矢野浩三郎のレビュー一覧

  • アルセーヌ=ルパン全集17 バーネット探偵社

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    アルセーヌ・ルパン全集の第1巻。ルパン対ホームズという図式を考えた時、ぼくはやはりルパン派なのだな。洒脱で軽妙、これルパンの持ち味ですよね。第1話の「ルパン逮捕される」は何とも言えない恋愛小説とも読めるし、第2話「獄中のアルセーヌ=ルパン」で脱獄可能なら最初からつかまらなければいいのにと皮肉をいうガニマールに「女がぼくをみつめていたのですよ」などと答えてしまうのがすばらしく粋じゃないですか。この恋は第1短編集の最終話「おそかりしシャーロック=ホームズ」で苦く思い出されるのですが...ルパンの恋って成就しないのがお約束なんだけど、長編『奇岩城』の結末なんかはその昔読んだときには泣いてしまったな。

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    2025年02月24日
  • ミザリー

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    面白過ぎた。衝撃的な展開の連続で飛ばし過ぎ。これ、最後まで持つの?と心配したけど無用だった。はい、最初から最後まで文句なしに怖くて痛くて面白いです。
    売れっ子作家が不慮の事故で大怪我をし、元看護師の熱狂的なファンに監禁される怖いお話。
    元看護師のアニーの狂いっぷりが豪快で想像を超えてくる。作家ポールがいけ好かないヤツなので、可哀想とばかり思えない。そして悲惨な状況なのに所々、笑ってしまう描写がある。結末がどうなるのか早く知りたくて読む手が止まらなかった。
    作中作の「ミザリー」の物語の意味が理解できなかったのが、私の読解力の足りないところ。考察サイトを探そうと思っている。

    稀代のストーリーテラ

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    2025年02月09日
  • ミザリー

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    何度読んでもアニーが怖すぎる!
    怖すぎるのよ!
    指の間から震えながら覗き読むような感じ。

    狂ったファンに監禁された小説家。
    運がないといえばそれまでだけど、ほんと恐ろしすぎる話。
    なのに読み返しちゃうんだなあ。

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    2024年12月18日
  • 大聖堂(下)

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    中世の歴史をベースにフィクションを描いているのだが、話の中心となるのは大聖堂の建築である。
    悪人はとことん悪く描かれ、何度蹴落とされても悪知恵を働かせる。
    対してフィリップ修道院長をはじめとした善人達も、必ずしも清廉潔白というわけではなく、様々な欲望や感情を抱いている。
    登場人物たち全員がとても人間らしく生々しく描かれており、ストーリー展開は痛快で、時間を忘れ夢中になって読んだ。
    面白いと思ったのは、人の善悪の基準や何が正しいのかということは時代で異なるのだということ。この時代の人はとにかく神を信じている。しかし人間は積み重ねて行った知恵によって何を信じるのかを判断できるようになるのだ。
    中世

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    2024年08月28日
  • 大聖堂(下)

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    ネタバレ

    読書の醍醐味!違う時代の人々の人生にどっぷりと浸かることが出来た。中巻で幸せになってほしいと願ったアリエナは幸も不幸もあり波乱万丈。フィリップもジャックもジョナサンも登場人物皆それぞれに幸不幸があり、物語の奥行が素晴らしかった。老人になったとき、苦い悔悟の味を噛みしめ、これまでの人生がすべて虚しかったと知る(P615)哀しみを持たぬよう、結果はどうであれ今を精一杯生きようと思えた作品だった。ケン・フォレットは読破する。養老孟子のあとがきはいまいち。

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    2023年10月26日
  • 大聖堂(中)

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    ぼろぼろのアリエナ。父との別れと約束。本当に厳しい環境を羊毛を売り立て直す。彼女は強い! しかし束の間の浮上と幸せはあっという間に消えてしまった。トムは大聖堂建立を始める。エリンも戻り安泰かに見えたが人生とは、なんと無常な……。トムの息子アルフレッドとジャックは相変わらず仲が悪い。男の嫉妬恐るべし。そして更に悪魔に近づいていく残虐なハムレイ。フィリップ司教に対する菩提聖堂の妨害、破壊は腹立ち以上に絶望感を感じた。懺悔で許されてよいのだろうか? 下巻、大聖堂も完成してほしいしアリエナが幸せになってほしい。神がいると思わせて!

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    2023年10月14日
  • 大聖堂(下)

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    イギリス〜フランス〜スペインまでキリスト教の繋がりも垣間見え壮大なスケールを感じた。
    また親と子、姉と弟、兄妹、夫婦の小さな関係の描写も面白かった。

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    2023年05月28日
  • 大聖堂(中)

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    王の覇権争いでの醜い覇権争いもさることながら、教会内での覇権争いも醜くく、聖職者でも人を蹴落としたりお金に汚い。平和になったかと思ったらすぐにそれも打ち壊されたり。
    この小説の日本の題名でもある「大聖堂」を建てるという事を軸に様々な人間模様が絡み合って面白い。

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    2023年05月28日
  • 大聖堂(上)

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    カナダ人の先生に薦められて読みました。3冊で1500ページくらいあり、正直読み終えるのに半年かかるかもしれないと思いましたが一カ月で読めました。
    こんなにページ数が多いのは描写が細かすぎるんだ!
    と半ギレ状態でしたが読み終える頃には気になる事もなく。→感想・中巻に続く

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    2023年05月28日
  • ミスト 短編傑作選

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    ミストの原作目的で読んだ。ミストの不気味さ、救われなさは文章でもありありと伝わってきて、映画とは異なる結末もまた良い。他の短編では、ジョウントが一番気に入った。淡々と語られる事実と、迫りくる懸念…あるいは恐怖。そして迎えられる結末。何度も読みたくなってしまった。

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    2022年05月06日
  • ミザリー

    購入済み

    人間の狂気

    幽霊、化け物、猛獣などこの世の中にはたくさんの怖いものがありますが、人間こそが一番怖いものであることを証明する作品です
    そしてフィクションとは言いきれないところがスティーブンキングのすごさです

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    2020年03月11日
  • 大聖堂(下)

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    主人公はたくさんいるけれど,やはり,本当の主人公は大聖堂か。主人公側が必ずしも完全な善人ではなく色々な欠点を備えているところもしっかり描いている。肉食人種の旺盛な欲が興味深い。

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    2020年02月11日
  • 大聖堂(上)

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    ネタバレ

    エリス・ピーターズの『修道士カドフェル』シリーズ好きなら絶対ハマること請け合いの、上・中・下三部作。評者は絶対ハマるタイプなので、文句なしの星5とした。

    ウェールズの平民で孤児だった修道士が、己の知恵と、仲間と、あらゆる伝手によって大聖堂建立するまでのお話。
    そこに、登場人物それぞれの謎や諸事情が絡んでくる。これがしかも、全てきれいに解きほぐされ、決着がつく。
    大部だが『必要でないエピソード』がほとんどないのはそのため。

    イングランドのヘンリー1世の嫡男、ウィリアムの死に始まり、スティーブン王 VS 女帝モードの内乱、ヘンリー2世になってからの王権 VS 教会の対立など、歴史背景への知識は

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    2019年11月10日
  • 大聖堂(下)

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    12世紀のイングランドを背景にしたあまりにも壮大な物語。
    愛と憎しみ、野望と貪欲、欲望と怨恨と復讐(作者のあとがきより)。
    たまには、こういう長い小説もいいな。

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    2019年01月02日
  • 大聖堂(中)

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    次々と訪れる不幸に言葉も出ずウンザリしてしまう。
    なのに、読むのを止められない。
    ジャックとアリエナは幸せになれるのでしょうか。
    下巻へ。

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    2018年12月31日
  • ミスト 短編傑作選

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     町を霧が覆う。
     その中には何かわからない異形のものがいて、人々はスーパーマーケットに閉じ込められる。

     なんか、映画になっているそうな。
     で、その最後はとんでもない、らしい。

     というのでがぐぶるしながら読んだ。
     
     って、短編集です。
     「ほら、虎がいる」から始まって、じわじわと恐怖のアクセルを踏み込んでいくって感じ。
     「ジョウント」で、うへってなって、「ノーナ」の説明のできないわけのわかならない不安。それが「カインの末裔」ではじける。
     「カインの末裔」が地味に怖いです。タイトルで、想像できるし、その通りなんだけど、怖い。怖い理由がわからなから怖い。すごいありそうで怖い。

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    2018年12月28日
  • 大聖堂(下)

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    勧善懲悪。
    素晴らしい。
    慈悲深い行いも、理解できないと思う人がいたとしても、寛大な心で受け入れてあげれば、将来的に自分に返ってくるんだね。
    愛だね、愛。

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    2018年07月01日
  • 大聖堂(中)

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    頑張れ、アリエナ。
    高貴な生まれで、美人で、聡明で。
    そんな彼女が、何故あんな馬鹿な選択を。
    エリンと同じく、呪われろと思ってしまった。

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    2018年07月01日
  • 大聖堂(上)

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    ずっと読みたかった。
    入りから完璧。
    悪人の悪人らしさが絶妙。
    さて、この悪人どもはどういう最期を迎えるのやら。

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    2018年07月01日
  • ミスト 短編傑作選

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    「キングを読むならまずはコレ!」ということで、キングの短編傑作選。キングは全部読んでるよな?と思いつつ、手にしちゃったよ。
    『ジョウント』は読んだら、ベスタ―も再読したくなった。

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    2018年06月01日