あらすじ
笹沢ミステリ史上、一二を争う大トリックに慄け!
空前絶後の〝不在証明〟
通過する急行列車の窓から父親の転落死を目撃した小梶鮎子。
被害者に多額の保険金が掛けられていたことから、保険調査員・新田純一は、詐取目的の殺人を疑う。
鉄壁のアリバイ崩しに挑む彼をあざ笑うように第二の死が……。
ヒット作・木枯し紋次郎を彷彿させるダークな主人公のキャラクター造形と、
大胆極まりない空前絶後のトリック。
笹沢ミステリの真髄。
〈目次〉
Introduction 有栖川有栖
空白の起点
Closing 有栖川有栖
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
崖の上から転落死した小梶には大金の生命保険が掛けられていた。受取人の娘の鮎子は崖の下の列車に乗っておりアリバイは確実。保険金殺人の疑いで保険会社の調査員の時田が調査に乗り出す。
2時間のサスペンスドラマを見ているようなスリリングさ。上手いこと伏線の意図が繋がっていくのはフムフムと。小梶と鮎子の関係が父娘ではなく泥ついた関係だったのは驚き。
Posted by ブクログ
SELECT2
笹沢ミステリ史上、一二を争う大トリックに慄け!
空前絶後の〝不在証明〟
通過する急行列車の窓から父親の転落死を目撃した
小梶鮎子。被害者に多額の保険金が掛けられていた
ことから、保険調査員・新田純一は、詐取目的の殺
人を疑う。鉄壁のアリバイ崩しに挑む彼をあざ笑う
ように第二の死が……。ヒット作・木枯し紋次郎を
彷彿させるダークな主人公のキャラクター造形と、
大胆極まりない空前絶後のトリック。笹沢ミステリ
の真髄。
Posted by ブクログ
明らかに犯行不可な状況だけど絶対に怪しい容疑者の謎を解き明かす話かと思いきや、犯行の動機というか、そこに至ってしまうまでのあまりの無情さに、それはしょうがないよ…と同情せずにはいられなかった。ただ被害者の醜さがあるからこそ、トリックやアリバイの伏線回収を含めたストーリー展開がすっきりと美しいことが際立って、読後は割と爽快感があったようにも感じた。登場人物たちにフォーカスを当てると悲劇の物語ではあるけれど、でも面白かった。
Posted by ブクログ
走行中の電車から、崖から落ちる人物を目撃。
探偵役の新田が言うところの、四つの条件が交錯した、まさしく〈世にも奇なる犯罪の風景〉。
ほぼ倒叙と言っても良い作品だが、とにかくトリックが大胆。いわゆるプロバビリティの犯罪ということになるが、柵がどれほど脆いのかによっては不可能ではないだろう。
序盤で明かされる、「小梶さんが気にしていたこと」が三点全て事件に関係しているところや、水泳が上手い、赤と白のハンカチといった伏線も面白い。
初めての笹沢作品だったが、哀愁漂う雰囲気も好きだな。
Posted by ブクログ
笹沢さんの長編作品を読むのは二作目
主人公のニヒルな感じも、女性への主観など
時代を感じる。
あえて今読めない部分ではあるためよさもあるのだけど、結構偏見が強めで少々引いた。
事件には鉄壁のアリバイがあり、動機と犯行方法を解いていくテーマと犯行方法に繋がりがあり
そこは良いが、こちらの方が古いのだろうけどなんかこの手の話しはどこかで読んだ気持ちになる。
Posted by ブクログ
笹沢作品2作目。
運行する列車の中から、崖からの人の転落が、その被害者の娘により目撃される。偶然居合わせた保険調査員新田は、不審に思い真相を探る。
寡黙な新田と被害者の娘で神秘的な鮎子は、物語全体に暗い影を散りばめる。ラスト、ストイックとも言える展開と大胆なトリック。衝撃でした。
個人的には、トクマの特選第1作の「招かれざる客」の方が本格ミステリ要素てんこ盛りで好みですが、トリックの大胆さ・シンプルさはこちらが上。
日本ミステリは、この時代からすでに奥深い。
Posted by ブクログ
著者笹沢左保
探偵役 新田純一 保険調査員
犯人小梶鮎子OL
被害者・トリック・動機
被害者 小梶美智雄
プロバビリティの犯罪。崖の木柵が腐食していたことを知らず,犯人が載っている列車の合図を見定めようとして転落死。殺害された動機は,娘として育てた犯人と血がつながっておらず,血のつながった娘が家を出たことをきっかけとして,関係を迫ったから。これまで父として育てられた人を男として見ることができないということで,保険金を掛け,殺害
被害者 国分久平
飛び降り自殺に偽装。被害者に代わって泳ぎの得意な犯人が崖から飛び降り,その場面を目撃させた。動機は,この男が犯人の実の父だったことから,口封じのために殺害
紹介文
通過する急行列車の窓から父親の転落死を目撃した小梶鮎子。被害者に多額の保険金が掛けられていたことから,保険調査員新田純一は,詐取目的の殺人を疑う。鉄壁のアリバイ崩しに挑む彼をあざ笑うように,第二の死が。ヒット作・木枯らし紋次郎を彷彿させるダークな主人公のキャラクター造形と,大胆極まりない空前絶後のトリック。笹沢ミステリの真髄
メモ
走る列車の中で,被害者が崖から飛び降りるのを目撃した人物が犯人。目撃者=犯人という構成のミステリ。この点ではかなりトリッキー。2人目の殺人のトリックは,被害者に成りすまして崖から飛び降り,その場面を目撃させることで他殺ではなく,自殺と誤認させるというトリック。これは,ややバカミスチックではある。
1961年の作品。しかし,そこまで古さを感じさせない。「有栖川有栖選 必読!Selection」で読み,かなり期待して読んでしまい,期待が高すぎたので,期待に応えるほどではなかった。とはいえ,このような形で知らないと読んでいなかったわけだから,仕方がないともいえる。
小説全体の雰囲気は悪くない。犯人が水泳が得意だとか,最初の被害者が課長の地位に執着していたとか,伏線はさりげなくちりばめられており,ミステリとしてのデキも悪くない。期待が高すぎたという印象
得点としては★3。60点
Posted by ブクログ
使い古しのトリックを意外な組み合わせで再生させる式のことはよく聞くが、60年も前にこういうとんでもない組み合わせがとっくになされてたのね。トリックはともかく動機に意外感はなく、むしろそれを取り巻く人間関係に作者の手心を感じる。世の中が良い方に向かわなかった証拠のようで、やな話だが。裏表紙の惹句に言う、紋次郎を思わせる、クールでニヒルだが、ニヒルになりきれない主人公と如何にも薄幸なヒロインの組み合わせがロマンと言われるのだろうけど、確かにうまい。