中原中也のレビュー一覧
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最近海外文学の比率高めで日本が恋しくなっていた。110円コーナー覗いてたら、そういえばこれ読んでなかったなと。
生きる、恋する、死ぬの3テーマに分けられた詩集。
有名なのは、
汚れつちまつた悲しみに…
これ昔日本語で遊ぼうでよく聞いていたな。当時はわからなかったけど、大人になってから読むとよく沁みてきた。
サーカス
かの有名な、ゆあーんゆよーんゆやゆよん。凡人には思いつかない言葉。
あとは、生い立ちの歌という詩が気になった。年代ごとに、私の上に降る雪は綿、霙、雹、吹雪、と変わっていってるのだけど、その年齢に何があったのか気になる。こんなにまじめに巻末の年表読んだの初めてかも笑
そし -
Posted by ブクログ
なんだかひどく参っている現在、詩も絵もじんわり染み渡る一冊だった。
弱く迷う心に寄り添う中原中也の詩と、アナログ画材を使用した厚みと暖かさのあるまくらくらま氏のイラストが、漢方薬のようにじんわり効いてくる感じ。
絵だけでもぼーっと見ていれるし、詩の味わいも深い。
挿し絵と違う情景を思い描くのも詩集本来の楽しみか。
しばらくすぐ読める手元に置いておこうと思う。
「いのちの声」は同じ「乙女の本棚」シリーズ『待つ』(太宰治・今井きら)を思い起こさせた。
あれもはっきりしないなにかを待つ主人公の話。
ここ最近参ってる自分も、よくわからないなにかを待っているのかもしれない。だから中原中也の詩と、太宰治 -
Posted by ブクログ
トタンがセンベイ食べて
春の日の夕暮は静かです
アンダースローされた灰が蒼ざめて
春の日の夕暮は静かです
吁!案山子はないかーあるまい
馬嘶くかー嘶きもしまい
ただただ月の光のヌメランとするままに
従順なのは 春の日の夕暮か
(「春の日の夕暮」より)
幾時代かがありまして
茶色い戦争ありました
幾時代かがありまして
冬は疾風吹きました
幾時代かがありまして
今夜此処での一とさかり
今夜此処での一とさかり
サーカス小屋は高い梁
そこに一つのブランコだ
見えるともないブランコだ
面倒さに手を垂れて
汚れ木綿の屋根のもと
ゆあーん ゆよーん ゆやゆよん
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Posted by ブクログ
中原中也の詩集ですね。
私の中也との出会いは、解説の川上未映子さんと同じく中学校の国語の教科書でした。トラウマのように、詩と言えば中也を彷彿します。
実際は中也の詩の深い意味を理解していたとは言えず。蝶のイメージが強烈に焼きついて私の心に住み着いただけようでした。
中也の詩集をあらためて読んで、中也の内包の格闘を解説の高橋順子さんと共にふれる事が出来たように思えます。
もちろん、宮沢賢治さんと同じようにすべてを思い至れる訳ではないので、中原中也さんの詩を吟じてみて感じたままに私流に想い受け止めてみました。
永遠の詩のシリーズは、作家の作品から選び抜いた作品集です。選択がとても好ましくとても気に