織田作之助のレビュー一覧
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思いのほかエンタメっぽく読みやすかった。オダサクの大阪に対する愛が登場人物に詰まっていて故郷への愛をものすごく感じた。各話しっかりオチがあって、余韻が良い。付け加える一言でこんなにも印象が変わるのか、と思うほどその一言が上手い。
内容は暗いはずなのに何故こんなにもカラッとしているのかと思うのが"夫婦善哉"
最後にあぁ貴方が俗、、と突きつけられるのが"俗臭"
芯に触れて初めてわかる今までを覆すかっこよさのある"天衣無縫"
まさに人生"放浪"
"女の橋"から"大阪の女"までの流れにある血筋。大阪の女ならではの強さ。
恥をさらしたそのオチがおもしろいオダサク視点の"世相"
ふわふわしたものを信じ抜く心温まる"アド・バルーン" -
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1938(昭和13)年から1946(昭和21)年、織田作之助前期の作品を収めた短編集。
やはり面白い。多くの作品ではちょっと知能遅れのような主人公たちを、ウェットでもドライでもなく描き出し、さながら夢の中のように宙ぶらりんの質感で辿ってゆく物語は、不思議と味わいがあって魅力的。
大阪弁を取り入れたという文章は、しばしば意外な表現も見られ面白いが、ときとして文法的に変な箇所もあると思った。
『夫婦善哉』は続編があるというのを知らなかったが、書いたまま未発表でしまってあったのを2007年に発見されたらしい。正編とともに面白かった。ギャンブル等でたちまち金をすってしまう夫に体罰を加える女房という、しかし殺伐としていない凸凹コンビを描いてユーモアがある。
良い作品集と思う。 -
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ネタバレ「青春の逆説」
「雨」を前に読んでいたので、あれ知ってるこれが多かったし、読み終わって何故か豹一が救われたような感覚になった。豹一にはずっとお君の苦労があって、それが唯一の女性像。激しい恋をしたのは多鶴子だけだったし、落ち着いたところが行きずりみたいな感じだったから、「ええー!」ってなった。
あと最後の方で自分の性格に少し気づけたところもよかったかな。土門はちょっとなー。
「わが町」
「婚期はずれ」と「夫婦善哉」のストーリーとクロスオーバーするところがあって、すごい嬉しい。おたかは側から見ると余計に異常だなあ。。。
<ベンケットの他あやん>を中心にした3つの時代にまたがる物語。今で言う熱血系の叩き上げ。無茶苦茶なんだけど、でもみんなほっとけない。
フィリピンのマニラにどこまでも縁があって逆にすごいなあ。辰さんに2円返せるといいね。 -
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昨年は織田作之助生誕100年の節目の年。「夫婦善哉」は多くの出版社から出ているけど、続編「続 夫婦善哉」が収録されているのは文庫ではこの岩波版だけだと思う。この続編、2007年に未発表の遺稿から発見されたもの。正編が出てから67年、織田作之助の没後60年を経て、柳吉と蝶子の物語を再び読むことができるわけ。
相変わらず柳吉はダメぼんぼんで、そのたびに蝶子は振り回されるのもお決まりなのだけど、それでもやはり年を重ねて少しづつ変化しふたりの歯車はうまく回り出す。舞台を別府に移しているものの、正編と同じく情緒溢れる描写が読んで心地いい。
昨年製作された森山未來と尾野真千子のドラマ版はこの続編も取り込んだもので、今後「夫婦善哉」という時には正・続あわせて扱われるんだろう。だから、「夫婦善哉」読んだことのない人も、かつて読んだ人も、どちらも楽しめる文庫になっている。 -
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有名な表題作は、いかにも大阪的な小説で、軽快なテンポが小気味よい。柳吉はどうしようもない人物であるし、内容じたいも、起伏があるとはいえ、そこまでたいしたことが書かれているわけでもないであろう。しかし憎めないキャラクターであり、なんとも愛すべき空間が展開されている。とくに人物造形は秀逸で、むしろ、その生きかたに憧れすら抱いてしまう。ほかの収録作も同様で、いずれも大阪臭がぷんぷんするのだが、それがたまらなくよい。「俗臭」とか「木の都」とかはとくによかった。オダサクは有名なわりには太宰があまりにも凄すぎるせいでその陰に隠れてしまいがちであるが、本作を読めばなかなかどうして、埋もれさせておくにはあまりにも惜しい存在だ。昨年は生誕100年ということで、ドラマ化されるなど再評価の動きもあった。『夫婦善哉』の軽快なリズムはまさしく「夫婦漫才」そのもの。漫才がたびたびブームが起きてリヴァイヴァルするように、本作もいつまでも語り継がれる存在であってほしい。
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半分は新潮文庫の夫婦善哉にも収録されていた内容なので、新たに読んだのものはそれほどなかったのですが『女の橋』『船場の娘』『大阪の娘』などの連作は、構成もなにもあったもんじゃないようなセオリー無視の小説ですが、とても面白かったです。織田作らしい奔放な人情物でした。
『二流文学論』『可能性の文学』といった評論はほとんど何を言ってるのだかわかりませんでした。
巻末の解説にいたっては更に何を言わんとしているのかわかりません。小説をいちいち文学という次元に押し上げる必要はなく、文学史を研究している人にはいい解説なのかもしれませんが、一般読者には完全な蛇足でした。