山口真美のレビュー一覧
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発達障害についての概略本。
”発達障害”と言われるようなことが、脳のどういう部分・機能と関連して起きているのか、という観点で書いている一冊。
昔とは違い、論理的に心理を話せる時代になっているんだな、というのが個人的な印象。昔の心理学はともすれば「気の持ちよう」で、それをどう変えるか、みたいな記述が多かった印象がある。
今は、脳の活動領域含め、「どのような刺激が、脳のどういう場所で処理され、どういう行動になるのか?」が解明されつつあって、それが個性であったり、場合によってはなんらかの問題を生む、と説明できるらしい。そういう時代の変化を感じられた。
もっとも、読み手である自分の読み方も変わっ -
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自分は人の顔を覚えるのが割と得意な方。連れ合いは全然覚えられない方。その差著しく、常々不思議に思っていたのでこの本を見かけてその謎が解けるかと手に取ってみた次第。
結論から言えばあんまりその疑問の解決にはならなかったと思います。確かにみなさんのおっしゃるように、タイトルと中身がちょっとずれてますね。
そしてこのタイトルからすればおそらく、人の顔を覚えるのが苦手でどうにか覚えやすいすべはないかと思って手に取られる方が多いでしょうから、肩透かし感が結構あるかもしれません。
でも読み物としては面白かった。興味深い検証や解説がたくさんありました。
新書サイズも手に取りやすく、暇つぶしやちょっと変わ -
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思春期になれば必ず悩むことになる、自分の顔。
もっと鼻が高かったら、目が大きかったら.......鏡を見てため息をつく。
いつかはコンプレックスだらけの自分の顔に折り合いをつけていくものだが、私は未だに思春期のままなのか、自分の顔が好きではなくて、写真に写る事を出来る限り避けている。
各種免許証や写真はどれもこれもぎこちない顔をしている.......。
それなのに、自分に似ているはずの我が子の顔は世界一かわいいと思っているのだから随分矛盾しているものだ。
鏡の中の自分は実は自分の顔ではない。
イギリスのペレット教授の研究を見てみると(11頁)それがよくわかる。
どちらが女性らしくてどちらが男 -
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[ 内容 ]
私たちの視覚は、生まれながらにある種の驚くべき能力をもつ一方で、眼や脳が発達し、見る経験を積むことでようやく、動きや空間、形、顔などをはっきり認識できるようになる。
本書は、赤ちゃんの視覚の発達を丹念に追うことで、脳のなかに視覚世界がつくり出される複雑きわまりないメカニズムを解明していく。
[ 目次 ]
第1章 主観世界に生きる私たち
第2章 この世界を見ているのは脳
第3章 「動き」をどう見ているか
第4章 「空間」は頭の中でつくられる
第5章 「形」を見るために必要なこと
第6章 「顔」だけは特別
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆ -
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【目的】:視覚と絵のなぞについて知りたい。
・大きさの恒常性。距離を変えても同じ大きさと判断する。
・見たいところだけを選択的に見ている。
・見やすい視点で見せるのが上手い絵
・人は顔の情報にこだわる。ポイントは目鼻口の配置。
・世界は視覚情報を脳が再構成している。
・脳は美しい形を見ようとする。
・プロトタイプに当てはめて対象を認識する。
#ありのままを見ているつもりでも、人により見えている世界が違うこと、認知が世界を生み出していることが分かった。
#タイトルと表紙の絵に興味を持って読んでみたが、正面を向いた鳥とは、脳がつくりあげた鳥らしいイメージのことで、写実の絵では何が描かれているのか -
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ネタバレ美人は得か?
顔・身体学という新しい学問ジャンルに挑む著者。専門は実験心理学とあるが学際的な部分がある著作だった。印象的なのは、結論が人との中に居続けることを大事だとすること。顔というのは単に美醜ではなく、社会においてどのようなつながりを持とうとするかに重要性があると著者は書いている。単に美しい、かわいい、イケメンであればいいのではなく、その立場にふさわしい顔であること。顔を見せないことが社会で生きるには容認されないこと。損得という標題から考えると当然の結論のようだが、コミュニケーションが基準なのである。
単にかわいいことを目指す必要はない。柔軟な顔を目指すのだ。そのためには柔軟な考え方、 -
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ネタバレ<目次>
第1章 美男美女は得をするのか
第2章 顔の”印象”は何で決まるのか
第3章 社会における“顔”の役割
第4章 “好かれる顔”の世界標準は存在するか
第5章 もう損しない!得する顔になる
<内容>
思ったほどに面白くなかった。こういうテーマの時、海外の本は実験成果をこれでもかとデータ付きで紹介したり、実例を飽きるほど掲げるのだが、「~と思われる」などが多用され、説得力に欠ける。結局よくわからない。顔の印象は、世界では口元、東アジア(特に日本では眼)、眉の役割も高い…。くらいか?データは持っていると思われるので、もうちょっと説得力の増す書き方をして欲しかった。 -
Posted by ブクログ
風景が上下反転する逆さ眼鏡をかけると、当初はまともに立てないが、慣れることで普通に生活できるようになる。そういった体と認知(こころ・脳)の仕組みを説明する本。
1章・3章は面白い。思春期は扁桃体がとくに活動し不安・恐怖が強く刺激されるなど知らないことだった。
しかし、著者が「と思います」「ではないでしょうか」で文末を結ぶ個人の感想の割合が激増する後半になるとただの個人の感想の羅列になっていく。
とくに4章のネット社会での人とのかかわり合いは思いついたことを書いているだけで、そこに実験や深い考察が全く見て取れない。ただ年寄が自分の知らないコミュニケーション方法に戸惑っているだけである。
研究