押井守のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
いい大人がゲームに熱中ししまいにゃ廃人になってしまう話でも押井守が書けばこんなことになりました。
てかんじですかね。
押井さんの作品は「戦争ごっこ」に興じる平和ボケした社会にカツを入れることを趣旨とする作品が多いと思うのですが、でも彼自身(彼の作品自体)がリアルではないことは自明なわけです。
その矛盾を決して拒絶せず、あくまで「趣味の世界」であるところの作品をここまで昇華する手腕にはいつも感服します。
あと、ブックデザインもいい。アヴァロンという世界を裏切っていない。
本全体が微妙に黄昏れであるような色をしている。いいねえ。気に入っています。 -
Posted by ブクログ
ネタバレあとがきでいろいろのたまってるので、劇場版P2の不評な点についてはある程度耳に届いてると覚える。
その上で、この結末。読者に委ねるという手を使った。後悔はあるが反省はしていない、ということだ。
序盤、1/3ほどはおすすめできる面白さがある。
しかし、テロリスト無双になりはじめてから失速する。結末は正義戦隊特車二課の面々がヒーローポイントやらLUCやら振りまくってヒロイン南雲しのぶの花道を作ったという印象しか残らない。それで辿り着くのは濁した結末。
褒めるのは難しい。
2026年初頭、YoutubeでP1、P2が期間限定で公開された。それを機にXと名乗るTwitterは大盛りあがり、P2の小説版では旧第二小隊はいきなり参集するのではなく、事前に後藤が同窓会的なことをやってネゴっていた、というようなポストを見かけた。
あるいはそれで感想は変わるかなと考えて読むことにしたが、そのポストは嘘だった。少なくとも記憶違いである。同窓会を呼びかけたのは進士だし、忙殺されたか後藤は顔を見せない。会が催された理由も明らかではない。進士の昇進報告か娘誕生の報告か。うがってみれば、世相が怪しくなってきたので正義戦隊特車二課の方針を探るハラだったのかとも思える。
さておき、うろ覚えのことを賢しげに言うものではないと強く自戒する。
P1はフェバリットパトレイバー作品だったが、2025年、久々に視聴して、色褪せたことを知った。ほぼ同率一位であった『二課の一番長い日』がトップに躍り出たことになる。2025年に再視聴してもなお最も嫌いなパトレイバーであり続けているのはP2である。
なぜこんなにも嫌いなのか、理由はひとつしかない。南雲しのぶである。
南雲しのぶの、ぽっと出の昔の男。ああいう話であっても良い。ただし、前触れがあれば、だ。さんざん語られた挙げ句、余白につけこんだような後付が気に食わない。熊耳武緒とリチャード・王に嫉妬したのか。絵描き3:物書き2という構図からの逆襲か。押井守の末っ子気質爆発と言って良い。
ヘッドギアのメンバーのうち三名は事後報告だったこともあり抗議したというし、南雲しのぶの担当声優は憤りを隠せなかったというエピソードもある。
スポンサーから終わらせろという指令はあったようだが、破壊せよと捉えたのは悪意であろう。
パトレイバーの世界を永遠の午後として作ったのは押井守である。映像版『うる星やつら』にも似た、漫画版『パトレイバー』にもないテイストだ。それを象徴するのが個人的には『二課の一番長い日』だった。それゆえに終わらせる権利があると考えたのだろうか。長く付き合ったファンへの裏切りとは考えなかったのだろうか。
読むことが出来たのはハードカバー版。なので、押井守がノーブルと言い切った末弥純画のカバーイラストはない。 -
Posted by ブクログ
「私には才能がある!まだ見つかっていないだけ。」この考えは夢物語で、まずは凡人であることを自覚する。凡人は「夢中になれるものを続ける」「社会とつながる・人と仕事をする」「打席に立ち続ける」これが生き方である。他人軸(お金や名声)ではなく、自分軸(美学)で「ねばならない」から解放されて「良い加減」で生きろ。私はこのようなメッセージと捉えた。
何もかも制限がない世界は自由なようで不自由。別な言葉では孤独なのかもしれない。孤高の天才って孤独なんだろう。程よく抑制された環境かつ欠陥がある人間だからこそ「自由を求めている面白さ」があるんだろうな。そう思うと一緒に働いている変わった人もちょっと愛らしく見えて‥来る日があるかもしれない。 -
Posted by ブクログ
10年振りくらいの再読です。
すっかり忘れていたんですが、コミュニケーション論でもあるんですが、ちゃんと読み直したら、がっつり日本論でした。
日本への異議申し立てがとってもアツい。
コミュニケーションのできない日本人をディスりまくりです。
ちなみに、そのコミュニケーションとは、「違うレベルの共同体にコミットすること」、つまり「議論」だそうです。
SNSのことも大批判です。
やるなら、何を成したいのか、その意志をしっかり持ったほうがいいと言っています。
それはさておき、今回は「山本夏彦」という随筆家、編集者を発見できたことが収穫でした。
山本七平と同時代人で、言葉の階層についての文章が気になったので、著作を探して読んでみたいと思います。
あと、押井さんの名言をひとつ。
「今の時代に「創る」ということは「選ぶ」ということと同義だと僕は思っている。」
なかなか良い言葉だと思いました。 -
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ネタバレセラフィム 2億6661万3336の翼
急逝した今 敏氏作画、押井 守氏原作と聞いて急ぎ購入しました。1984年から1985年にかけて「アニメージュ」誌上にて大型企画として連載されていたもののようです。
羽が生え死に至る奇病のため、封鎖されたユーラシア大陸。そこに、奇病のキャリアでありながら発病しない少女と三賢人になぞらえた二人と一匹の犬が、奇病の発生源とおぼしきタクラマカンを目指す。
そんな緊迫感あふれる近未来SFの物語です。
史実を元にした、様々な衒学が語られ、中国の秘密結社の争乱に巻き込まれながらも、物語はユーラシア大陸内陸部を目指す・・・ところで未完で終わってしまいました。
ちゃんとチェックしていなかった竹蔵も悪いですが、”あらら・・・”という感じは否めません。最後まで読みたかった。押井さん、映像化して下さいませ。
竹蔵 -
Posted by ブクログ
アニメ監督・押井守の映画批評と一般向け仕事論。こじつけっぽい気がするけど、割と面白かった。
内容としては9本の映画が紹介され、そこで描かれる物語から、仕事に必要な教訓が語られる。著者は一般企業で働いた経験はないが、曰く、映画監督と中間管理職は同じだから問題ないのだとか。
個人的には、紹介される映画がどれも面白そうで、その情報だけで元は取れている。仕事論に関しては、「映画を見れば仕事に必要なことが学べる」というのは違う気がする。本書で著者がやっているのは、著者の中に元々ある信念を、映画のストーリーを通して再発見したり、意味づけするという作業のように思える。(タイトルに関しては、編集者が煽り込みでつけているだけだと思う。)
著者の仕事論を読むと、勝負の勝ち負けや、勝敗の責任にこだわっているのが印象的。普通に働いているだけだと、ここまでのこだわりを持つ人は少ない。だからこそ、こだわっている人が抜け出しやすい、とも言える。例えば、自身の監督作『劇場版 パトレイバー2』の後藤隊長が勝つためにしたことに関する記載が印象的。
> 要するに一番大事なのは、情報力を駆使して、命令も強制もしないで、ただ選択肢を与えないという追い込み方ができるということです。
エグい。。。