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Posted by ブクログ
○目次
夫婦善哉/続 夫婦善哉/雪の夜/放浪/湯の町/雨/俗臭/子守唄/黒い顔/聴雨/勝負師/姉妹/木の都/蛍
○感想
織田作之助の、自身が育った「大阪」の庶民を描いた「大阪」の小説と、読んでいて感じました。登場人物の多くは本当にどうしようもない人達が多いのですが、彼ら彼女らがその「大阪」人としての奥底の意地というか心性が、最後に気張った行動をとるのかなと感じました。
なお、本書中に、自分自身が関西に住んでいたころに通ったことのある自由軒カレー等実在のお店も登場したりと、関西に住んでいる、または住んだことのある人には実感できることが多いかもしれません。
Posted by ブクログ
この歳になって、純文学にガッツリ嵌りました。
ええ、某文豪ゲームのお蔭なのですが、こんなに読み倒して居るのは学生以来なんじゃないか…。
昨秋ガラケーからスマホに替えて以来、青空文庫でどこでもこうした文学を読めるなんて、何て素晴らしい時代なのだろうとか噛みしめていたのですが、この『夫婦善哉』の続編は青空文庫に無かったんですね、残念。
なので、コレクションも兼ねて久しぶりに紙の本を買いました。
織田作『夫婦善哉』初読は十代の頃だったと思うのですが、只管蝶子さんが可哀想でならず、何が良いのかさっぱりわからなかったなと記憶していますが、この歳になって改めて読むと、しみじみと、染み入る様にくるものがありまして。織田作の作品には、多く「困った人たち」が登場してくるのですが、誰もかれもなぜか愛おしくなります。『天衣無縫』しかり。『六白金星』しかり。織田作自身と、その経験が下敷きになっているのだろうと思うだけでも、ファンとして作品に触れる事で幸せな気持ちになれます。
ありがとう青空文庫(笑)
この短編集には他に『蛍』も入っていて更に嬉しいです。寺田屋事件の話だと気付くのにだいぶかかりました。
Posted by ブクログ
1938(昭和13)年から1946(昭和21)年、織田作之助前期の作品を収めた短編集。
やはり面白い。多くの作品ではちょっと知能遅れのような主人公たちを、ウェットでもドライでもなく描き出し、さながら夢の中のように宙ぶらりんの質感で辿ってゆく物語は、不思議と味わいがあって魅力的。
大阪弁を取り入れたという文章は、しばしば意外な表現も見られ面白いが、ときとして文法的に変な箇所もあると思った。
『夫婦善哉』は続編があるというのを知らなかったが、書いたまま未発表でしまってあったのを2007年に発見されたらしい。正編とともに面白かった。ギャンブル等でたちまち金をすってしまう夫に体罰を加える女房という、しかし殺伐としていない凸凹コンビを描いてユーモアがある。
良い作品集と思う。
Posted by ブクログ
昨年は織田作之助生誕100年の節目の年。「夫婦善哉」は多くの出版社から出ているけど、続編「続 夫婦善哉」が収録されているのは文庫ではこの岩波版だけだと思う。この続編、2007年に未発表の遺稿から発見されたもの。正編が出てから67年、織田作之助の没後60年を経て、柳吉と蝶子の物語を再び読むことができるわけ。
相変わらず柳吉はダメぼんぼんで、そのたびに蝶子は振り回されるのもお決まりなのだけど、それでもやはり年を重ねて少しづつ変化しふたりの歯車はうまく回り出す。舞台を別府に移しているものの、正編と同じく情緒溢れる描写が読んで心地いい。
昨年製作された森山未來と尾野真千子のドラマ版はこの続編も取り込んだもので、今後「夫婦善哉」という時には正・続あわせて扱われるんだろう。だから、「夫婦善哉」読んだことのない人も、かつて読んだ人も、どちらも楽しめる文庫になっている。
Posted by ブクログ
有名な表題作は、いかにも大阪的な小説で、軽快なテンポが小気味よい。柳吉はどうしようもない人物であるし、内容じたいも、起伏があるとはいえ、そこまでたいしたことが書かれているわけでもないであろう。しかし憎めないキャラクターであり、なんとも愛すべき空間が展開されている。とくに人物造形は秀逸で、むしろ、その生きかたに憧れすら抱いてしまう。ほかの収録作も同様で、いずれも大阪臭がぷんぷんするのだが、それがたまらなくよい。「俗臭」とか「木の都」とかはとくによかった。オダサクは有名なわりには太宰があまりにも凄すぎるせいでその陰に隠れてしまいがちであるが、本作を読めばなかなかどうして、埋もれさせておくにはあまりにも惜しい存在だ。昨年は生誕100年ということで、ドラマ化されるなど再評価の動きもあった。『夫婦善哉』の軽快なリズムはまさしく「夫婦漫才」そのもの。漫才がたびたびブームが起きてリヴァイヴァルするように、本作もいつまでも語り継がれる存在であってほしい。
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