あらすじ
「自分を見失うな。夢は叶う!」。流行歌の歌詞みたいな助言をしてくる男。困ったことに男は赤の他人だった/「バカ」。私の半生はこのひと言に辿り着くまでの長い前振りだったのか/コレクションを売り払い、いまは有機野菜を栽培して暮らしている……。日常にひそむ危険と諧謔。脱力系文学と自由律俳句の旗手が挑む、新感覚小説。
...続きを読む感情タグBEST3
Posted by ブクログ
淡く景色がうつろう郷愁あふれる物語かと思いきや突然予想だにしないオチだったり。世界は自分の意思とは関係なく動いていく。
妄想道みたいな小説も良かったが、こうしたショートショートの方がいかんなく才能が発揮されている。 素晴らしい。
Posted by ブクログ
動物が笑わない、というのはきっと、
面白い事が無くても、つまらなくないから。だと思う。
人だけが笑う、と言われているのはきっと、
面白い事が無ければ、つまらないのだ。
と、悟ってしまったからだ、と思う。
何も無いところから
(面白み)を発見するせきしろさんはすごいっ!
これも、人の成せる偉業のひとつだと思った。
Posted by ブクログ
オチが絶妙。
悲しげなお話やワケアリなお話も入っているけれど、どれも味わい深くて、さらにニヤリ、あるいはププっと笑ってしまうものばかりです。
2,3ページくらいの短いものが中心なので、電車に乗っていても面白すぎてウッカリ駅を乗り過ごす、という危険の少ない本でもあります♪
Posted by ブクログ
鋭い観察眼と、繊細な描写でせっせと組み立てた舞台を、ギャグでひっくり返す台無しの美学。
短編を束ねる章のタイトルも、「野球チームを作りたいがあと八人足りない」といった、それだけでイメージがふくらみ、文学の威厳がしぼんで行くものになっている。
ここまで心情や風景の描写が優れていると、もはや、文学とコントをどう区別したらいいのか分からない。
Posted by ブクログ
星新一のショートショート集なのか。読み始めて直ぐに感じたのはそんなことだった。しかし、その諧謔があまりに唐突なものであることがもう少し読み進めると見えてくる。唐突過ぎて読むものを置き去りにしてしまうような。
逡巡は書き手の内に濃密に練られている。そしてそれは嫌悪感を伴いそうになる一瞬手前でさらりと打ち捨てられる。自己を嫌悪することなく、開き直りのように肯定することで、空腹は辛うじて耐えられるものとなる。諄々と吐露される思いは殺風景な四畳半の部屋の中でどこまでも深みを増してはいくが、しかし、その埃臭い深い穴の淵を覗き込もうという気には中々なることができない。
どこかしら、ネットカフェに巣食うものが持て余した時間と思いをキーボードに向かってぶつけて出来上がった文章のようにも見える。そのことが悪いという訳ではないけれど、ここからどこへその思いは出ていくのか、それは見えてこない。はっきりとしない思いが、違和感としていつまでの拭い去れずに残る。ばっさりと切り捨ててしまえばよいのかとも思ってみるが、それはそれで間違っているようにも思える。逡巡は書き手の側にあった筈のものであったのに、いつの間にか読むものの胸に巣食ってしまっている。
Posted by ブクログ
40編ものショートショートを収めた短編集。涙腺ゆるむいい話が最後の1行で一気にアホ小説へと叩き落としたり、その逆であったり、ホラー化したりと、その「オチ」の素晴らしさは感動的であります。
それを支えているのは、最後の1行まで引っ張る前振りの筆力。いやぁ、面白かったです。
Posted by ブクログ
読んでみて思った。
逡巡≒妄想。
どこにでもある日常の風景。
せきしろにかかると、なんぼでも妄想の機会になる。
今までの本と比べると大人しめな印象だけど、妄想世界は相変わらず目眩いている。
「死」を扱った掌編もあるのだけど、この人が書くと「ただの哀しい話じゃないんじゃ…?」と訝ってしまう。
「ここはしんみりするべきじゃなくて、ニヒルに笑うとこじゃ…?」と、何かを警戒しながら読んじゃうのだ。
なんだか試されてるような、怪しげな本だ。
お気に入りは、「金太郎の話」。
Posted by ブクログ
だらだらとした日常や考えが言語化され、どこか親しみを感じる独特な世界。脱力していながら自意識が過剰に鋭い文章たちが散りばめられています。
面白いのだけどインパクトに欠けるためか飽きてきてしまった。妄想が行き過ぎているのか、置いてけぼりにあうような感じ。共書で書かれている本のほうが面白いような・・・。機会があったらまた他の著書も読もうとは思います。
Posted by ブクログ
ユーモアの源泉は歓びにあるのではなく悲しみにある。天国にはユーモアはない〜マーク・トゥエイン〜
「カキフライが無いなら来なかった」で斬れ味鋭い自由律俳句を披露してくれたせきしろ氏に興味が湧き新たな作品を読んでみた。
これがなかなかそういうわけで玉石混淆下手な鉄砲も数撃ちゃ当たる的な創作のオンパレード、狙いは何処だ?何が言いたい?ひょっとしてシュールのつもりか?根底にはレトロに神田川流れてんじゃん!などなどと言いつつも68%くらいは笑わせてもらった。
しかしそこまでしてもらって言うのも申し訳ないのだが私には鶴など助けた覚えはない
Posted by ブクログ
「去年ルノアールで」が面白かったので今作も読んでみました…いやぁ、ひっじょおに良い出来でしたね! 大きな感動とかはないんですけれども、なんでしょう、読み終わった後、ちょっぴしセンチメンタルになるところとか…かなり気に入りましたね!
ヽ(・ω・)/ズコー
短い短編みたいなのが多々入っています。今回は笑いの要素は少なめなんですけれども、個々の短編にやっぱし「ルノアール」を書いた著者ならではでしょうか、オチをつけたがっているような…そんな終わり方をしてみせますね♪
ヽ(・ω・)/ズコー
こうなったらせきしろ氏の著書全部読んでしまおうか! そんなことを思わせてくれた著書でした…おしまい。
ヽ(・ω・)/ズコー
Posted by ブクログ
コントでありそうなのもいくつか。短いけど世界があって、毎月読む雑誌に載ってたらちょうどよく楽しめそう。押収、神について、罰金、留学、恩返し、放火がすきかな。
Posted by ブクログ
超短編集。
短編なんだけど物語とエッセイの間みたいな作品集。
又吉くんとの共著を読んだので免疫?があって独特の作風も楽しめたけど、かなり好き嫌いが別れると思う。