せきしろのレビュー一覧

  • その落とし物は誰かの形見かもしれない

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    私自身落とし物や、人の買い物かごの中、服装などからあらゆることを想像してニヤニヤしながら生活をしているのでこの本はとても私に寄り添ってくれた。なんでか分からないけどしんどいこともほどほどに頑張ろうとも思わせてくれてこれから初めての夜勤に行くんだけどなんとか重い腰も上がりそうだ。ありがとうせきしろさん。
    私は珍しくチャリ通をしており、職場の皆様方からすげえなあとか、大変だねえと温かいお言葉をいただくのだけどチャリ通はよくはないけどキョロキョロしながらのんびり走れるし、小さなことに気づきやすいので気に入っている。
    このチャリ通で出会ったものの私の想像を言葉に残そうと思った。こうやって残すことは誰か

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    2025年04月19日
  • 偶然短歌

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    ネタバレ

    日本語版wikipediaから五七五七七になっている部分を抽出した歌集。
    これをやってみようと思ったこと自体がすでに面白い。
    短歌自体の面白さを味わうもよし、短歌から何について解説したページなのか推測するもよしで2回味わえる歌集。

    下の2つが特にお気に入り
    アルメニア、アゼルバイジャン、ウクライナ、中央アジア、およびシベリア
    ある道を右に曲がれば東大で、まっすぐ行けば公園なのね

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    2024年04月28日
  • 蕎麦湯が来ない

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    迂回したら満月

    沢山の自由律俳句の中で一番好きだったこの一句。いつもと違う道に訪れる素敵な出会い。二人が見ている風景、歩んで来た人生の一部分を切り取って、少しだけ見せて貰った様な感覚。コミカルに、でも情緒的に。読んでいる間に流れる時間がとても温かかった。

    個人的に綾部さんがNYへ行く決意を、又吉さんに表明するエピソードがとても好きでした。二人の遣り取りが自動的に脳内再生されて、その様子が凄く微笑ましくて。「ええんちゃう」なんとなくなんの関心も無さそうに聞こえるこの一言が、又吉さんのあの声音が乗っかると、それだけで重みが出るような気がした。口数はまるで少ないけど、相方への愛が真っ直ぐに伝わる

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    2023年11月25日
  • バスは北を進む

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    故郷北海道で過ごした日々をぽつりぽつりと思い出すエッセイ。『去年ルノアールで』と自由律俳句のとぼけたユーモアセンスが好きで、久しぶりに手にとってみた。

    訥々とした語り口にまじる独特なユーモアと妄想過多な感じがやはり面白い。檸檬爆弾のくだりは声を出して笑ってしまった。さんざん盛り上がっておいて『ゴリラーマン』に落ち着く平凡さが愛おしく懐かしい。

    せきしろさんが北海道出身というのは初めて知った。そういえば北海道に行った際に感じた街ゆく人たちの印象と通じるものがあるなと思った。

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    2023年06月05日
  • たとえる技術

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    季節の挨拶なんかも載っている。
    さるかに合戦で飛び出してくる栗のように盛り上がってますかー?
    お湯が沸く寸前の電気ケトルの中のように盛り上がってますかー?
    エアー抽選器の中で回っている三角くじのように盛り上がってますかー?
    大浴場の使用済みタオル入れのように盛り上がってますかー?
    マジシャンに1万円札を貸したのに、マジックが終わっても戻ってこないときくらい驚く
    オダギリジョーが本名だと知った時くらい驚く
    知り合いかも、に父親が表示された時のように驚く

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    2023年05月14日
  • 偶然短歌

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    ブク友の5552のレビューを読んで気になって購入した。

    ウィキペディアの文章の中から、偶然57577になっているものを「短歌」とみなしたものを「偶然短歌」と呼んでいる。

    凄く面白かった。時として、偶然は必然を越えてくる。少し紹介したい。

    “演習は前者にあたり、作文や感想文は後者にあたる”
    ちょっと何言ってるかわからない、そんな短歌。

    “泣き言や空想ばかり書いているジャーナリストの連中が何”
    この偶然短歌は「リシャルト・カプシチンスキ」について書かれた文章から切り取られているが、リシャルト・カプシチンスキって何?

    “ギタリスト二人のうちのどちらかがリードギターの役割となる”
    意味深い事

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    2022年12月11日
  • 蕎麦湯が来ない

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    毎日寝る前にちょっとずつ読んだ、ちょうどよかった
    めっちゃわかるやつも、気にしすぎやろ、って思うのもあって楽しかった
    他のも買お

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    2022年03月13日
  • 蕎麦湯が来ない

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    せきしろさんと又吉さんの自由律俳句シリーズが好きすぎる。日常に起こり得るシュールないち場面の切り取り方が最高。

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    2021年08月03日
  • 蕎麦湯が来ない

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    せきしろさんと又吉さんの共著。
    自由律俳句の合間に2ページの短い随筆が、そしてどこかで見たことありそうな普遍的な写真が挟まる。

    随筆は日常にある些細ながらも人生のうち3回くらいしか起こらなそうな出来事を拾い上げているのがとてもいい。
    わたしは小さいが「あるな」という事象をきちんと言語化できる人への憧れがある。

    せきしろさんの「町の変わったおじさんを認知しているつもりが自分もおじさんから認知されていた」という話、何気ないんだけど何気なく考え方を変えられそうだ…。
    第三者視点の観察者だと思ってたのにいきなり一対一の関係に持ち込まれる恥ずかしさ、あるよね。

    最後にあとがきの類がないのが良かった

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    2021年05月03日
  • 蕎麦湯が来ない

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    ダヴィンチか何かの雑誌で紹介されていて買ったエッセイ
    又吉さんとせきしろさんのエッセイ
    面白い文章がいっぱいだった
    「文庫本で席を取られていた」や「ラを唄う人だった」などなど
    時々写真も載っていたけど、どの写真も僕には寂しく怖く感じた。だからあまり見ることができなかった。

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    2021年03月29日
  • 蕎麦湯が来ない

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    このシリーズはどれも好きです。軽い気持ちでクスクス読んで油断していると、ふとした一句に心の奥を掴まれて奪いとられてしまいます。

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    2021年03月09日
  • 蕎麦湯が来ない

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    シリーズの中で一番好きかも。
    ちょっとした小石につまずいて、そのことをいつまでも忘れない、かといって恨んだりもしない、ちょうどよい根の持ち方だと思った。

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    2020年11月14日
  • 蕎麦湯が来ない

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    せきしろさんの「もう一度数を数える」と
    又吉の「「カウンターにしてください」と怒られた」
    が特に好きだった。
    又吉のたまにくる関西弁のツッコミがおもしろい。ツッコミがおもしろい人はボケもおもしろい。

    このシリーズは全て購入してるし、このシリーズのお陰でせきしろさんのことをすごく好きになった。いい出会いだなぁ。

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    2020年03月24日
  • バスは北を進む

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    エッセイ集ということになってるけど、僕は小説だと思った。電車で読んでいるとそのまま実家に帰りたくなるのが困る。

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    2019年05月09日
  • たとえる技術

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    「○○のような~」をどう例えるか?をまとめた、自由俳句のせきしろさんならではの感性が光る1冊。
    いやいやかえってわかりにくいってーと突っ込みたくなるのも多いのだけど(「小さい」をたとえるのに「大きな耳がかわいらしいフェネックギツネのように小さい」とか)、、「図書カードに書かれている卒業生の名前のように知らない」とか物語が浮かびそうなぐっとくる表現もあり、楽しめました。

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    2017年11月05日
  • たとえる技術

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    ネタバレ

    こんな例えを日常の中でさっと言いたくなる本

    お湯が沸く寸前の電気ケトルの中のように

    「この犬、他の人に懐くこと滅多にないのよ」と言われた時のように嬉しい

    地面を行き交う死ぬ間際の蝉のよう
    →動きが予測不能

    部活のOBが言う「俺らの頃の練習」と「お前らの練習」くらい違う

    転校生の習字セットくらい見たことない

    あいつはコンビニのトイレを借りる為にガムを買うような気遣いのできる男だ

    おじいちゃんが来ていた紳士用ポロシャツのように灰色の雲

    起きてから必死に思い出そうとする夢のように灰色の雲

    コンクリート打ちっ放しのデザイナーズマンションのように灰色の雲

    プレパラートの上のカバーガラ

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    2017年02月26日
  • たとえる技術

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    ネタバレ

    ○○のように、と「たとえ」るだけで、“水で戻した乾燥ワカメのように”文章が拡がります。

    例えば
    「シャア専用のような赤いもみじ」
    「メロスはナマハゲのように激怒した」
    …「悪い子はいねがぁ」と入ってくるメロスにおびえて泣き出す邪知暴虐の王
    「メロスはこち亀の大原部長のように激怒した」
    …ラストのコマで「邪知暴虐の王はどこだ!」と乗り込んでくるメロス

    「たとえ」を使えば会話も広がり、互いの感情を共有することも容易になる。
    また、「たとえ」を考えることは連想を続けることで時間つぶしにもなるし、想像力の訓練にもなる。

    細かい技術論というよりも、エッセイ的にスラスラ読める、楽しい一冊。

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    2016年12月01日
  • たとえる技術

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    この著者の着眼点は本当に面白いし、観察力がすごい。よくもまあ、こんなに絶妙な例えをできるものだ。同じものを見ていても、世界はこんなにも違うものかと感心してしまう。「新しい単位」を読んだときのような、鮮やかな驚きを与えてくれる本だった。

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    2016年11月12日
  • 逡巡

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    淡く景色がうつろう郷愁あふれる物語かと思いきや突然予想だにしないオチだったり。世界は自分の意思とは関係なく動いていく。

    妄想道みたいな小説も良かったが、こうしたショートショートの方がいかんなく才能が発揮されている。 素晴らしい。

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    2013年01月27日
  • 逡巡

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    動物が笑わない、というのはきっと、
    面白い事が無くても、つまらなくないから。だと思う。

    人だけが笑う、と言われているのはきっと、
    面白い事が無ければ、つまらないのだ。
    と、悟ってしまったからだ、と思う。

    何も無いところから
    (面白み)を発見するせきしろさんはすごいっ!

    これも、人の成せる偉業のひとつだと思った。

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    2012年06月29日