織田作之助のレビュー一覧

  • 六白金星・可能性の文学 他十一篇

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    六百金星とアド・バルーンが面白かった!
    オダサク読んだことなかったけど文豪でこんなおもしろいのは最高!!
    人間の絶望より可能性を描く文学、活き活きとした昔の大阪の描写、大好きな作家になった!

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    2023年01月24日
  • わが町・青春の逆説

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    ネタバレ

    『わが町』
    家族愛と男の浪漫がある良い話で終わっててほっこりの宿酔がのこる。なんでこれ書こうと思ったんだろってニコニコしちゃった。『夫婦善哉』の別視点もあるのもめちゃくちゃサービスじゃんって喜んだ。君枝の青春に対する謙虚さ頑なさみたいなところに『姉妹』の伊都子に通ずるものを感じた。

    『青春の逆説』
    『雨』が元になってるのがわくわくした。学生時代よりも社会に出てからのが周りの環境のせいもあってか生活への刺激が多くて、これが豹一の青春てことなのかな。作之助自身のことをなぞってるようで、実際にはなかった夢みたいなのを豹一に詰め込んでるようで、いいなと思った。どんなときでも母のことを思い出されるのが

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    2022年12月16日
  • 六白金星・可能性の文学 他十一篇

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     1945(昭和20)年から翌1946(昭和21)年にかけての作品が収められている。1947(昭和22)年にまだ33歳にして早逝した作家なので、若いが「晩年」に当たる。
    『夫婦善哉』を中古の新潮文庫で遥か昔に読んだことがあるきりで、さして印象のない作家だったが、今回読んでみてとても良かった。読みやすい文章でしばしばユーモアをも交え、微妙で深みのある人間像を呈示する。特に「表彰」「六白金星」が非常に良かった。
     この世代の作家の文章は、先行する世代の文章とは何か根本的に異なって、実に読みやすい。太平洋戦争中から作品を発表した作家なのだが、私の目には「戦時以前」と「戦後」とのあいだに、日本文学の「

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    2022年12月16日
  • 六白金星・可能性の文学 他十一篇

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    ネタバレ

    作之助の作品全部大好き脳内お花畑ハッピー野郎です
    『アド・バルーン』がどちゃくそ好きで何回読んでも良〜〜〜!!!ってなります
    『髪』は「撲られたということをここで語ることでユーモアを生んでいる」って解説では言ってるけど、私はいつもユーモア以前に作之助のこと撲ったやつ地獄で待ってろよって思いながら読んでますユーモア無くてごめんなさいははは

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    2022年12月13日
  • 夫婦善哉 正続 他十二篇

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    佐藤氏の解説の「その文章に嘲笑はあったか。嫌悪はあるか。蔑みはあるのか。______ない。「市民」としての......」と続く云々の箇所でその通りだと思った。シリアスな話なのに思わずくすっと笑えたり、逆に笑いたくなるほど哀れでも真に迫ってるから一概に愚か者として扱えない登場人物に心寄せたくなったりする。
    作之助の作品は、「郷愁」と「青春」がぐるぐる廻って綿あめみたいに膨らんでいって作られていると思っている。

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    2022年12月13日
  • 夫婦善哉 正続 他十二篇

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    ○目次
    夫婦善哉/続 夫婦善哉/雪の夜/放浪/湯の町/雨/俗臭/子守唄/黒い顔/聴雨/勝負師/姉妹/木の都/蛍

    ○感想
    織田作之助の、自身が育った「大阪」の庶民を描いた「大阪」の小説と、読んでいて感じました。登場人物の多くは本当にどうしようもない人達が多いのですが、彼ら彼女らがその「大阪」人としての奥底の意地というか心性が、最後に気張った行動をとるのかなと感じました。
    なお、本書中に、自分自身が関西に住んでいたころに通ったことのある自由軒カレー等実在のお店も登場したりと、関西に住んでいる、または住んだことのある人には実感できることが多いかもしれません。

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    2019年11月20日
  • 夫婦善哉 正続 他十二篇

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    この歳になって、純文学にガッツリ嵌りました。
    ええ、某文豪ゲームのお蔭なのですが、こんなに読み倒して居るのは学生以来なんじゃないか…。
    昨秋ガラケーからスマホに替えて以来、青空文庫でどこでもこうした文学を読めるなんて、何て素晴らしい時代なのだろうとか噛みしめていたのですが、この『夫婦善哉』の続編は青空文庫に無かったんですね、残念。
    なので、コレクションも兼ねて久しぶりに紙の本を買いました。
    織田作『夫婦善哉』初読は十代の頃だったと思うのですが、只管蝶子さんが可哀想でならず、何が良いのかさっぱりわからなかったなと記憶していますが、この歳になって改めて読むと、しみじみと、染み入る様にくるものがあり

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    2018年01月16日
  • 六白金星・可能性の文学 他十一篇

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    大戦前後の短編と文学論。短編は感触がとても良く好感度高め文学論に関しても共感度高め。志賀直哉はいい書き手だと思うけど指摘していることは正しいように思う。当初文学に抱いていた違和感がうまく書かれていたように思う。ここからいろんな本を読むことができる。いい感じで小説読む気分にさせてくれるそんなテキスト群

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    2017年12月18日
  • わが町・青春の逆説

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    不器用ながら規律規範から逆行して生きようとした青年を描いた『青春の逆説』。ほのぼのとした下町の情景を巧みに描きつつ、そこに住まう人々の暖かい交流を描いた『わが町』。

    短編小説を得意とするオダサクには珍しい、中編~長編の小説だ。
    じっさい作者はこの2作品に心血を注いでいたようで、『青春の逆説』が当局から発禁処分をうけた後は道頓堀~心斎橋界隈を放浪していたとかw

    オダサクの作風の一番好きなところは、浪華節を利かした愉快な関西弁。その情緒深い、ユーモアあふれる会話文に、いったいどのくらいの東京人が魅せられたことだろう?関西弁がとってもステキ。
    あと、作者の故郷への愛にほのぼのする。道頓堀・二ツ井

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    2014年05月02日
  • 夫婦善哉

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     「夫婦善哉」は、発表当時東京文壇から批判されている。皇国史観もなければ左翼思想もない、と。その言葉の裏には、この戦時下に「あかんたれ」の男が「しっかりもん」の女に浮気して、いちやいちやと食べ歩いているような小説はけしからん、との軍部の意向が反映していた。
     しかし、好いた同士は形式はどうあれ一緒にいたい、うまいもんも食いたいし、うまいもんに格式も何もないやないか、とズバリ本音を言ってのける織田作に、戦時下の大阪人は拍手を送った。

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    2012年04月24日
  • 青春の逆説

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    オダサクがこんな青春小説を書いていたなんて、知ってました?

    これなら、なにも背伸びして『夫婦善哉』なんか読まなくてもよかったのにと思いました。

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    2011年10月27日
  • 青春の逆説

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     あの織田作之助の作品が、「夫婦善哉」以外で文庫で読めるなんて嬉しい限りです。

     角川書店の関係者の方々、もっとアピールして下さい!

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    2017年08月15日
  • 六白金星・可能性の文学 他十一篇

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    頭が悪く、近眼で、何をさせても鈍くさいが、ハエを獲るのが巧い子供の話であるが、まるで吉本のコントのように間抜けである。

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    2010年03月13日
  • 夫婦善哉

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     とにかく疲れた。

    しっかり者の芸者蝶子が、駆け落ち相手である若旦那柳吉のしょうもない所業を許すたびに、「そんなの許すかなぁ。」とイライラし、終いに「(柳吉、)この甲斐性なしのアホが!」と何度言ったかわかりません(笑)。

    この作品が世に送り出されてから半世紀以上経つけど、人間なんてそう進歩しないもんさと思ったほうが、楽に生きられるぞ。と、作者 織田 作之助が語っているような気もしましたが・・・・

    あーーー、全くもって受け入れられないねっ!

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    2010年02月14日
  • 夫婦善哉

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    オダサクの小説はとにかくおもしろい。独特のリズムは関西人のDNAによるものか。商家の「ぼんぼん」柳吉と芸者あがりの蝶子はんとの結婚生活の物語。昭和14年頃に書かれたこの小説,柳吉に貯金を使い果たされた蝶子はんがよよよと泣き崩れたり堪え忍んだりするかと思えば大間違い,馬乗りになってダンナの首をしめあげるというたくましさ。柳吉は「うまいもの」に目が無く,「うまいもん屋」へ芸者時代の蝶子はんをしばしば連れて行くのだが,今でも大阪にあるおでんや「たこ梅」が既に登場している。

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    2009年10月04日
  • 夫婦善哉

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    『私は目下上京中で、銀座裏の宿舎でこの原稿を書きはじめる数時間前は、銀座のルパンという酒場で太宰治、坂口安吾の二人と酒を飲んでいた――というより、太宰治はビールを飲み、坂口安吾はウイスキーを飲み、私は今夜この原稿のために徹夜のカンヅメになるので、珈琲を飲んでいた。話がたまたま某というハイカラな小説家のことに及び、彼は小説は女を口説くための道具にしているが、あいつはばかだよと坂口安吾が言うと、太宰治はわれわれの小説は女を口説く道具にしたくっても出来ないじゃないか、われわれのような小説を書いていると、女が気味悪がって、口説いてもシュッパイするのは当り前だよ、と津軽言葉で言った。私はことごとく同感で

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    2009年10月04日
  • 天衣無縫 アニメカバー版

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    思いのほかエンタメっぽく読みやすかった。オダサクの大阪に対する愛が登場人物に詰まっていて故郷への愛をものすごく感じた。各話しっかりオチがあって、余韻が良い。付け加える一言でこんなにも印象が変わるのか、と思うほどその一言が上手い。
    内容は暗いはずなのに何故こんなにもカラッとしているのかと思うのが"夫婦善哉"
    最後にあぁ貴方が俗、、と突きつけられるのが"俗臭"
    芯に触れて初めてわかる今までを覆すかっこよさのある"天衣無縫"
    まさに人生"放浪"
    "女の橋"から"大阪の女"までの流れ

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    2025年02月07日
  • 放浪・雪の夜―織田作之助傑作集―(新潮文庫)

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    ストーリーが濃縮された短編とでも言えばいいのか、一つひとつの作品に力があって、どんどん読ませてくれる。
    「夫婦善哉」でもそうだったが、この人はダメな男を描かせたらすごいと思う。
    ダメなのに憎めない、そういう男。
    女性一人称の短編もあったが、個人的には男性が主人公の短編が好み。
    どういうダメ男がいい男なのか、知りたい方はぜひ。

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    2025年01月06日
  • 放浪・雪の夜―織田作之助傑作集―(新潮文庫)

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    人間が生きている限り、理由や原因の無い憂愁の感情が有る。しかし織田作之助の生きていた当時、新作を発表する度にすざまじい悪評をされたという。

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    2024年06月15日
  • 夫婦善哉 正続 他十二篇

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     1938(昭和13)年から1946(昭和21)年、織田作之助前期の作品を収めた短編集。
     やはり面白い。多くの作品ではちょっと知能遅れのような主人公たちを、ウェットでもドライでもなく描き出し、さながら夢の中のように宙ぶらりんの質感で辿ってゆく物語は、不思議と味わいがあって魅力的。
     大阪弁を取り入れたという文章は、しばしば意外な表現も見られ面白いが、ときとして文法的に変な箇所もあると思った。
    『夫婦善哉』は続編があるというのを知らなかったが、書いたまま未発表でしまってあったのを2007年に発見されたらしい。正編とともに面白かった。ギャンブル等でたちまち金をすってしまう夫に体罰を加える女房とい

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    2023年04月05日