山口真美のレビュー一覧
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エッセイ風。心と身体をめぐるトピックス――夢、明晰夢、金縛り、体外離脱、感覚遮断、臨死体験、逆さめがね、半側空間無視、幻肢、ボディイメージ、共感覚、絶対音感、痛み、痛みと共感、身体拡張、VR、瞑想、感情と身体―を軽妙な語り口で解説する。
特徴的なのは、明晰夢、金縛り、体外離脱、離人症、成長痛、がん治療など、自分の体験エピソードも入れ込んでいる点。さらには、自分が顔面麻痺になった時のことや10日間の瞑想合宿で体験したことも書いてある。
そういえば、近著には、自分がどう変わるか、まわりがどう反応するかを知りたくて、思い切って金髪にしてみたとあった。心と身体について自ら実験もしている。 -
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もとは東大出版会のPR誌「UP」に「顔身体通信」として連載された。単行本は『ままならぬ顔・もどかしい身体』というタイトル。キャッチーなネイミングに、座布団2枚!
著者は顔の心理学の研究で著名。ところが2008年に顔面神経麻痺になってしまった。顔の研究者が顔面麻痺とは、なんたる皮肉。でも、体験者だからこそわかることがある。顔についての思索や洞察はそれで深まった。
そして2018年。大型科研費「顔・身体学」が採択されて、代表者として研究体制を作りあげた矢先、がんが発覚。研究をしながら、治療に勤しむことになる。そしてここでも自分の体験から、痛みや身体について深く考えることになった。
研究者でありなが -
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書店で見かけて、あまり内容も見ずになぜか購入した一冊。ジュニア向けということもあり、思春期の心の保ち方的なほっとするような内容かと思っていたが、科学的にこころと身体の研究をされている著者の考えが載せられていて面白い読み物だった。自分が小中学生じゃとても読み切れなかった。
自分自身を思い出すと幼少期はこわいものだらけで、あんまり心も丈夫じゃなかったと思う。部活を始めてから悩む暇もなく練習して遊んで、日常的に心が不安定ということはなくなって。それでも自分も「頭で考えすぎると動けなくなる」タイプなので一瞬が勝負のスポーツは正直向いていないと思うことがよくあった。さらに、試験もうまくいかなかったりす -
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とても面白い本です。
霊的世界は、現象としてそこに存在しているのではなく、人間の脳内の動きで作られたものであると認識できました。
以前、幽体離脱がらみの本を読んだことがありますが、感情に訴えるような表現が多く、ハマることができませんでした。この本を読んで、脳の現象であるとわかり、疑問が晴れました。明晰夢をハンドリングしているのが前頭前野だと知りました。
近年、毎日編み物をして、前頭前野を刺激していたのですが、明晰夢を見たことにつながっていたのかもしれません。
毎日夢を見ることは良くないことだと思っていたのですが、実は体から無駄な情報を省く健康的な行為だそうです。
つい視覚ばかりで物を考 -
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イングス『見る』という分厚い本を買ったものの、視覚の本をしばらく読んでいないこともあり、『見る』を読む前のウォームアップのつもりで読んでみました。
全体的に簡潔に書かれていて読みやすいです。
まず「主観的な視覚世界から我々は逃れなれない」という点を明確にした上で、見るという行為の「意識を伴う・伴わない」という二面性について解説があります。
その後に「動き、空間、形、顔」と処理の複雑な順番に解説があるので、同様の書籍にありがちな、あちこちに飛ぶことなくスラスラと読めてしまいました。
かなり気に入りましたので、こちらの著者の他の本も読んでみます。 -
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ネタバレ実は顔だけ覚えるのであれば、とてもたくさんの数を覚えることができます。顔を記憶するためには、感情を伴う人間関係が大切です。なんであっても感情的な事柄とともに覚えることがコツなのです。さまざまな事柄に興味がなければ、人の顔は覚えられません。そのため感情を刺激して、脳を活性化させる必要があるのです。脳にある扁桃体による働きによるのですが、扁桃体は恐怖に反応し、耐え難い状況にさらされ続けると、扁桃体とその周辺の脳は傷ついてしまいます。
顔を記憶するテストの成績が非常に高い「スーパーレコグナイザー」とされる人たちは、鼻を中心に視線を置いて、顔の全体的な特徴を瞬時で把握するような見方をするそうです。
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身体の感覚とボディイメージと感覚のコントロールの話。
思春期は感覚が鋭いから反抗的になるらしい。わかっていたら温かい目でみれるかな。
ボディイメージが摂食障害に向かうこともあればヤマンバメイクに向かうこともある。女性は見られる対象だから、自分の価値を上げるためか、価値を隠すためか。最近の未婚問題も選ばれる対象になるのを拒んでいるからなのかなと想いを馳せてみた。今後結婚は、恋愛強者だけがする嗜好品みたいな位置付けになるのかな。
文章中に何度か日本人の同質性について触れていて、窮屈に感じたら世界を見ろとあります。確かにそうなのですが、日本からは排除されるしかないのかな。日本に住んでるのに。 -
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ジュニア文庫であり青少年向けに書かれていたが、勉強になった。
驚いたのは、顔は正面から見ると向かって左側の印象が強いこと、男性的な顔と女性的な顔のどちらも時と場合により魅力差が出てしまうこと、同じ男性の顔でも女性に笑顔を向けられているのと不機嫌顔を向けられているのでは魅力が違うこと(つまり人の顔の魅力は顔の造形だけでなく、周りの人の表情にも左右されている)等…
自分は自分の顔が思春期は本当に好きじゃなかったが、大人になって働き始めてからは得をしていることが分かってきて、次第に好きになった。1番は面長はリーダーシップがあるように思われるからかもしれない。なるほど。 -
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発達障害についての概略本。
”発達障害”と言われるようなことが、脳のどういう部分・機能と関連して起きているのか、という観点で書いている一冊。
昔とは違い、論理的に心理を話せる時代になっているんだな、というのが個人的な印象。昔の心理学はともすれば「気の持ちよう」で、それをどう変えるか、みたいな記述が多かった印象がある。
今は、脳の活動領域含め、「どのような刺激が、脳のどういう場所で処理され、どういう行動になるのか?」が解明されつつあって、それが個性であったり、場合によってはなんらかの問題を生む、と説明できるらしい。そういう時代の変化を感じられた。
もっとも、読み手である自分の読み方も変わっ