【感想・ネタバレ】有栖川有栖選 必読! Selection2 空白の起点のレビュー

あらすじ

笹沢ミステリ史上、一二を争う大トリックに慄け!
空前絶後の〝不在証明〟

通過する急行列車の窓から父親の転落死を目撃した小梶鮎子。
被害者に多額の保険金が掛けられていたことから、保険調査員・新田純一は、詐取目的の殺人を疑う。
鉄壁のアリバイ崩しに挑む彼をあざ笑うように第二の死が……。
ヒット作・木枯し紋次郎を彷彿させるダークな主人公のキャラクター造形と、
大胆極まりない空前絶後のトリック。
笹沢ミステリの真髄。

〈目次〉

Introduction 有栖川有栖

空白の起点

Closing 有栖川有栖

...続きを読む
\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

このページにはネタバレを含むレビューが表示されています

Posted by ブクログ

ネタバレ

走行中の電車から、崖から落ちる人物を目撃。
探偵役の新田が言うところの、四つの条件が交錯した、まさしく〈世にも奇なる犯罪の風景〉。

ほぼ倒叙と言っても良い作品だが、とにかくトリックが大胆。いわゆるプロバビリティの犯罪ということになるが、柵がどれほど脆いのかによっては不可能ではないだろう。
序盤で明かされる、「小梶さんが気にしていたこと」が三点全て事件に関係しているところや、水泳が上手い、赤と白のハンカチといった伏線も面白い。
初めての笹沢作品だったが、哀愁漂う雰囲気も好きだな。

0
2022年05月22日

Posted by ブクログ

ネタバレ

著者笹沢左保
探偵役 新田純一 保険調査員
犯人小梶鮎子OL
被害者・トリック・動機
被害者 小梶美智雄
 プロバビリティの犯罪。崖の木柵が腐食していたことを知らず,犯人が載っている列車の合図を見定めようとして転落死。殺害された動機は,娘として育てた犯人と血がつながっておらず,血のつながった娘が家を出たことをきっかけとして,関係を迫ったから。これまで父として育てられた人を男として見ることができないということで,保険金を掛け,殺害
被害者 国分久平
 飛び降り自殺に偽装。被害者に代わって泳ぎの得意な犯人が崖から飛び降り,その場面を目撃させた。動機は,この男が犯人の実の父だったことから,口封じのために殺害
紹介文
 通過する急行列車の窓から父親の転落死を目撃した小梶鮎子。被害者に多額の保険金が掛けられていたことから,保険調査員新田純一は,詐取目的の殺人を疑う。鉄壁のアリバイ崩しに挑む彼をあざ笑うように,第二の死が。ヒット作・木枯らし紋次郎を彷彿させるダークな主人公のキャラクター造形と,大胆極まりない空前絶後のトリック。笹沢ミステリの真髄
メモ
 走る列車の中で,被害者が崖から飛び降りるのを目撃した人物が犯人。目撃者=犯人という構成のミステリ。この点ではかなりトリッキー。2人目の殺人のトリックは,被害者に成りすまして崖から飛び降り,その場面を目撃させることで他殺ではなく,自殺と誤認させるというトリック。これは,ややバカミスチックではある。
 1961年の作品。しかし,そこまで古さを感じさせない。「有栖川有栖選 必読!Selection」で読み,かなり期待して読んでしまい,期待が高すぎたので,期待に応えるほどではなかった。とはいえ,このような形で知らないと読んでいなかったわけだから,仕方がないともいえる。
 小説全体の雰囲気は悪くない。犯人が水泳が得意だとか,最初の被害者が課長の地位に執着していたとか,伏線はさりげなくちりばめられており,ミステリとしてのデキも悪くない。期待が高すぎたという印象
 得点としては★3。60点

0
2021年12月26日

「小説」ランキング