雪広うたこのレビュー一覧
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前に読んだ辻村七子氏の別シリーズ第1巻。
こちらは大学生の中田正義が宝石商の中田正義を助けたところから始まる。
それぞれの宝石の名前がついた複数の章に分かれており、読みやすい。
また、宝石のことも説明があり、なんだか知った気になれる。
主人公はいいやつなんだけど、少し自分よがりというか、人の役に立ちたいが先行しすぎるところがちょっと気になる。あと少しBLっぽいかも。
でも全体的に読みやすくて面白い。
↓↓↓良かったところ↓↓↓
話を聞くというのは、相手の過去を少し引き受けることだ。 別にそれで相手の荷物が軽くなるとは限らない。でも話せば何かが、形にならないままわだかまっているものが、 光をあてられたおばけのように、姿を現すかもしれない。姿がわかれば、重さがわかる。重さがわかれば、多分背負いやすくなる。 -
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ネタバレ今回得た知識は、キャッツアイは猫目になっている石の総称でありクリソベリルキャッツアイはものすごく高い、ガーネットは比較的安価で色んな色がある、天然エメラルドはインクルージョンが多くきれいなものは珍しい、ユークレースは脆くて優秀なカッターしか研磨できない、などなど…。プロットレスバレエも初めて知った。
エメラルドの話でようやく謎解きっぽくなってきたぞと思ったけれど、エメラルドと麻薬の歴史的背景を知らなければならず、特にトリックなどもなかったのでやはりこの物語は謎解きではなく人情ものとして読むほうが良いなと思った。オパールの話はなにが言いたいのかよく分からなかったけど…。
リチャードは正義のこといつの間にこんなに意識するように?美しいとか言われ慣れてるだろうに…。と思いつつ、リチャードのキャラも段々わかってきて2人のやりとりシーンはなかなか微笑ましく読めた。このままBLにならないといいな。それにしてもロイヤルミルクティーが飲みたくなる小説。 -
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前の巻から、もはや中学生男子みのるくんの成長物語となっているこのシリーズ。
そういうお話しだと割りきればおもしろいのだけれども、それにしちゃみのるくんの周囲の大人が全員破格すぎるんだよなぁ……(笑)
もともと厳しい生い立ちをテーマにしているのに、次はこのきらびやかさwww
この世のものとも思えない美貌の男性が何人もいるわ、世界を代表するセレブだらけだわ、って、そんなのに囲まれてる時点で、一般的中学生の成長ものではありえない。
正義とリチャードの物語は、ほぼほぼ大人のおとぎ話だったからこそ、気楽に無責任に、美しく楽しめた。
ひるがえってこの章に入ってからは。みのるくんの中学校生活などはビミョーにリアルで、読んでいて立ち位置をどこに焦点をしぼればいいか、入り込めない。
とはいえ、みのるくん自身が頭もよく、いろいろなことを真摯に考えるので、彼の思考をたどるだけでおもしろい。
また今回は、突然乱入してきたヨアキムさんがいい味出していた♪
本編で、ヨアキムさんはちょっと出てきただけで、いまいちキャラがつかめないままだったので、今回キムさんの魅力を発見できて楽しかったです♪ -
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第一部、完・結!
大丈夫、第二部はすでに始まっている。
正義の苦しい過去と彼の毒親が登場する。
正義はどれだけ苦しんできたんだろう。
彼は法律上は大人であっても、まだ学生、また「子供」なのだ。
正義の父親はDV親父でギャンブラー、父親であることだけを傘に、金を実の息子からせびる。
正義は大好きな大切な人たちを苦しめたくなくて、心配をかけさせたくなくて、何もいわなかった。
だけど隠すのが下手だから、バレてしまうのだ。
それで良いんだよ、頼ってよ。
次の言葉は、虐待サバイバーたちに当てた著者からのメッセージと思う。
「人間は、日々、思い悩み、苦しむものですが、あなたは明るい道を選び続けた。
楽なほうでもなく、捨て鉢な時に衝動的に選びたくなるほうでもなく、明るい方を。
私はそれをとても尊いことだと思います。
頑張ってきたのですね」(261頁)
あなたは頑張ってきた、生きてるだけで尊いのだ、そう伝えてくる言葉は、
言葉だけでは救われないこともあるけれど、どこかで誰かの救いになってくれることを祈るような言葉だと感じる。
本シリーズは、ジュエリーという美しいものを通じて、同じくらい美しい、人との出会いや想いを感じられる。
押し付けがましくなく、過剰に何かを礼賛することもなく綴られる物語は、
読者の心を磨き、美しいものへと仕上げていく。 -
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5つの物語とエピローグからなる。
第3シリーズ2冊目、通算13冊目。
今回の主な舞台も横浜。
28歳になった中田正義に加え、中1の男の子二人、女の子一人が加わって、物語は思春期の心をも描いていく。
モデルをしている真鈴はクラスの中では浮いている。
それは仕事が忙しいからで、決して同級生を見下しているわけではないのだが、はっきり物を言う性格が彼女を苦しめているようだ。
一方、みのるはみのるで問題を抱えた母親に育てられたのと、生来の性格もあり、自分に自信がない。
大人からすればもどかしく、また、そんなことで、と思うこともあるが、彼、彼女らは中学1年生。
子供なのだ。
羨ましく、そして物語を安心して読み進められるのは、リチャードや正義をはじめとした信頼できる大人たちがそばにいるから。
子供たちは自分の力で気付いていく。
真鈴には、こうアドバイスする。
「あなたのことを相手が好いていようが、いまいが、そんなことは何も関係がない。
誰にも(中略)あなたに不本意な行動を強いる権利などない。
『嫌だ』と思ったことには毅然としてノーを告げましょう。
それがあなたを守ることに繋がります」(100頁)
みのるは、母が暴れるのが怖くて、自分のやりたいことを我慢していた。
けれど、顧みられなかった方の自分の心をそのまま出せる大人を得たことで、「自分」を取り戻していく。
大人とは、こういう人物でなくてはならないな。
手出ししすぎず、しかし受け入れ、道を共に探っていけるような。
そんな理想の大人であるためには、大人自信が自分に自信を持っていなければならないし、寛容で賢くなくてはならない。
搾取したり、思い通りにしようとしないこと、せめてそれぐらいはできる大人でありたい。