せきしろのレビュー一覧
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嬉しい、楽しい、美味しい...
そんな日常を彩る感情を、
せきしろさんらしいたとえで楽しむ本。
たとえの幅を広げる連想ゲームで、
イメージの対象から、徐々に外枠へと、
考えを膨らませていくのは発見だった。
アイドル → 女性 → 人間 → 動物 → 生物 → 地球
事実 → 史実 → 昔話 → 神話
この並びの展開に気付くだけで、
ひと回りもふた回りもスケール大きくたとえられそう。
また、時候の挨拶の作り方もおもしろい。
季節をたとえた後、その季節を 今日この頃 に替え、
いかがお過ごしでしょうか? を追加するだけだという。
春 →
パン祭りで盛り上がるような春 →
パン祭りで盛 -
Posted by ブクログ
五七五七七の音は気持ちがいい。
テンポもいいし、心に響くものがある。
たとえそれが偶然であったとしても。
本書はそんな偶然できた短歌を見つけ出すプログラムで見つけ出された「名句」たちだ。
今回その対象となったのはウィキペディア。
怪しげな、時に詩的な短歌たちを御覧じろ!
「人物が あなたが出した質問に 答えることは 期待できない」
ここでなぜかBON JOVIが登場している。
なぜだ。いや、私はファンだけれども。
来日公演のたびに次来るまでには英語のMCを聞き取れるようになりたいと思っているが、それは「期待できない」......。
「先端が 少し突き出し、革質で 深い緑色、ややつやがある」 -
Posted by ブクログ
『カキフライが無いなら来なかった』で始めて知った、せきしろさん。
自由律俳句、エッセイがとんでもなく面白かった。
せきしろは『例える技術』で日常をどんどん例えちゃうのである。
よく似た形、以前あった出来事。
人の共感を呼ぶための手法として、たとえは最強の伝達手段である。
例えるには何より「観察眼」が必要なので、回りがよく見えてない私にとって「世の中には例えるものが山ほどあるのに、例えないのは勿体無い」と教えてくれた1冊。
時間つぶしにもなると書かれているが、頭をひねりすぎて息抜きにはならないと思った。
電車の中で雲を見ながら、とりあえず例える練習をしている。 -
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Posted by ブクログ
星新一のショートショート集なのか。読み始めて直ぐに感じたのはそんなことだった。しかし、その諧謔があまりに唐突なものであることがもう少し読み進めると見えてくる。唐突過ぎて読むものを置き去りにしてしまうような。
逡巡は書き手の内に濃密に練られている。そしてそれは嫌悪感を伴いそうになる一瞬手前でさらりと打ち捨てられる。自己を嫌悪することなく、開き直りのように肯定することで、空腹は辛うじて耐えられるものとなる。諄々と吐露される思いは殺風景な四畳半の部屋の中でどこまでも深みを増してはいくが、しかし、その埃臭い深い穴の淵を覗き込もうという気には中々なることができない。
どこかしら、ネットカフェに巣食う -
Posted by ブクログ
せきしろさんと又吉直樹さんの自由律俳句集3作目。
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『カキフライがないなら来なかった』が気に入ったこともあり、続けて読んでみました。
前作よりかなりの歳月が経っているためか、句の趣が少し変わったように思います。そこまで削ぎ落としてしまうのかと感心するほど、句がシンプルになっているような印象を受けました。(個人的には前作の多少ウエットな空気をまとった方が好みなのですが。)
ともあれ今作も楽しめたので、個人的に印象に残った句を書き留めておくことにします。
○せきしろさん
・ わざとだと知っているがもちろん言わない
・ 悪い人ではないと言われている人が