鎌谷悠希のレビュー一覧
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半身仏となった想。
その身に半身の『明星菩薩』を来迎させ闘いを一段落させることが出来たが、その反動で一ヶ月も眠りについてしまう。
その間に、想を身寄りとして置き『想運』という名をくれた運慶仏師は、頼朝の命により鎌倉へ。想は南都に残った運慶の子供達と共に仏師としての仕事をすることとなった。
運慶が長子、湛慶と共に阿吽仁王像を彫ることとなったが・・・。
長子としての責務と才能に悩む湛慶と、身一つで何もないが仏師としての力と才能に底が見えない想。
二つの才能がぶつかり合った先に降りる一光は、どんな明日をもたらすのか。
仏敵として登場する平家の落人、教経のすっとぼけた軽さが好きです。
けれど、内に秘 -
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平泉の地で地神ミズチと源頼朝率いる兵士や神仏に使える僧侶、神官が闘う最中、主人公の想は、彫った仏像に明星菩薩を召喚する。
しかし、首を落とされながらも地神の放つ圧倒的な力の前に明星菩薩は半身を喰われ、想自身もその身を喰われてしまう。
命が消えようとしている最中、想は「まだ死ねない」という思いからか、半身となった仏像と自身の半身を合わせ、一人の身体の中に「想」と「明星菩薩」、二つの魂を持つ半分仏(はんぶんぼとけ)としてその命を長らえることとなった。
仏師という職業の方は物凄い審美眼をお持ちと伺ったことがあります。
この漫画に登場する仏師達も相当な力と技術を持っていて、心身を注いだ仏像に神仏を『 -
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完結巻。綺麗で穢れない……ように描かれ続けるユタカにも、消化しなければならない難題が降り掛かってくる。今巻の表紙で描かれている林檎は、彼の心理世界が育てた、彼の木が実らせたもので、作中でも度々描写され、町屋さんがそれを手にする場面も描かれる。だけれど林檎が象徴するものは「神の知恵」であり「人の罪」でもある。そう深読みしてみると、なかなかに、興味深い。時が実らせたものは、それを受け止めた者へ様々な影響をもたらすのだと。
それぞれの登場人物をねじ曲げることなく、それぞれの流れに添って(それは多少は読者に心地よい形で)、一つの物語を奏でていく。とても漫画らしい、けれど他の漫画にはなかなか無い画面構