【感想・ネタバレ】凡人として生きるということのレビュー

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Posted by ブクログ 2014年10月27日

自由の意味について考えさせられる。
真に自由であるとはどういうことか。

オヤジたちは自分の欲望に対して純粋なのだ、と押井守は言う。

<オヤジは自分がやりたいことが、はっきりと見えている。世間のデマに惑わされた価値観ではなく、自分の本質を見極めたうえでの欲望のありかが分かっている。>

なるほど。...続きを読む自由であるとは、自分自身の欲望を持つことなのだ。

僕は今、世間のいろいろな価値観にがんじがらめになっている。そこから自分の欲望を解放しなければならない。

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Posted by ブクログ 2013年08月30日

私は、友達に飲み会に誘われたとき、迷うことなく参加するタイプではない。旅行にいくときにも、躊躇することが多い。その時の理由は、翌日が仕事だから、お金がかかるから、得るものがない、無駄、めんどくさい、などである。これは、飲み会や旅行に限ったことではなくて、他のあらゆることにおいて、私の思考の根にあり、...続きを読む何かするときに阻むものである。何でも論理的な損得勘定で考えると、何もしないことが失敗のリスクもく得だという結論になる。
しかし、躊躇し断って、なにもしないでいると、しばしば後悔するものである

その意味で、本書でもっとも重要な点は、以下の部分である。

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もう一度時間を戻そう。家路を急ぐあなたの足元で、小さな生き物がくんくんと鼻を鳴らしながら、あなたの温もりを求めている。あなたはその時、躊躇なく子犬を抱き上げる。両の手のひらを通じて、小さな生き物の体温と鼓動が伝わってくるはずだ。

そのほのかな温もりは、犬なんか飼えないと抱き上げなかった、先ほどのあなたには得ることができなかった感動だ。この感動を得ることが、人生を生きる最大の目標であり、収穫である。

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この一文は、私にとって、本書の核心である。子犬は、もちろん例え話であるが、人や旅や趣味、何か自分が好きなもの、やりたいことに置き換えることで、その意味はとても深いものとなる。

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Posted by ブクログ 2012年08月30日

ぼんやりと考えていたことに押井守流の答えを突き付けられ自分なりに咀嚼し、自分だけでは消化不良だったところがすっきりした感じ。

例えば自由を求めて孤独に生きると最終的には不自由になりかねないということ。社会と関わり、親なり配偶者なり子どもなりを背負って家庭を持ちながらそれらのフィールドを自在に行き来...続きを読むし、不自由さの中に楽しさを見つけて生きることを真の自由と語っている。結婚などについても価値観を押し付けず独自の理論で語っていてなるほど納得。どうやら結婚も悪くないものらしい。親や近所のおばちゃんの「結婚して一人前」という言葉よりよほどいい(私の親はそんなこと言わないが)私の言葉だと稚拙になってしまうので気になる方は是非読んでほしい。

他にも「納得できない映画は作らない」、「金ではなくまず美学を持って行動せよ」、「勝負を恐れず諦めず、しかし、勝ち続けることを狙ってはいけない」とうい映画監督として、人生の先輩としての哲学も語っているし、オタク論、格差論、引きこもり、虐待などについても広いような偏った視点で独自の理論を展開していて非常に面白い。仕事仲間はいるが友達などいないというのも押井監督らしい。

既存の価値観の崩壊と再構築が進んでいる現代では非生産的な存在であったオタクですら産業を生んで進化し続けていること、アキバの生産性についても語っており、メイド喫茶で働く女の子とたちは現役期間が短いスポーツ選手と同じであると例えているのはすごいと思った。私も少し考えてた「ちょっと年齢層が上のメイド喫茶の誕生」を予言している。私は個人的に「ベテランメイドがいるスコーンと紅茶がおいしい英国風カフェ」の誕生を夢見ている!高齢化が進めば「ばあや」レベルのメイドも需要があるのではないか(笑)

文明やメディアがもたらす害についてはなるほどと思った。また、彼はメディアは既存の言葉に頼らず、独自のメッセージを発信せよと語っており、彼は独自の方法でもう発信しているという。本書が発売された後に公開された『スカイ・クロラ』に若者に向けたメッセージが込められているらしい。心して再度見なくては!

本書のタイトルは『凡人として生きるということ』であるが、彼のメッセージは「努力を続け、熱意を持った凡人になれ」ということらしい。努力を続け、熱意を持って映画を作り続けた著者だからこそ言える言葉だと感じた。

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Posted by ブクログ 2012年06月24日

押井守さんのエッセイ。
僕は彼の作品が好きでけっこう観ているが、コンテンツを観たことによって、色々と示唆をくれるという意味で彼の作品が好きだ。

本書の中にも、作品について触れられる箇所がいくつかあるが、「うる星やつら ビューティフルドリーマー」に関してはやはり思い入れが強いのか、出現頻度が多い。
...続きを読む
本書の目次を紹介しよう。
第1章 オヤジ論―オヤジになることは愉しい
第2章 自由論―不自由は愉しい
第3章 勝敗論―「勝負」は諦めたときに負けが決まる
第4章 セックスと文明論―性欲が強い人は子育てがうまい
第5章 コミュニケーション論―引きこもってもいいじゃないか
第6章 オタク論―アキハバラが経済を動かす
第7章 格差論―いい加減に生きよう

彼の主張するところには、映画監督は作った作品がすべてであり、言葉は必要がないそうだ。だが、なぜ本書を出したかと言えば、優れた洞察により世の中を批評する批評家がいないためであるとされる。

なるほど。これは一理ある。報道がワイドショー化し、ネタとなるものは瞬間風速的に祭り上げられる光景はいまや日常茶飯事だ。
これにはインターネットの進展における情報流通スピードの早さも要因としてあげられるだろう。

そのモチーフになりうる、「攻殻機動隊 Ghost In The Shell」を作った押井さんがインターネットに関しては興味がないとばっさりと言ったことに驚きと新鮮味を感じたのだ。
今、世の中のインターネットはまさに攻殻機動隊の描いた世界へと日々進歩している。それはコンテンツとして世に出たそれに模倣する形に違いない。

本書の指摘にもあるように、文化とは模倣であり、コンテンツとして世に出た瞬間から正当化されるのである。
これは別の文脈では「ミーム」として形容されるケースも多く、言葉は違えど様々な分野の先人が感じていることではないだろうか。

新書ということもあり、内容もそれほど重厚ではないが、押井さんのエッセンスが多分に含まれた本書はオススメである。

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Posted by ブクログ 2011年11月19日

数年前、仕事のことで「煮詰まった」時に読んで、心が軽くなった本。
今は「煮詰まってるわけ」じゃないけれど、無性に読みたくなって再読

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Posted by ブクログ 2014年09月09日

「人間というものがいい加減なものである以上、人間社会もまた、ある程度はいい加減に運営されているのが正しい方法ではないか。」格差“是正”論議の過熱や不祥事バッシングなど、潔癖症的な社会風潮を危険視する。

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Posted by ブクログ 2023年07月08日

現代は嘘やデマが溢れている。それが、あたかも常識のように蔓延っている。そのことに気づき、自分で生き方を決め、社会とどう関わっていくかが、本当の意味での大人であり、本当の意味での自由である。

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Posted by ブクログ 2018年11月05日

現実を見据え、極端に走ることなく、中庸を進むことが人間社会を生きる知恵

多少の格差があろうと、それをおおらかに、いい加減に許してしまう社会が一番いい。

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Posted by ブクログ 2018年08月22日

映画監督、押井守さんが、主に若者について、あるいは若者に対してつぶやいた書。
まさに、「つぶやき」というか、「叫び」というか、まぁそういう感じで、思いの丈を綴っている一冊です。
私が思うに、このおじさんの言葉を一番に聞いて欲しいのは、若者たちのように思います。
年季の入ったおやじだからこそ言える、人...続きを読む生訓がいっぱい詰まっています。

冒頭、第一章「オヤジ論」の始めに「若さに価値などない」と言い切って始まっています。
この第一章だけでも、若者に読んで欲しいと思います。
という、とにかく面白いので読んでください。
何かしら、得るものが有ると思います。

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Posted by ブクログ 2016年07月15日

さすが押井。
疑うという姿勢が貫きとおされており、易しい口調で伝わってくる。
凡百の自己啓発書は吹き飛んでしまう。

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Posted by ブクログ 2014年01月18日

早くオヤジになりたい。
オトナになるのとは楽しいこと。学生のころが人生で一番楽しいのだったら年を取る意味がないということを教えてくれた。面白かった!

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Posted by ブクログ 2012年07月08日

何気なく見つけて買った本。
著者の作品は実は1つ(スカイ・クロラ)しか観てない。
けど、これを読んでいて、押井さんの作品を観たくなった。

この本のタイトルはちょっと置いておいて(確かに、そのタイトル通りの話も展開されているのだけど)、各章で言及されていることや考え方は刺激的だった。わかりやすくスト...続きを読むレートに表現してもらえるのは壮快。

個人的には、最後のあたりが特に好き。
最後の最後には、映画に込めている思いが語られる。

確かに、スカイ・クロラを観たときに、なんとも言えない感覚をずっしり持つことになり、その感覚がなんなのか探し求めるかのように、原作を読んだり(しかも既に5回も・・・)、DVDで再び見たり、他の本でリンクするような内容にぴくんと反応して考えを巡らせたりしていた。
それが、押井さんの、仕事を通して語りかけようとしていた結果だったのだなぁと思った。(ああもうやっとわかったよー)
けど残念ながら、そのことについて、私はまだしっくりくる言葉で表現できない。

「大人になる」と「子供」、「生」と「死」、「負う」と「身軽」、「自由」?、「本音」と「建前」
こんなキーワードがずーっと頭の中を巡っている。もうここ2、3年。きっかけは押井さんの映画なんだよーぅ。

しばらく経ってから、もう一度読みたい本。

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Posted by ブクログ 2012年05月14日

すごい発見をしたわけではないですが、なんだか今までごちゃごちゃ悩んでいた頭が少しスッキリしました。病院の待合で1時間程度で軽く読めてよかったです。

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Posted by ブクログ 2012年05月13日

人間 押井守が書かれた哲学書です

今という時代を生きるに当たって、社会が生み出した幻想に惑わされずに、自分を生きるための方法が書いてありました。


押井守からみた社会、人間、家庭。

参考になりました

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Posted by ブクログ 2011年09月18日

失敗や挫折そのものが人生の醍醐味。
胸にきました。
こうしなければいけないってのは、ないのではないかってこと。要は心のままに、真に楽しい方に行きなさいってこと。

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Posted by ブクログ 2011年12月08日

ものすごくよかった。
2011で読んだ本で結構なヒット。

これ読んで、改めて押井さんの作品を見返したくなりました。

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Posted by ブクログ 2011年11月30日

社会と関われということ、
美学をつらぬけということ、
他人の人生を背負いこめということ。
期待してなかっただけに、素晴らしかった。
押井守の人生観。
満足度8

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Posted by ブクログ 2019年06月03日

日本を代表するアニメ監督の一人である著者が、「自由で平凡な人生」について語っています。

著者みずから本書で述べているように、著者は表現者であって評論家ではありません。それゆえ本書から読みとるべきなのは、理想的な社会を実現するためのロード・マップなどではなく、ひとりの優れた表現者が自分の足で歩きなが...続きを読むら紡いできた思索の軌跡でなければなりません。

たとえば著者は、自分の好きなことをする「自由」と、他者に付きあわされる「不自由」との混淆のなかに身を置いて、そこで「自由」とはなにかを問いなおそうとしています。また、性における本能と文化との混淆を見つめて、それに適切なことばを与えることが表現者の仕事だと述べています。そういえば、著者の代表作の一つ『GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊』は、リアリティと仮想空間との混淆をテーマとした作品でした。著者はこのようなハイブリディティを手放しで礼賛するのではなく、それをしっかりと見つめ、その本質をつかみとって表現へもたらそうと格闘をつづけます。

それこそが、「考える」ことであり「生きる」ことなのだ、というのが、本書のメイン・テーマだというのは、強引にすぎるでしょうか。「若さこそ価値がある」「友情は無欲なものだ」といった手垢にまみれたことばに対する著者の批判は、こうした考えから出てきているのだと思われます。

もっとも、個人的にこの人の作品のファンだということもあって、こちらの読み込みがいささか強引になっていることは否定しません。

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Posted by ブクログ 2019年05月01日

10年以上前の本だけど、特に古臭さは感じない。自由とは動機があって初めて得られるものだ、というくだりは割と納得感がある。なんとも残酷だ。

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Posted by ブクログ 2019年01月02日

作者の押井守氏は世間に蔓延するデマ(Demagogie)の正体を暴き、騙された人生を生きないように警鐘を鳴らしている。
「損得勘定で動く自分を責めてはいけない。しょせん人間は損得でしか動けないものだ。無償の友情とか、そんな幻想に振り回されてはいけない。映画やドラマ、アニメや漫画の虚構の世界では美しい...続きを読む友情のオンパレードだ」

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Posted by ブクログ 2018年01月08日

 奇才、押井氏の著としては少々物足りず。似たような話題が多いこともあるのか、大人しめの印象。ただ、勝敗論とオタク礼賛?論には深く共感。その通り!

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Posted by ブクログ 2014年03月08日

蘊蓄好きの押井監督の自論が語られる。
幻冬舎新書ということもあって、見出しの立て方はかなり恣意的だが、著者ならではの文言でもある。
若さに価値はない
友達なんかいらない
民主主義という危険なシステム
など、誤解されやすい見出しが並ぶ。
有効性を失った言葉が再生産されるだけの現状を憂う指摘は、とりあえ...続きを読むず聞いてもいいかな。

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Posted by ブクログ 2013年11月21日

本当に生きるということは どういうことか スカイクロラの映画監督を務めた押井守さんの本
きっと今の若者たちに伝えたかったり  自分は年取ったなぁ〜・・と思ってる人たちに伝えたいのだと思う
若さは特権だ という言葉にだまされてはいけない いろいろ わかってくるから成熟して オヤジになる...続きを読むのだ
言葉を軽んじてはいけない 
熱中するものをみつけて何かを生産すること
「ある現実を言い当てるときに、表現に豊かな内実を持たせて、 それを社会に再び転化するような力を持つ『言葉』を 生み出すことこそが本来、文化的な仕事なのだ」
伝えることの大切さや 難しさを 忘れてはいけない

2011

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Posted by ブクログ 2013年08月30日

「物語」が罷り通った時代の考えからの脱却を示している。

もう何遍もどこかで言われてきたであろうことなんだけど、文章として読むとストンと胸に降りてきて、素直にそうだな、とも思える。書き方がラフだからってのもあるかも。

しかし、共感はあるにせよ、あんまりにも飛躍がありすぎて、新書ってよりは押井守のイ...続きを読むンタビューみたいだった。


まとめ

▼第一章 オヤジ論——オヤジになることは愉しい
「若さに価値がある」なんて建前に振り回されず、物事の本質を知り、心の自由を手に入れなさい。さすれば自分の本当にやりたいことがわかるよ。建前と本音は使い分けて、図太く生きな。

▼第二章 自由論——不自由は愉しい
本当の自由ってのは、自在に出来るっていう行為のことだ。
人生は選択の連続だが、選択を避けても自在感は感じないだろう?選択を避ければ残る可能性もあるだろうが、潰れる可能性もある。

▼第三章 勝敗論——「勝負」は諦めたときに負けが決まる
失敗は成功の母だ。勝つまでやれば、最終的にはオールオッケー!

▼第四章 セックスと文明論——性欲が強い人は子育てがうまい
文明化して、セックスも子育ても本能のものではなくなった。文明化は止まらないから、ちゃんとセーフ/アウトの線引きしなきゃだよ。

▼第五章 コミュニケーション論——引きこもってもいいじゃないか
友達じゃなくて仲間を作ろう。仕事は仲間が出来て面白いぞ。

▼第六章 オタク論——アキハバラが経済を動かす
「物語」はもうないから、情熱に生きろ!

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Posted by ブクログ 2013年01月20日

「人のとりうる行動のすべては、何らかの模倣である。」ここまで独創的な映画を残した氏の考えと読んで目を疑います。引きこもりに向けた暖かい叱咤激励の言葉が社会人にも染み渡ります。社会にコミットするということは仕事を置いてほかにはない、のです。
一見とりとめがなく見えますが、一貫して、じっくりと思考した言...続きを読む葉の重要性を説いていると読みました。ここでの言説が「コミュニケーションは、要らない」につながっているようです。

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Posted by ブクログ 2012年09月14日

平凡な我々に何ができるか?考えさせてくれる本

「働きアリの中でも一生懸命働くのは一部だけ。一生懸命働くありだけを集めてもやはり同じ割合だけ怠け者が出る。」
うーむ、なるほど

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Posted by ブクログ 2012年09月04日

名声でもお金でもなく、美学を持って勝負する。これが目的でないと、自分らしい生き方はできない。でも凡人だからお金もほしいしなぁ(笑)しかし、初めから富と名声だけを目的としては、道を誤る。
仕事も人生も、自分で「よくやった」と納得できるかどうかが凡人の矜持だ。

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Posted by ブクログ 2012年04月22日

社会の歯車の一端を担うことの存在意義や、一つの物事に情熱を持って傾倒する美学を鋭く考察している。さすが映画監督だけあり世の中に伏在する本質を見抜いていて、独自の観点から顕在化させている。

テーマが多岐に渡っていたが、著者がこの本を通じて世間に伝えたかったメッセージはこの一点「世間に傀儡されずに選択...続きを読む肢を広めよ」

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Posted by ブクログ 2012年02月01日

もっと肩の力抜けよと。
内容はもちろんのこと、文体も軽いし本当に肩の力を抜いて読めた。6章を読んでからもう一度1章を読みたい。
ただ何につけても本音と建前があるわけで。ここに書かれたことを鵜呑みにするのも著者の意図とは違う気がする。

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Posted by ブクログ 2011年08月04日

物事の見方をメジャーな一方向だけでしか見れなくなることへの危機感は共感できる。視点を変えて本質をつくという生き方、多様性の大切さを尊重する精神に共感。

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