月村奎のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ月村さんにすっかり魅了されています。
受のうじうじ加減が最高にイラつくものの、何だか憎めなくて共感してしまう。
人間誰しも卑屈になることあると思うんですが、それをもの凄く上手に
書き出してくれます。
此処まで卑屈にならなくてもいいんじゃない?
と思うこともありますが、そこは小説なので多少脚色された方が面白いかなと。
こういう地味で抑揚のないストーリーでも、キャラクターの心の動きを
凄く丁寧に書いてくれるので、飽きません。
寧ろこの地味さで読ませるためには、心理描写に重点を置かないと
いけないので、こういった『つまらなそうな日常』を瑞々しく書ける
能力が凄いなー……と思います。
田舎が舞台です -
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Posted by ブクログ
人の心をくすぐるのが上手い作家さん。甘い話のようで、ほろ苦いところがあったりします。
主人公は漫画家を生業とする32歳の朋樹。元々は公務員だったのが、ゲイである自分の性癖を好きな男にからかわれて辞めた末の転職です。すっかり人を信用できなくなり人嫌いになっていたのに、隣に住む大学生で王子みたいなイケメンの玲央に懐かれてしまいます。でも、タイトルどおり恋愛にコンプレックスを抱く朋樹は、自分の気持ちに正直になれないし、相手の好意を疑うことしかできません。
こういう話の導入シーンは定番なのですが、この作品はそこからが抱腹絶倒の面白さです。Hシーンが笑っちゃいけないと思うのに笑えるし、胸が痛むし、かわ -
Posted by ブクログ
さらっと読める胸キュンなストーリーです。子供が登場すると、その子の大活躍で恋愛が好転していくという王道はハズしていません。でも、現実的に考えると子供は恋路の邪魔になりそうなんですけどね。BLではむしろカスガイになります。
小説家の瑛斗はとっても後ろ向きな性格で自分の恋心を薄汚いなんて思っているウジウジ系。男らしくて頼りがいのある担当編集の井上に片想いしています。
瑛斗はネガティブな性格が災いして、恋心を暴露するようなことを言ってしまい自ら墓穴を掘るという失態を繰り返すのですが、井上はそれを咎めもせずに変わらず優しく接してくれます。ただ、その優しさは担当という立場のものであって、それが更に瑛斗 -
Posted by ブクログ
短編集です。
「カーマイン」は高校同級生、「三年目」は同棲中、「賞味期限内にお召し上がり下さい」は大学生同士、「恋を知る」は教師×生徒、「small things」には4つの話が入ってます。
当然ひとつひとつが短いので、あとは自分で妄想するしかないもどかしさがかえって新鮮!
青春の純情が情感たっぷりに描かれていて、束の間乙女な気分に浸れます。
それに、いろんなパターンの恋愛がつまっているから、どれがいいかなー?と好みの話を探すなんてこともできます。
私の中で印象に残ったのは、表題作「恋を知る」。高校生の海が、自分の性癖に悩み傷つき、必死で押し殺そうと努力する様子が胸キュンもの。カッコ悪さもまた