梶よう子のレビュー一覧

  • 空を駆ける
    「小公子」を初めて翻訳した若松賤子の生涯、ということでしたが、何よりこの時代に女性の地位についてこのように考えていた方がいたということに驚きと感動を覚えました。

    生きていらしたら、その後の戦争の時代、そして「良妻賢母」たれと説く教育や政治に対して、どう思われたでしょう。

    自分を振り返ると、結婚す...続きを読む
  • 空を駆ける
    素晴らしい本に出会えた。流石梶文学だ。江戸末期から明治の波乱に満ちた時代を生き抜いた女性作家の生涯は感動感動の連続だった。当時は結核は不治の病いだ。業病に罹りながら健気に生き抜いた女性作家の生涯はもう一度言うが感動感動だった。
  • ヨイ豊
    幕末から明治の絵師、二代国貞、四代豊国。本名は清太郎。これが主役。
    パッとしない絵師だと思う。
    作中でもそう。師匠の三代豊国からも、面白味に欠けると言われていた。その代わり飲む打つ買うには無縁の堅実な人柄。
    清太郎の弟弟子の八十八は画力に優れた天才肌で、宵越しの銭を持たず家に居着かず、何度となく女房...続きを読む
  • 噂を売る男 藤岡屋由蔵
    文体が読みやすく、はじめから引き込まれた。登場人物のキャラが立ちすぎていないけど、しかとあるのがいい。
  • 池波正太郎と七人の作家 蘇える鬼平犯科帳
    池波正太郎が生んだ誰もが知るヒーロー鬼平犯科帳。鬼平こと長谷川平蔵を現代の人気作家が描く作品集。
    本編を全巻貪り読んだのは、たしかまだ20代。
    池波正太郎の語りの上手さに感動し、平蔵の人心掌握術に憧れを抱いた記憶がある。
    そしてこの本にて、鮮やかにヒーローが復活した。
    正面から鬼平に取り組んだもの、...続きを読む
  • はしからはしまで―みとや・お瑛仕入帖―(新潮文庫)
    切ない一冊になりました。

    生きていれば、出会いと別れがあるのは当然で、その時期を選ぶことなんてできない。

    今回は辛い!

    でも、生きてる人間は生きていかなくてはいけないんだと、改めて思う一冊でした。
  • 一朝の夢
    幕末期江戸の朝顔ブーム。
    品評会があったり、必死に交配を繰り返したり
    もしかすると今この世にある彩どりの朝顔は
    そんなブームがあったが故に発展していったのかもな〜とふと思った。
    朝顔だけで、どこまでも話が膨らむ上に
    とても面白いしちゃんと歴史背景描かれてて
    フィクションだと分かっていても、あちらこち...続きを読む
  • 池波正太郎と七人の作家 蘇える鬼平犯科帳
    永遠のヒーロー「鬼平」再来!「鬼平」誕生から50年を記念し、七人の人気作家が「鬼平」に新たな命を吹き込んだ作品集。
  • 一朝の夢
    2年以上積ん読だったけどようやく。勧めていただいたのだけど、期せずして幕末のお話だった。ただただ朝顔を追究したい男の情熱を描きつつ、時流に翻弄される周りの人物の覚悟を描いていて、どちらもとても好きでした。
  • みちのく忠臣蔵
    本作は、“騒動”の当事者以外を創作して主要視点人物に据えてみたことで、何か「現代の色々な出来事と、当事者以外の圧倒的多数の人々が考える、または考えるべきこと」というような“拡がり”を得ているのかもしれない。
    全般的な内容も、何か考えさせられるのだが、本作に関しては「活写される1810年代」というモノ...続きを読む
  • 一朝の夢

    朝顔に関わって

    今年、ヒョンなことから朝顔に関わることになった。
    その朝顔の用事で水戸に向かった日
    たまたま乗ったタクシーの運転手さんからこの本の話を聞いた。
    ページをくるのが幸せな時間だった。
  • 我、鉄路を拓かん
    明治時代版プロジェクトX ですね。
    日本の鉄道敷設はイギリス人も驚く、独創的なものだったようです。明治維新時の日本人の知恵と行動力は現代以上のようです。
    海の上に鉄道を走らせる、しかも国内初めての鉄道を、明治のパワーを感じる作品でした。
  • 広重ぶるう(新潮文庫)
    広重。火消同心。江戸ことばが秀逸でした。江戸の景色を守りたいという言葉には、勝海舟を彷彿とさせました。

    九州、東北、各地の離島、日本全国の名所絵が歌川広重の名前で残ってます。いろいろ読んでみたくなりました。
  • 広重ぶるう(新潮文庫)
    ヒロシゲブルー。海外では知られてるのに日本人の自分はノーマークかね、おかたじけだよ 江戸時代を読むと1番心踊るし空想する。北斎の生き様は忠実に出ててあーやっぱそうかと頷いたけど、重さんはどうなんだろうか、火消しから忠実になぞっているが豪胆さと気の小ささとがしっくり来ないかなあー 加代や豊国を通して引...続きを読む
  • 広重ぶるう(新潮文庫)
    浮世絵からだけでは知ることの出来ない、広重の闊達な性格や家族思いの人となりを知る。
    舶来のブルー絵の具との出会いが、広重の絵を深めていく。
    絵を描きたい、江戸の風景を描きたいという強い気持ちが伝わってくる。
    北斎や他の絵師、版元との交流も面白かった。
  • 広重ぶるう(新潮文庫)
    新版画の美術展へ行ったことがきっかけで版画をもっと知りたいと思い購入。「広重ぶるう」という題名も気に入った。
    絵師と版元の関係や絵師同士の交流も描かれており、江戸時代後期の町の風土や空気も感じ取ることが出来、より版画を理解することが出来た。物語りはイメージさせてくれるのが良い。
    歌川広重が携わった作...続きを読む
  • 墨の香
    突然故もなく離縁されてしまった主人公、雪江。
    書道の道に進み、近隣の娘たちを弟子にして過ごしているが、色々と事件に巻き込まれていく。
    結果ハッピーエンドで良かったけれど、脇役の登場人物の描かれ方が中途半端だった様な気がした。
  • 江戸の空、水面の風―みとや・お瑛仕入帖―(新潮文庫)
    何でもかんでも〜が言うのがルーティンだから、なんか変な感じがするし長太郎にご隠居にが亡くなってなんだかな〜その分旦那に息子に登場する増加してるけど。お加津があんな風に腐るとはな〜でも本音を吐くのは大事だと思う言う相手さえ間違えなければ。どんな解決法なるんだろうと思ったら江戸っ子の粋が出る終わり方、で...続きを読む
  • 雨露
    彰義隊って知ってはいるものの、詳しいことは全く分かってなかったので、一面から描いたものではあるが興味深かった。「青天を衝け」を見てたので、渋沢成一郎や尾高惇忠に渋沢平九郎が登場して懐かしかった
  • 江戸の空、水面の風―みとや・お瑛仕入帖―(新潮文庫)
    あらっ、いつの間にか結婚して、おまけに子供まで。でも人と人を繋ぐのは変わらず。ご隠居は亡くなり、困り事の解決にはチョッともたつくけど、お瑛を思う身近な人達の知恵と行動力で無事解決。次はどんなことが起こるのやら。成次郎の過去とは?次回がとても楽しみです。