笹沢左保のレビュー一覧
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ネタバレ● 感想
テレビドラマ「タクシードライバーの推理日記」の原作であり、シリーズ探偵である夜明日出夫が登場した作品
夜明の幼馴染である令嬢、大町千紗が、高月静香という女性の殺人の容疑者として疑われる。夜明は、元刑事として、現役の刑事で古くからの友人である丸目平八郎と協力して捜査を行う。
ポイントはアリバイ崩し。大町にはアリバイがあったが、そのアリバイのポイントは、逗子の別荘で、午前4時にいたことが、電話により証明されているというもの。いったんは、このアリバイが崩せないと考え、大町は容疑からはずれるが、続いて高月の愛人である夏木潤平という県議会議員が死亡する。自殺か、事故か、あるいは他殺か。夏 -
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ネタバレ「ちょっとしたきっかけ」で会社を辞め、やけ酒を飲んでいた遠井真弓と疋田三枝子という二人の女性会社員が事件に巻き込まれる。
バーで出会った男と一緒に高級ホテルに泊まるが、朝になるとその男が死んでいた。二人は逃走するが、この殺人は密室で行われていた。二人が犯人でないとすれば、密室内でどのように殺人が行われたのか。
密室のトリックは、死体のすり替えだった。二人の女性と一緒にホテルに行った男が実は犯人であり、別の場所で殺害した死体を二人が風呂に入っている間に持ち込んでいた。
物語全体のプロットは交換殺人。伴早苗は夫の伴幸太郎を、矢ノ倉文彦は妻の矢ノ倉涼子を、それぞれ殺害しようと考えていた。この -
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ネタバレ● メモ
白昼の銀座の交差点で女性が消失するというトリックで有名なミステリ。食品衛生監視員がマンションの屋上から転落死するが、同じ建物で調査中の人物が毒殺。転落死をした人物が殺害容疑を受ける。
家族から殺人犯が出るということから、家族が不幸に襲われる。その中で父と娘が捜査をするというあらすじ。
「突然の明日」 というタイトルが意味するのは、突然訪れた不幸という意味。
まず、白昼の銀座の交差点で女性が消失するというトリックの真相。これは、単に横断歩道を渡って交番に入ったというもの。数十秒、大脳皮質でそれを知覚していなかった。知覚を妨げたきっかけはアンモニアのにおい。仕事で見たアンモニアの -
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ネタバレ● 感想
有栖川有栖は、本作のアリバイトリックを絶賛しているが、そこまで見事なトリックとは思わなかった。心中と見せかけて、室戸岬にいたと見せかけるトリックは、斬新といえば斬新なのだが、それだけ。このトリックに信憑性を持たせるために、長々と物語が語られるが、やや冗長に感じる。
「作中で描かれるアリバイトリックの意外性は、膨大な数の笹沢ミステリの中でも一、二を争うだろう。」とあるが、そこまで意外性があるかなー。ミスディレクションもないし、これ以外の真相が考えられない。ほかに類を見ないトリックかもしれないが、作品を読んで驚かされるというものではない。
心中と聞いて浮かべる典型的なイメージを裏切 -
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ネタバレ女子二人が酔っ払って男性と知り合って三人でホテルというか旅館というかに泊まって泥酔しつつ寝て起きたら男性が殺されていた、と。現場はあからさまな密室。このままでは犯人にされてしまうので逃走。
オーソドックスな感じではありますが、1960年の作品なんですね。文体がいかにもそれっぽい感じ。これまでに何度もドラマ化もされてるんだそうで、とても人気があったんだろうなとは思いました。けどさすがに今読むとちょっと・・・まさかそのまんま交換殺人が真相とは逆に思わなかった。当時は画期的だったのだろうか?
そして今回新装版のようで。あらすじもアウトロー女子二人が・・・とか書いてあって表紙もいかにもそれっぽいですが -
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ネタバレ● 感想
有栖川有栖の「必読!Selecrtion」として選出されている笹沢左保のミステリのシリーズ第1弾。笹沢左保のデビュー作でもある。
そのテイストは、本格ミステリっぽくはなく、社会派ミステリ的な雰囲気。その社会派ミステリっぽい体裁の中に、本格ミステリ要素が入っている。
いくつかのプロットが入り組んでいるが、根っこにあるのは意外な動機。第1の被害者の鶴飼の恋人で、被害者側の人物だと思われた細川マミ子は、「子ども」に強い執着を持っており、堕胎させられたことから、鶴飼に殺意を抱いていた。「おなかの子の父親である鶴飼を殺害するわけがない」という動機のなさと、妊娠をしているのであれば、急な勾 -
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ネタバレ● 感想
筆者、笹沢左保が編み出した新たな密室トリックは、真犯人である幼児を被害者夫婦が、およそ一人では脱出できない高さの天窓から脱出させたというもの。このシチュエーションでしかなりたたないので、新たなトリックというほどでもない。しかも物理トリック。これを面白いと感じるか、つまらないと感じるか。面白いと感じる人が「本格ミステリ」好きなのだろう。個人的には、このような「推理クイズ」的な密室トリックはあまり好きではない。まさか、幼児が実行犯?という意外性はあるが、これは別の古典ミステリで、ミステリ初期体験の頃に味わっているので、衝撃がそれほどでもない。
実行犯である子どもとそれを裏で操る大人… -
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ネタバレ著者笹沢左保
探偵役 新田純一 保険調査員
犯人小梶鮎子OL
被害者・トリック・動機
被害者 小梶美智雄
プロバビリティの犯罪。崖の木柵が腐食していたことを知らず,犯人が載っている列車の合図を見定めようとして転落死。殺害された動機は,娘として育てた犯人と血がつながっておらず,血のつながった娘が家を出たことをきっかけとして,関係を迫ったから。これまで父として育てられた人を男として見ることができないということで,保険金を掛け,殺害
被害者 国分久平
飛び降り自殺に偽装。被害者に代わって泳ぎの得意な犯人が崖から飛び降り,その場面を目撃させた。動機は,この男が犯人の実の父だったことから,口封じのた