梶よう子のレビュー一覧

  • 菊花の仇討ち

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    こんな早くに第二弾を手に出来て幸せだと思った。颯太の人柄が更に突き詰めて優しいけど表に出さないとか、お吉をとむらい屋にしたのが何よりだ。毎回死んだ人間を蔑ろにする早く退けてくれとか非人情な事を言う自分だっていつかその日が来るのに、馬鹿だよなあって、そのたんびに表情を一切変えず答える颯太がいいかな。毎回韮崎が出てきて、嗅ぎつけたとか言うのでストレスになるよなぁと思う、し昔からこんな人間がいるんだいたんだとどーでもいい学習をしたよ。3はしばらく後かなって事

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    2024年01月23日
  • 三年長屋

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    三年長屋のタイトルも非常に気になったし、登場人物も個性だらけで、展開する次々に出て来る長屋住人にお梅という家主の裏側をじっくりと解き明かす所が良い。出だしから鬼嶋の腐れ外道に小判鮫の市兵衛の悪事を暴く所が良い。とても良い、暴く種明かしの後の非常に淡白な簡潔な娘の再会とまだまだ続くぞ的な新しい住人=火事で不幸になる人々。もうすっかり梶よう子さん読ませて貰う。よい豊読みたいなってこと。

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    2024年01月23日
  • とむらい屋颯太

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    颯太の11歳の決意する場面がとても印象深い。おとせ、おもん、おみつが焼け焦げた蔵の場面がなんともやるせない。颯太を1人逃して自分達は大丈夫じゃないのに、安心させて、でも死が迫っていて、今生のお別れするって。飄々としているけど、颯太にも、他の仲間にも人には言えない背負ってるものがある。梶よう子さんは文体がとても読みやすく今回も1日で終わるから、途中に終わりたくなくて、どんどん先を進んでいく。本当に不思議だけど、それぞれ違う読み物で、本当に出会えてよかった

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    2024年01月23日
  • お茶壺道中

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    お茶壺道中という聞き慣れない習わし、徳川様という当時では最高の存在だろうけど、ちょっと嫌かも。自分の生まれた宇治の宇治茶を、想いを背負って仁吉は江戸で生きて行くのだけど、色んなことが起きた。太兵衛に認められて仕えていたのが、まさか自分が太兵衛になるとはなぁーしみじみ何が起きるかわからんってこと。阿部正外が実在するのも驚きました、一層のめり込めたのもあります。お徳の方が横浜行くんかい、利吉と仲良くするんかい、元吉が茶王かい、良吉がイギリス行くんかい、思えば森川屋か森山園かで大きな分かれ道。おきよの出番もっと

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    2024年01月23日
  • 墨の香

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    江戸時代の新しい開拓しようと探す。梶よう子さん良さそうだと思って。文体も優しくて読みやすいけど、出だしの卯美、汐江、涼代と何故に毎回の出だしが意地の悪い女なんだろうか。新しいページにはヨシっ次だという気持ちが働くのに、気持ちが萎える。昔の職場で性格悪の年下のリーダーがいたけど、敵意を持たれて何かと嫌味に悪口に怒声を受けて、思えばあそこまで我慢する必要がないし、訴えてもよかったし、同情する周りもなんだかわからんし。こういうの思い出す小説ってダメじゃね。

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    2024年01月23日
  • 父子ゆえ 摺師安次郎人情暦

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    こっちが2だったんだ。終わり方も何から何まで続編の匂いがして、でもわからなかったから。これは役者も長屋も仕事も絵になるから、もっと読みたい。信太の登場が3話っておまたせしましただよね、長屋の生活と安太郎の周りにガラッと変化して明るくなってこっちまでハリが出たよ。ラストの掌を乗せて合わせてとか結ばれるのかなあ友恵と安太郎と。いい事だよ、でもこんな埋もれてるの何で気付かない自分はだよ、早く見つけないと、赤い月かな初めて手に取って梶よう子さん見つけたの。墨の香に続きました、次は安次郎1ですね

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    2024年01月23日
  • いろあわせ 摺師安次郎人情暦

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    先に父子ゆえを読んでしまい、やっぱり続編だったと、なんか構成が出来すぎていて、当たり前におまんまの安次郎とか、子供とか出ていたんだよね。読んで直ぐに2度目の父子ゆえを読んでスッキリした。長屋の関係やお初の里や安次郎の生い立ちやおりくさんの謎が分かれば怖いものがないので。摺師の闘いで向こうの父親が負けてくれと頼みに来た時の言い放った啖呵が江戸っ子でカッコいい。あと何かある時に茶屋で語る、考えるのも良い舞台だよ。挿絵で摺師の技を使うといいかなぁと思う、文章だけでは難しいから、腕比べは読書の試験みたいだなぁと

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    2024年01月23日
  • はしからはしまで―みとや・お瑛仕入帖―(新潮文庫)

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    驚きました。しかない。死んだと思わせて毒が抜けて生き返る、おちゃらけ路線を明確にするのかと思いきや、事実が告げられて、本当に亡くなったよ長太郎。2人で生き抜いて困難克服していたのが、あっさり死んじゃう。清吉に寛平に安定感のある日常風景がお栄1人になると途端にもの悲しいですが、辰蔵が?直が?恋人になるのか思いきや、ラストの辰吉の告白。5話それぞれ深い、3すくいなんか切ないよ、お兄ちゃん姿を追うのも、でも過去には戻れないことをこうして教えてくれたと思う、現代の苦しみを江戸に置き換えてくれたと思う。追いかけます

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    2024年01月23日
  • お伊勢ものがたり 親子三代道中記

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    続けて梶よう子さん。これもまたよかった、東海道を旅するのとお伊勢参りをわかりやすく書いてあるんだけど、なるほど抜け参りがあるくらい人気あったんだ。しかも女性は出来ない事で、武家の家を守るべきが信条の香矢の旅するうちに心が晴れる、娘のことや様々な出会いから得られるものがたくさんあって、本当に色々あった、武次を追いかけて直ぐに亡くなるとかお由を追いかけて見事に救う大立ち回りとか瀬尾を追いかけて間に合って解決するとか、彩姫もそうだね、親子三代の素敵な旅でした

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    2024年01月23日
  • 五弁の秋花―みとや・お瑛仕入帖―(新潮文庫)

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    次から次へと厄災が出た回です、幼馴染のおせんがとんでもない、人の足を引っ張る1番ダメな人間って思ったけど、それを飲み込んでこんで幼馴染と騙したのは別ものだと断言する瑛はもしかしたら本間の人情家かも。コロナにかかった人に自業自得と言う腐った人間、腐った保健所に役人の真反対で、本当に見習うべき瑛さん。自業自得でもなんでもないと思うしかかった人を攻撃するのも頭がオカシイだけ。お花さんに寺子屋の子供に辰吉に登場人物が物語を面白くして街を描いてくれて良いと思う、まだ続くんだね、買おう、というか梶よう子さんにドップリ

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    2024年01月23日
  • ご破算で願いましては―みとや・お瑛仕入帖―(新潮文庫)

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    江戸の柳橋界隈が舞台は初めてだったけど、もうちょい街の違いを知りたかった。毎回の長太郎が仕入れる品物の曰く付きから物語始まるので、そういう安定感が好きかも、同時に死んだ両親、借金、叔父と判明した増次が暗躍してこれから出て来ると思いきや。出てくるの早かったよ、お加津も隠し事をしていたけど、うーむゴールはお店再建でいいのかな。あと御隠居が火盗改めって相当凄い人物だったよ、亡くなった中村吉右衛門さんを悼みます

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    2024年01月23日
  • 決戦!忠臣蔵

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    もしかしたら歴史小説を初めて読んだのは忠臣蔵だったかもしれない。
    何作か読んだと思うけど、久しぶりのこの忠臣蔵はアンソロジーで、様々な視点で7人の歴史小説家が書いています。

    葉室麟『鬼の影』
    朝井まかて『妻の一分』
    夢枕獏『首無し幽霊』
    長浦京『冥土の契り』
    梶よう子『雪の橋』
    諸田玲子『与五郎の妻』
    山本一刀『笹の雪』

    どれも視点が新鮮で面白く読めました。
    お気に入りは朝井まかてさんの『妻の一分』。
    江戸っ子の語り口調が噺家さんみたいだなぁと楽しく読み進めると、この語り手の正体がわかった時に笑っちゃって!

    それと神崎与五郎の元妻の話も、ドラマで見たような話だったけど、うるうるしちゃった

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    2023年02月05日
  • ヨイ豊

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    幕末から明治の絵師、二代国貞、四代豊国。本名は清太郎。これが主役。
    パッとしない絵師だと思う。
    作中でもそう。師匠の三代豊国からも、面白味に欠けると言われていた。その代わり飲む打つ買うには無縁の堅実な人柄。
    清太郎の弟弟子の八十八は画力に優れた天才肌で、宵越しの銭を持たず家に居着かず、何度となく女房も変える破天荒さ。

    浮世絵を軸に幕末から明治初期の江戸を描いた作品といえる。
    浮世絵は芸術かどうか。浮世絵師は芸術家か画工という職人か。その辺りも興味深く読めた。

    幕末から明治といえば、江戸が東京と変わり、何でも西洋風を良しとする新政府のやり口で段々と古き良き文化が廃れていく時代。
    画力の足りな

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    2022年07月25日
  • 噂を売る男 藤岡屋由蔵

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    文体が読みやすく、はじめから引き込まれた。登場人物のキャラが立ちすぎていないけど、しかとあるのがいい。

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    2022年06月10日
  • 池波正太郎と七人の作家 蘇える鬼平犯科帳

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    池波正太郎が生んだ誰もが知るヒーロー鬼平犯科帳。鬼平こと長谷川平蔵を現代の人気作家が描く作品集。
    本編を全巻貪り読んだのは、たしかまだ20代。
    池波正太郎の語りの上手さに感動し、平蔵の人心掌握術に憧れを抱いた記憶がある。
    そしてこの本にて、鮮やかにヒーローが復活した。
    正面から鬼平に取り組んだもの、若き平蔵を描いたもの、ライバルの旗本の視線から描かれたものなど多彩な平蔵に出会えた喜び。正にアンソロジーの醍醐味。堪能しました。

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    2022年01月24日
  • はしからはしまで―みとや・お瑛仕入帖―(新潮文庫)

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    ネタバレ

    切ない一冊になりました。

    生きていれば、出会いと別れがあるのは当然で、その時期を選ぶことなんてできない。

    今回は辛い!

    でも、生きてる人間は生きていかなくてはいけないんだと、改めて思う一冊でした。

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    2021年10月01日
  • 一朝の夢

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    幕末期江戸の朝顔ブーム。
    品評会があったり、必死に交配を繰り返したり
    もしかすると今この世にある彩どりの朝顔は
    そんなブームがあったが故に発展していったのかもな〜とふと思った。
    朝顔だけで、どこまでも話が膨らむ上に
    とても面白いしちゃんと歴史背景描かれてて
    フィクションだと分かっていても、あちらこちらに織り交ぜてあって
    立場行く末違えど、友として苦しんでる主人公のセリフに泣いた。
    一期一会、一朝。夢。

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    2021年01月05日
  • 池波正太郎と七人の作家 蘇える鬼平犯科帳

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    永遠のヒーロー「鬼平」再来!「鬼平」誕生から50年を記念し、七人の人気作家が「鬼平」に新たな命を吹き込んだ作品集。

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    2020年08月28日
  • 一朝の夢

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    2年以上積ん読だったけどようやく。勧めていただいたのだけど、期せずして幕末のお話だった。ただただ朝顔を追究したい男の情熱を描きつつ、時流に翻弄される周りの人物の覚悟を描いていて、どちらもとても好きでした。

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    2020年02月23日
  • みちのく忠臣蔵

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    本作は、“騒動”の当事者以外を創作して主要視点人物に据えてみたことで、何か「現代の色々な出来事と、当事者以外の圧倒的多数の人々が考える、または考えるべきこと」というような“拡がり”を得ているのかもしれない。
    全般的な内容も、何か考えさせられるのだが、本作に関しては「活写される1810年代」というモノが興味深く、愉しい。旗本は随意に旅行が出来るでもない立場であったことから、旅への憧れを募らせている光一郎は、その時代に出回り始めている“地誌”的な書物の愛読者である設定で、蝦夷地を巡る情勢に関して綴られたモノにも触れる場面が出て来る。そういうのも面白い。更に言ってしまえば、「鳥取の松平家が蝦夷地との

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    2016年06月05日