笹沢左保のレビュー一覧

  • アリバイ奪取 笹沢左保ミステリ短篇選

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    笹沢左保氏の初期短編の傑作集。古い話なので風俗が違いすぎ、若い世代の読者などほとんど時代劇やファンタジーの世界かも知れない。プロットやオチの付け方などに既視感を感じることが多いが、いやそれは違う。こっちがオリジナルなのだ。

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    2023年05月16日
  • 有栖川有栖選 必読! Selection10 アリバイの唄 夜明日出夫の事件簿

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    ● 感想
     テレビドラマ「タクシードライバーの推理日記」の原作であり、シリーズ探偵である夜明日出夫が登場した作品
     夜明の幼馴染である令嬢、大町千紗が、高月静香という女性の殺人の容疑者として疑われる。夜明は、元刑事として、現役の刑事で古くからの友人である丸目平八郎と協力して捜査を行う。
     ポイントはアリバイ崩し。大町にはアリバイがあったが、そのアリバイのポイントは、逗子の別荘で、午前4時にいたことが、電話により証明されているというもの。いったんは、このアリバイが崩せないと考え、大町は容疑からはずれるが、続いて高月の愛人である夏木潤平という県議会議員が死亡する。自殺か、事故か、あるいは他殺か。夏

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    2023年04月30日
  • 有栖川有栖選 必読! Selection9 後ろ姿の聖像 もしもお前が振り向いたら

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    ネタバレ

    どこか懐かしい感じがする物語に一気読みでした。
    アリバイ崩しがメインかと思いきや、全く違う展開で、最後に明かされた過去には驚きました。

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    2023年03月31日
  • 有栖川有栖選 必読! Selection1 招かれざる客

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    最初に『結婚って何さ』を読んだのですが、面白かったのでSelection1から順に読んでいこう
    と思い購入しました。
    前半で事件の概要などを列挙した後に、後半でその謎に迫っていくという構成は面白かったです。

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    2023年03月31日
  • どんでん返し

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    全編2人の会話だけで構成された短編集。
    ・影の訪問者
    ・酒乱
    ・霧
    ・父子の対話
    ・演技者
    ・皮肉紳士
    の6篇。

    2人の会話の行く末は?
    どの作品も、意外な展開にあっと驚きます。
    タイトルとカバーデザインは、要検討でしょうか?

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    2023年03月21日
  • 有栖川有栖選 必読!Selection8 結婚って何さ

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    たしかにタイトルからは予想もできないミステリでした。逃走サスペンスとしても面白かったです。

    時代を感じさせる部分はたしかにありましたが、わたしはそれを古さというよりはTVドラマを観ているような懐かしさを感じました。

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    2023年01月08日
  • 有栖川有栖選 必読!Selection8 結婚って何さ

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    ネタバレ

     「ちょっとしたきっかけ」で会社を辞め、やけ酒を飲んでいた遠井真弓と疋田三枝子という二人の女性会社員が事件に巻き込まれる。
     バーで出会った男と一緒に高級ホテルに泊まるが、朝になるとその男が死んでいた。二人は逃走するが、この殺人は密室で行われていた。二人が犯人でないとすれば、密室内でどのように殺人が行われたのか。
     密室のトリックは、死体のすり替えだった。二人の女性と一緒にホテルに行った男が実は犯人であり、別の場所で殺害した死体を二人が風呂に入っている間に持ち込んでいた。
     物語全体のプロットは交換殺人。伴早苗は夫の伴幸太郎を、矢ノ倉文彦は妻の矢ノ倉涼子を、それぞれ殺害しようと考えていた。この

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    2022年12月18日
  • 有栖川有栖選 必読! Selection3突然の明日

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    ネタバレ

    ● メモ
     白昼の銀座の交差点で女性が消失するというトリックで有名なミステリ。食品衛生監視員がマンションの屋上から転落死するが、同じ建物で調査中の人物が毒殺。転落死をした人物が殺害容疑を受ける。
     家族から殺人犯が出るということから、家族が不幸に襲われる。その中で父と娘が捜査をするというあらすじ。
     「突然の明日」 というタイトルが意味するのは、突然訪れた不幸という意味。
     まず、白昼の銀座の交差点で女性が消失するというトリックの真相。これは、単に横断歩道を渡って交番に入ったというもの。数十秒、大脳皮質でそれを知覚していなかった。知覚を妨げたきっかけはアンモニアのにおい。仕事で見たアンモニアの

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    2022年12月17日
  • 有栖川有栖選 必読! Selection7 暗い傾斜7

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    ● 感想
     有栖川有栖は、本作のアリバイトリックを絶賛しているが、そこまで見事なトリックとは思わなかった。心中と見せかけて、室戸岬にいたと見せかけるトリックは、斬新といえば斬新なのだが、それだけ。このトリックに信憑性を持たせるために、長々と物語が語られるが、やや冗長に感じる。
     「作中で描かれるアリバイトリックの意外性は、膨大な数の笹沢ミステリの中でも一、二を争うだろう。」とあるが、そこまで意外性があるかなー。ミスディレクションもないし、これ以外の真相が考えられない。ほかに類を見ないトリックかもしれないが、作品を読んで驚かされるというものではない。
     心中と聞いて浮かべる典型的なイメージを裏切

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    2022年12月11日
  • 有栖川有栖選 必読!Selection8 結婚って何さ

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    ネタバレ

    女子二人が酔っ払って男性と知り合って三人でホテルというか旅館というかに泊まって泥酔しつつ寝て起きたら男性が殺されていた、と。現場はあからさまな密室。このままでは犯人にされてしまうので逃走。
    オーソドックスな感じではありますが、1960年の作品なんですね。文体がいかにもそれっぽい感じ。これまでに何度もドラマ化もされてるんだそうで、とても人気があったんだろうなとは思いました。けどさすがに今読むとちょっと・・・まさかそのまんま交換殺人が真相とは逆に思わなかった。当時は画期的だったのだろうか?
    そして今回新装版のようで。あらすじもアウトロー女子二人が・・・とか書いてあって表紙もいかにもそれっぽいですが

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    2022年12月09日
  • 有栖川有栖選 必読! Selection3突然の明日

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    銀座四丁目の交差点で、突然人が消えた。奇妙な言葉を発した翌日、小山田晴光はマンションビルから転落死し、同ビルで殺人事件が発生していた。家族の無実を信じる父と妹がそれぞれの方法で謎の解明に乗り出す。
    メインはアリバイ崩しで、やや古さは感じるものの全く無駄のないテンポよい展開と潔いラストを堪能しました。
    スマホの時代では成り立たない話ですが、ちょっとした古典作品として、十分に楽しみました。
    少しずつですが、このトクマの特選シリーズの笹沢左保作品をこれからも追っていこうと思っています。

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    2022年11月14日
  • 有栖川有栖選 必読! Selection6 求婚の密室

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    メインの密室トリックはなるほどという感じ。
    ただ、ページ数の割には登場人物が多いにも関わらず、個々の描き込みが甘いため、犯人を当てるのは容易。
    もう少し登場人物を少なくし、そのぶん、それぞれに見せ場のシーンを与えてあげれば、犯人当ての難度があがったのではないか。

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    2022年10月29日
  • 有栖川有栖選 必読! Selection1 招かれざる客

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    ● 感想
     有栖川有栖の「必読!Selecrtion」として選出されている笹沢左保のミステリのシリーズ第1弾。笹沢左保のデビュー作でもある。
     そのテイストは、本格ミステリっぽくはなく、社会派ミステリ的な雰囲気。その社会派ミステリっぽい体裁の中に、本格ミステリ要素が入っている。
     いくつかのプロットが入り組んでいるが、根っこにあるのは意外な動機。第1の被害者の鶴飼の恋人で、被害者側の人物だと思われた細川マミ子は、「子ども」に強い執着を持っており、堕胎させられたことから、鶴飼に殺意を抱いていた。「おなかの子の父親である鶴飼を殺害するわけがない」という動機のなさと、妊娠をしているのであれば、急な勾

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    2022年09月25日
  • 有栖川有栖選 必読! Selection6 求婚の密室

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    ● 感想
     筆者、笹沢左保が編み出した新たな密室トリックは、真犯人である幼児を被害者夫婦が、およそ一人では脱出できない高さの天窓から脱出させたというもの。このシチュエーションでしかなりたたないので、新たなトリックというほどでもない。しかも物理トリック。これを面白いと感じるか、つまらないと感じるか。面白いと感じる人が「本格ミステリ」好きなのだろう。個人的には、このような「推理クイズ」的な密室トリックはあまり好きではない。まさか、幼児が実行犯?という意外性はあるが、これは別の古典ミステリで、ミステリ初期体験の頃に味わっているので、衝撃がそれほどでもない。
     実行犯である子どもとそれを裏で操る大人…

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    2022年09月03日
  • 有栖川有栖選 必読! Selection2 空白の起点

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    笹沢作品2作目。
    運行する列車の中から、崖からの人の転落が、その被害者の娘により目撃される。偶然居合わせた保険調査員新田は、不審に思い真相を探る。
    寡黙な新田と被害者の娘で神秘的な鮎子は、物語全体に暗い影を散りばめる。ラスト、ストイックとも言える展開と大胆なトリック。衝撃でした。

    個人的には、トクマの特選第1作の「招かれざる客」の方が本格ミステリ要素てんこ盛りで好みですが、トリックの大胆さ・シンプルさはこちらが上。

    日本ミステリは、この時代からすでに奥深い。

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    2022年05月07日
  • 有栖川有栖選 必読! Selection2 空白の起点

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    ネタバレ

    著者笹沢左保
    探偵役 新田純一 保険調査員
    犯人小梶鮎子OL
    被害者・トリック・動機
    被害者 小梶美智雄
     プロバビリティの犯罪。崖の木柵が腐食していたことを知らず,犯人が載っている列車の合図を見定めようとして転落死。殺害された動機は,娘として育てた犯人と血がつながっておらず,血のつながった娘が家を出たことをきっかけとして,関係を迫ったから。これまで父として育てられた人を男として見ることができないということで,保険金を掛け,殺害
    被害者 国分久平
     飛び降り自殺に偽装。被害者に代わって泳ぎの得意な犯人が崖から飛び降り,その場面を目撃させた。動機は,この男が犯人の実の父だったことから,口封じのた

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    2021年12月26日
  • 有栖川有栖選 必読! Selection2 空白の起点

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    使い古しのトリックを意外な組み合わせで再生させる式のことはよく聞くが、60年も前にこういうとんでもない組み合わせがとっくになされてたのね。トリックはともかく動機に意外感はなく、むしろそれを取り巻く人間関係に作者の手心を感じる。世の中が良い方に向かわなかった証拠のようで、やな話だが。裏表紙の惹句に言う、紋次郎を思わせる、クールでニヒルだが、ニヒルになりきれない主人公と如何にも薄幸なヒロインの組み合わせがロマンと言われるのだろうけど、確かにうまい。

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    2021年12月19日
  • 有栖川有栖選 必読! Selection2 空白の起点

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    通過する急行列車の窓から父親の転落死を目撃した
    小梶鮎子。被害者に多額の保険金が掛けられていた
    ことから、保険調査員・新田純一は、詐取目的の殺
    人を疑う。鉄壁のアリバイ崩しに挑む彼をあざ笑う
    ように第二の死が……。

    こんなトリックを考えつくとは、と思ったが、先駆者はちゃんといらっしゃるのですね。
    映画化、ドラマ化作品では描かれていないようです。

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    2021年12月18日
  • 有栖川有栖選 必読! Selection1 招かれざる客

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    裏切り者を消せ! ――組合を崩壊に追い込んだスパ
    イとさらにその恋人に誤認された女性が相次いで
    殺され、事件は容疑者の事故死で幕を閉じる。納
    得の行かない結末に、倉田警部補は単独捜査に乗
    り出すが……。アリバイ崩し、密室、暗号とミス
    テリの醍醐味をぎっしり詰め込んだ、著者渾身の
    デビュー作。

    ここまでトリッキーな作品だったとは。続刊も楽しみ。

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    2021年11月07日
  • どんでん返し

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    全て会話だけでストーリーが進む。昔の本なのでカセットテープとかが出てくるけど、発想は面白い。木枯し紋次郎の人だとは知らなかった。

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    2021年09月13日