あらすじ
愛する者よ、無垢なる日々よ――。生と死のあわいを漂いながら、失われて二度とかえらぬものへの、あふれる惜別の想いを、ノスタルジックにうたい続けた、夭折の天才詩人、中也。哀切で甘美なことばが、胸をうつ調べとなって響きあい、はかない余韻が心に沁みる2冊の詩集『山羊の歌』『在りし日の歌』に、詩集として編まれなかった作品も併せた140篇の詩篇を収録。(解説・吉田凞生)
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春日狂想が好きです
家族を失って、辛くて辛くて、もう辛いなんて言葉では表現しきれないほどの悲しみのなか、それでも私たちは生きていかないといけない。失った家族の事を思い出したあと自然と頭に浮かぶようになった詩です。
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私が読んだものとは違うけれど一番内容が似ていたので登録させてもらった。やはり「サーカス」はいい。「ゆよーんゆやーんゆよゆやん」がとてもいい。空中ブランコの揺れている感じがとても良く伝わる。あと「臨終」の「この魂はいかにとなるか?うすらぎて空となるか?」を読んだときの感動がすごかった。そこまでこの詩は有名でない(あまり「サーカス」とかよりメジャーではない?)けれど、これを読んだとき泣きそうになった。頭の中に魂が煙草の煙の様に空に消えていく様子が浮かんできた。その他にも亡き子文也を歎く詩に感動した。たくさんあるけれどどれも子を亡くした親の気持ちがよく伝わってくると思う。「詩」というものは昔から意味がわからないから嫌いだった。でもこれらの詩を読んで、詩の素晴らしさに気づくことができた。私は、私なりに詩を解釈していける様にしたい。好きな作品「サーカス」「臨終」「骨」「汚れつちまつた悲しみに」
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かの有名な「汚れつちまつた悲しみに」も勿論だが、中原中也の真骨頂は夏の詩であると思う。
じりじり照らす太陽の下、じいじい蝉の声を聞きながら、ひんやりとした大樹の下にぽつり立ち尽くす、そんな孤独。冷たさ。
平易な文体故、その冷たさが余計に刺さる。
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詩というものは私にとって、どこか高尚で
きちんと捉えて理解するのは難しいけど、
中原中也だけは選ぶ言葉やリズム、心に思い浮かぶ情景が好きで、
たまに読みたくなってしまう。
孤独で儚いんだけど、そこはかとなくロックを感じます。
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僕は此の世の果てにゐた。陽は温暖に降り注ぎ、風は花々揺つてゐた。(ゆきてかへらぬ)
地球が二つに割れヽばいい、
そして片方は洋行すればいい、
すれば私はもう片方に腰掛けて
青空をばかり――(この小児)
人間の綺麗な部分も汚い部分も、哀しい部分も、全部を見せてくれる詩人だと思う。
子どもを亡くした悲しみも、恋人への愛も、中也は言の葉に乗せて表現するのだ。
彼の紡ぐ言葉はきっと、たくさんの人への抱擁なのだと。そんな気がするのは私だけではないのではないかと思われる、そんな作品集。
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大好きな大好きな中原中也の詩集。眠れぬ夜に音読する用です。
良質の詩には音読して気持ち良くなるようなリズムがあります。この詩集には全編に尖った言葉と音の揺らぎが詰まっています。
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童謡のように親しみ深い調子で描かれるメルヘンチックな退廃。
透明な悲しみでさえ汚れてしまうほどの無情を感じます。十代のうちには誰でも読むであろう本。
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――港の市の秋の日は、大人しい発狂。
私はその日人生に、椅子を失くした。
時代ってなんだろなぁと思う。
いつも、人の気持ちはこんなにも似かよって、混沌と。
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ゆきてかへりぬを読んでからだったので、長谷川泰子さんのこと歌ってるんだろうなと思われる詩がちらほらあって感動してしまった。萩原朔太郎の詩は、読んで(声に出して)魅力が分かると思ったけど、中原中也の詩は、目で追うだけで心情が伝わる気がした。「サーカス」「黄昏」「盲目の秋」「雪の宵」が特に気に入りました!
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NHKの子供番組で中原中也の「サーカス」の詩に曲をつけていたのを気になったのがキッカケで購入。詩集は金子みすゞしか読んだことがなく、中原中也の世界へ入って行くのが少し苦労しました。中也の経歴や人となりを頭に入れてから読み始めると多少スムーズになった気がします。
中也の詩のイメージは繊細さ、心の揺れ。ですが気に入った「湖上」という詩は優しい女性的な詩で驚きました。その他、「骨」や「一つのメルヘン」も印象的でした。
ずっと手元に置き、気が向いた時にまた読み返したいと思います。
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切なくて悲しかったのですかどこか力強さを感じました。
お気に入りはたくさんありますが特に『盲目の秋』と『春日狂想』が好きです。どの詩も思わず声に出してよみたくなってしまいました。
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良かった。とても良かった。
詩集をちゃんと読むのは、2冊目。一冊目が谷川俊太郎だったのでまず、比較してみると。。
谷川俊太郎の詩をことばでたとえると、芸術的なパズル、とか少年の冒険とか、そんな感じなんだけど、
中原中也の詩は、幼い頃への憧憬とか街はずれの叙情とか、そんな感じかな。
正直、最初は旧仮名遣いのせいもあってかなかなか入り込めなかったんだけど、だんだんとその調子とか息遣いが見えるような気がしてきました。世界の認識の仕方が
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独特の虚無感と倦怠感に満ちた中原中也の詩集。
中でも五音七音を主として構成される詩の韻律が心地いい。
そんな訳で今のところ心に染みたのは「サーカス」「汚れつちまつた悲しみに…」「骨」「頑是ない歌」「蜻蛉に寄す」「月夜の浜辺」の六編。
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語感が体に心地よい。気むずかしげに見えて洒落ている。ただ、詩というものはまとめて読むものではなく、好きなときに好きなだく読むものだ、と思わされた。
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J-POPの詩って、なぜかサビだけ英語が混ざってたりしますね。
あれにはとても照れてしまう僕です。
演歌にはありえないしだれが始めたのやら、、、とか思っていたのですが、この詩集を3年前くらいに読んでたらなんと!
中原中也先生がやってました。
これが最初かどうかは知りませんが、J-POPの英語混ざりの曲が流れてると、起源(?)は中原中也、と想像して、ほくそ笑んでます。
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自分のこと、身近にある風景、季節の移り変わり、世の中のことなどを、すごく繊細に感じ取って、嘆いたり、お道化たり、嘲笑したり…
いたるところに郷愁が漂っていて、その独特な言い回しに、共感してしまった。
悩み多き若者の詩なんだなぁと思う。
書いても書いても書ききれないというもどかしさを感じます。
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読んでる感じは確かにあるんだけど、確かに迫ってくるものはあるんだけど、実質的なものを伴わない、浮遊する感覚がが故に、それを得ようと繰り返し繰り返し読みかえす。なかなか読みすすまない(笑)とりあえず頭じゃなく感じることだけを頼りに読み終わる。で年譜、吉田ヒロオさんの解説を読むと「名辞以前」という中也の詩に脈々と流れる考え方が紹介されており納得。言葉という形をなす前の心象を描くことで心へ直線に語りかけてくるんだから言葉を追って理解しようとしても無理なはずである。
‥そのインパクトとしてある彼岸と此岸を往き来する浮遊感は時にモノクロであり時に色彩ゆたかな天然色だったりする。とても感覚的で、どの詩が良かったか言えるほど読み込めていないけれど、ずっとカバンに忍ばせて何時でも読めるようにしておきたいと思える本でした。
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浦野所有。
悲しく、暗い、中原中也の世界をぜひ。
<詩集『山羊の歌』より「汚れつちまつた悲しみに」>
汚れつちまつた悲しみに
今日も小雪の降りかかる
汚れつちまつた悲しみに
今日も風さへ吹きすぎる
(略)
汚れつちまつた悲しみは
なにのぞむなくねがふなく
汚れつちまつた悲しみは
倦怠(けだい)のうちに死を夢む
キーワードはノスタルジーなんでしょうか。それとも過去との決別なのか?
中也は何を詩に託したんだろう。
<詩集『在りし日の歌』より「初夏の夜」>
――色々のことがあつたんです。
色々のことをして来たものです。
嬉しいことも、あつたのですが、
回想されては、すべてがかなしい
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「春日狂想」と、顧問の先生が好きな「言葉なき歌」をゼミで発表した。でも全然ダメだった、詩を論じるのは本当に難しい。
中原中也の作品は、他には「港市の秋」とかも好き。ゼミのおかげで一時期詩にどっぷりハマった。詩の知識も多少なり身についたので、挑戦してよかった。
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詩
音を通して歌詞を通して体験することが多かったが、言葉のみで世界観を感じるのは新鮮だった。
詩を声に出して読む時に独特のリズム、語感を感じれたとは思う。情景がありありとは浮かばないが、中原中也の世界観(孤独、悲しみ)はひしひしと伝わってきた。
もう少し詩を勉強したい。
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トイレに常備して少しずつ読んでいます。じっくり読んだほうがいい作品。
個人的には中也の人となりになかなか共感出来ずにいます。それでも衝撃的な詩がちらほらありました。中原中也、もう少し読んでみます。
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ふとした時に口ずさむ、そんな詩の数々。
言葉と情景の生み出す物悲しい静謐さが好きです。
黙読するよりも声に出して読みたい、そんな詩が多いですね。
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平素詩など読んだことはないのですが、
・鎌倉熱に浮かされて
・いつだかのレビューに「思えば遠くへ来たもんだ」と書いて、
そういや中原中也のフレーズだよねとふと思った
という2点をきっかけに読みました。
元々不慣れなので、正直「詩を読む」という行為そのものが
ちょいとこっぱずかしかったです。
それでもやはり「汚れつちまつた悲しみに……」に代表される、
一度きいたら忘れられないフレーズが多くありました。
「思へば遠くへ…」の在りし日の歌は、もう少し時を経ないと
真骨頂が分からないかなーと。
今まで軽い気持ちでフレーズ拾ってすみませんでした。