が出てきたところからすでに不穏なのだが、案の定である。わかっていても騙されたい心の隙に入りこむ人間はいつの時代もいるのだろう。くわばらくわばら。

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    2024年03月21日
  • 江戸の空、水面の風―みとや・お瑛仕入帖―(新潮文庫)

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    現代で言う百円ショップ、何でも三十八文で売る〈みとや〉を営むお瑛の物語第四作。
    他の方のレビューにもあるように、お瑛がいつの間にか結婚して息子もいることに驚く。また間違えて一作飛ばしたのかと確認したが、そうではなく前作から八年後という設定らしい。

    息子は兄と同じ長太郎という名前で、彼と同じく大らかでちょっと落ち着きがない。だが優しい子のようだ。
    そして夫は成次郎、兄と同じく仕入れ担当。兄の友人・寛平の薦めで結婚したらしいが素性は明らかではない。何か訳ありらしい。だがこちらも優しい人であることは同じ。つまり息子・長太郎は父親似なのか。

    前作から八年後ということでお瑛の周囲もいろいろ変化がある

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    2024年03月02日
  • 商い同心 人情そろばん御用帖

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    シリーズものだが2作目から読んでしまった。
    あんまり問題なかったが。

    物価を見張る役人、澤本がメイン。
    面白かった。

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    2024年02月24日
  • 広重ぶるう(新潮文庫)

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    絵師として芽が出なかった歌川広重が
    「べろ藍」と出会い、江戸百景を描くまでを駆け抜けるように描いた作品
    本人の苦悩や想いがべらんめえ口調で語られながら進んでいく中で、たくさんの人が手をさしのべてくれることに
    広重の人柄や、描く風景画がどれだけ凄かったのかが伝わってくるようだった
    物語にふさわしいラストを向かえたときには
    青い空を見上げてこの空の色を広重は描きたかったのかもと思いを馳せた

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    2024年02月14日
  • 広重ぶるう(新潮文庫)

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    描きたいんだ、江戸の空を、深くて艶やかなこの「藍色」で――。
    武家に生まれた歌川広重は絵師を志すが、人気を博していたのは葛飾北斎や歌川国貞だった。一方、広重の美人画や役者絵は、色気がない、似ていないと酷評ばかり。絵は売れず、金もなく、鳴かず飛ばずの貧乏暮らし。それでも、絵を描くしかないと切歯扼腕するなかで、広重が出会ったのは、舶来の高価な顔料「ベロ藍」だった……。『東海道五拾三次』や『名所江戸百景』を描き、ゴッホを魅了した〈日本の広重〉になるまでの、意地と涙の人生を描く傑作。新田次郎文学賞受賞作。

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    2024年02月11日
  • ご破算で願いましては―みとや・お瑛仕入帖―(新潮文庫)

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    最後の急展開には引き込まれたけど、それまでがどうにもなかなか読み進まなかった
    面白くないわけではない、かと言って続き気になる!とはならない
    でも最後ちょっと面白かったから続編は読んでみようかな、って感じの話です

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    2024年01月31日
  • 商い同心 人情そろばん御用帖

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    江戸の町の経済を見張る役人の事件簿。
    ハマるまではいかなかったけれど、面白く読んだ。
    時代物はタイムスリップできて、楽しくて好き。

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    2024年01月24日
  • 迷子石

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    富山藩で実際にあった事件を脚色している物語とのこと。全然知らない事件でした。

    主役があまり魅力的で無いのが残念。中盤までは読み進めるのが大変でした。脇役の薬売りの謎めいた雰囲気が気になったので何とか。そして、中盤以降はかなりサクサクと。お話そのものはとても面白いモノだったので、登場人物の魅力だけが残念。最後はなかなか良かったので、最初からこんな感じなら良かったのになぁと。
    タイトルの意味、最後にようやくわかる感じでした。

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    2024年01月20日
  • 商い同心 千客万来事件帖 新装版

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    202312/物の値段を見張り店に指導する役回り諸色調掛同心が主人公。梶ようこの、こういうなかなか書かれない職業のキャラはうまいし面白いしさすが。

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    2023年12月23日
  • 雨露

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    勝美はいかにも著者が描く類の主人公ではある。武家にあって、およそ立身出世の欲はなし。こと武芸は、とんと才能もなければ腕前もない。手に馴染むのは刀剣ではくて絵筆なのだ。武士としては頼りないが、好きなことには秀でており、心優しいキャラに和まされる。朝顔同心だの御薬園同心だのと、いつもならば。ただし、今回の舞台が上野戦争とあっては、そんなゆるキャラは場違いで通用しないではないか。戦争の善し悪しは置いといて、やはり情けないなあ。個として幸せな結びに描かれるも、わずか一日の戦いで流された同朋の血があまりに虚しいよ。

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    2023年12月05日
  • 我、鉄路を拓かん

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    明治時代、日本初の鉄道敷設に挑む人々のお話。見たこともない蒸気機関車を走らせる、しかも海の上に走らせる、現代でも結構大変そうな工事を、人力のみでやってのけるとは…スゴいなぁとしか言いようがない。できれば地図を載せていただければ、もっと実感をもって読めたように思うのですが…いやでも面白かったです。☆3.5

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    2023年10月16日
  • 焼け野の雉

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    一途ってのか一本気ってのか、おけいさん、過ぎたるは猶及ばざるが如しと言います。小鳥たちへ愛情を注ぐ、生き物の命を等しく慈しむ、分かります。立派です。でもね、大火災に直面したあの場面で、あなたの周りには高齢者や幼い子、身体の不自由な人がいなくはなかったでしょう。小鳥と心中覚悟もなにも、いくらか弱い女の身であろうとも、お若いあなたは、手を差し伸べるべき「ヒト」がいらしたはずです。現にあなたが敬愛する永瀬さまは我が身を賭して「ヒト」の命を救われた。まして他人を巻き込んで小鳥の命を救うとは。私には理解できません。焼け野の雉も夜の鶴も梁の燕も、守るのは我が子であってほかの種の動物ではないんです。

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    2023年10月08日
  • 焼け野の雉

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    続編~!
    大火事で焼け出される飼鳥屋のおけい。なんとか無事には逃げ出すが・・・。

    話を聞かないおけいに若干いらっとするんだが、面白かったです。

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    2023年08月11日
  • 我、鉄路を拓かん

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    ネタバレ

    日本で初めて鉄道を拓いた人たちの情熱と苦労の物語。
    外国人技師エドモンドモレルさんの人柄と能力の助けなしでは完成しなかったこと、完成を見ずに亡くなったことなど、この小説ではサイドストーリーでしょうが一番心に残りました。

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    2023年01月24日
  • とむらい屋颯太 漣のゆくえ

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    とむらい屋颯太シリーズ二弾。
    相変わらず周りに不浄呼ばわりされながらもとむらいの仕事を続ける颯太と仲間たち。そんな中、新しくとむらい屋の一員となるお吉の登場や、おちえの母の死に関わる人物が判明したりと様々な出来事が起きる。 
    とむらうとは死者の為ではなく生者のためにする事という颯太の思いがこの作品でもたびたび描かれる。

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    2023年01月01日
  • 番付屋新次郎世直し綴り

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    ミステリー要素を持った時代小説。小町番付に載った娘が顔を傷付けられる。犯人は意外な相手。
    隠蔽する与力が酷過ぎるが、昼行灯の同心が陰で助けてくれるのでホッとする。
    主人公・新次郎も番付で被害を受けた過去があり、同じように被害を受けた理吉を番付屋に誘うが拒否される。犯人に近づくための番付屋なのだろうが、正解なのだろうか?
    続編へ導く終わり方だが、今のところ続編の情報は無いようなので残念。

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    2022年09月24日