中原中也のレビュー一覧
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人生何度目か。
購入したのは3回目。
呼んだのは数え切れない。
最初に手に取ったのは、両親の本棚から、こっそり拝借したのは、多分小学校高学年。
詩が好きだった母の本だったのか。
大人に憧れて、親の本をこっそりちょいちょい読んでいた。
最初に読んで、言葉のリズムに情景が浮かぶ事を楽しんだ。
何回も読んで、お小遣いから自分で最初に購入した詩集。
何回も自分のお気に入りのノートに書き写した。
5月から病んで活字離れし、病の回復で活字に植えて久しぶりにこの詩集の言葉を浴びた。
汚れちまった悲しみに…何となく今の私の気分にピタリとハマった。
活字を読める自分に、活字を読める生活に、自分が元気にこの世に戻ってきた感じがした。
やっぱり中原中也はいい。
どこがいいとかのうんちくではなく、自分の感覚で好き。
きっと近いうちにまた、何度もこの詩集を読むと思う。 -
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「生い立ちの歌」がイチバン好きです
Ⅰ
幼年時
私の上に降る雪は
真綿のようでありました
少年時
私の上に降る雪は
霙のようでありました
十七〜十九
私の上に降る雪は
霰のように散りました
二十〜二十二
私の上に降る雪は
雹であるかと思われた
二十三
私の上に降る雪は
ひどい吹雪とみえました
二十四
私の上に降る雪は
いとしめやかになりました
Ⅱ
私の上に降る雪は
花びらのように降ってきます
薪の燃える音もして
凍るみ空の黝む頃
私の上に降る雪は
いとなよびかになつかしく
手を差伸べて降りました
私の上に降る雪は
熱い額に落ちもくる
涙のようでありました
私の上に降る雪に
いとねんごろに感謝して、神様に
長生したいと祈りました
私の上に降る雪は
いと貞潔でありました
※パブリックドメイン(public domain) -
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ネタバレ人の性格が数種類に異なるように、文学のあり方も幾通りかあるだろう。例えば、活力に満ちた起伏のある物語もあれば、静的で浮き沈みのない、人生を冷静に観察する物語もある。夢想を語るものもあれば、美に耽るものもある。文学は、書き手の性格と発想のスタイルが作り出したものではないか。◆私が勝手に名づけている文学スタイルの一つに「自己言及」がある。自分の内面に沈潜し、闇に閉じこもり、やっと出てきた言葉を紡ぐ時、その言葉は、もはや闇を纏わず、光を発する言葉となって、聞く人を勇気づける。中原中也はその典型だ。例えばこの詩。「あゝ、おまへはなにをして来たのだと/吹き来る風が私に云ふ」(「帰郷」)。◆詩人は元来自己言及するものだと言えばそれまでだが、彼ほど自分そのものを憐み嘆き、揶揄し皮肉り、あるいは突き放す詩人もいない。「ホラホラ、これが僕の骨だ/ヌツクと出た、骨の尖(さき)。/見てゐるのは僕? 可笑しなことだ」(「骨」)。◆自己言及の文学は、自己を題材とするが故の過酷さがある。しかし中原は「詩人」だった。詩にはリズムがある。歌がある。中原は自らの悲痛をも軽やかに歌に乗せた。「馬車も通れば、電車も通る。まことに人生、花嫁御寮」(「春日狂想」)。三〇歳での死を目前に控えた詩にこれほどまでに諧謔の哀しみがある。これが「自己言及」の文学だ。◆ところで、現代の「自己言及」の文学は「スキマスイッチ」ではないか。「今、ぼくの中にある言葉のかけら/喉の奥 鋭く尖って突き刺さる」(「ボクノート」)(K)
紫雲国語塾通信〈紫のゆかり〉2011年3月号掲載 -
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中也全詩集を時間をかけて読んだ。今彼の詩を読んで所謂名作と言わてるものが物凄く際立っているように思えた。
好きだった作品をあげてみる。
山羊の歌より
・帰郷
・失せし希望
・汚れちまった悲しみに……
・生い立ちの歌
・時こそ今は…
在りし日の歌より
・冷たい夜
・湖上
・骨
・北の湖
・一つのメルヘン
・冬の長門峡
未発表詩篇より
・春の夕暮
・(概念が明日となれば)
・(秋の日を歩み疲れて)
・秋の日
・幼なかりし日
・夏の海
・夏
・湖上
・砂漠の渇き
・(吹く風を心の友と)
・(疲れやつれた美しい顔よ)
・コキューの憶ひ出
・細心
・酒場にて(定稿)
・脱毛の秋
・いちぢくの葉
・朝
・山上のひととき
以上29篇、高名な「山羊の歌」「在りし日の歌」以外にも抒情性豊かな詩篇があり、僕がこの本を手にした理由だ。
また、巻末にこれも高名な大岡昇平と小林秀雄の評伝が掲載されており、素晴らしい。 -
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乙女の本棚シリーズから、中原中也さんとまくらくらまさんのコラボ作品「詩集『山羊の歌』より」です。この作品のイラストがスゴイんです!!画集としても楽しめるとうたっている、乙女の本棚シリーズの中でピカイチです。飾っておきたくなります。
「汚れつちまつた悲しみに
今日も小雪の降りかかる」
あまりにも有名なフレーズ…中原中也さんの詩だったんですね!!この詩って、中原中也さんの失恋に基づく詩らしいです。
「ゆあーん ゆよーん ゆやゆよん」
こちらは、「サーカス」という詩で…なんか、頭から離れなくなりますよね。サーカスの空中ブランコの描写らしいです。
この独特な世界、そしてホント美術館に展示されていていてもおかしくないくらいステキなイラスト…いいですね!この世界観、ホント手元においておきたくなってしまいます。乙女の本棚シリーズの詩集は、この作品が一番いいなって、私的には感じました。 -
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『汚れつちまつた悲しみに……』を初めて聞いたのは、小学生の頃。教育テレビでやっていた、"にほんごであそぼ"という番組でした。その時に、妙に耳に残る語感のよさが印象的で、もういちど、きちんと文字として読んでみたくなり、高校生になってこの本を手にしました。
表題作の『汚れつちまつた――』は、冒頭も印象的ですが、私は後半、三連目の
「汚れつちまつた悲しみは
なにのぞむくねがふなく
汚れつちまつた悲しみは
倦怠のうちに死を夢む」
の部分が好きです。
他にも、『別離』『いのちの声』など、すてきな作品がたくさん載っています。
難しい言い回しはあまり使われておらず、詩をあまり読んだことのない方にもおすすめです。