【感想・ネタバレ】有栖川有栖選 必読! Selection1 招かれざる客のレビュー

あらすじ

あなたはまだ“新本格作家”笹沢左保の恐るべき実力を知らない!

有栖川有栖がセレクトした、笹沢左保のベストミステリ。

多重トリックで翻弄する記念すべき長篇第一作。

【有栖川有栖さん、大推薦!】
密室×アリバイ×暗号×?
いくつものトリックと罠を埋め込んだ1960年代の華麗な〈新本格推理〉。
この面白さは決して古びない!

裏切り者を消せ!――組合を崩壊に追い込んだスパイとさらにその恋人に誤認された女性が相次いで殺され、事件は容疑者の事故死で幕を閉じる。
納得の行かない結末に、倉田警部補は単独捜査に乗り出すが……。
アリバイ崩し、密室、暗号とミステリの醍醐味をぎっしり詰め込んだ、著者渾身のデビュー作。
虚無と生きる悲しさに満ちたラストに魂が震える。
〈トクマの特選!〉第一回配本。

〈目次〉

Introduction 有栖川有栖

招かれざる客

Closing 有栖川有栖

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Posted by ブクログ

密室×アリバイ×暗号×?
いくつものトリックと罠を埋め込んだ1960年代の
華麗な〈新本格推理〉。
この面白さは決して古びない!

だが私はそうはいかない。染野の結婚から彼女の「噓」を引き出して、亀田を「白」と確信した。今度はもう一歩進んで、その推測の裏付けをしなければならない。

〈暗い生命〉という題で、その下に〈三年C組M・H〉と記されてあった。

二人が同じ環境にいた事がなければ、この暗号は通用しない。その点だけから推しても細川マミ子が速達の差出人であり、鶴飼殺しの犯人である事を確信出来る。

細川が少年Bであり、鶴飼殺しが万引行為であり、二階堂が浩ちゃんだとしたら──つまり、細川は鶴飼殺しを二階堂に感づかれたのである。そこで、細川は二階堂の口を塞ぐ為に殺したのだ。

〈招かれざる客は、何の予告もなしに訪れる。招く意志はなかったにしろ、その客が訪れるような手違いをやらかした家の主達は、今更のように慌てふためく。  座敷は冷やかで、座布団一枚なく、招かれざる客は心細く時を待たされる。主達は襖の蔭で相談する。如何にして、この客を合理的に、そして秘密裡に追い払うかを。  ……生みたくないから、生めないから、生まない方がいいから、と、まるで虫けらを踏みつけるように、一つの生命を、銀色の器具によって、闇から闇へ葬り去る。朝に小さな生命を処分した人は、夕にはホッとした気分でブドウ酒を飲む。招かれざる客を追い返した時のように……。 「愛」という出発点から、その美名に隠れて、哀れな小さな犠牲者を作る。魂と魂、男と女、親と子、という触れ合いから、こんな残酷な終着駅へ到着する。  私は、こんな人達を憎んでいる。そして、私だけはこんな事はしない。私は、どんな事があっても、暗い生命だけは、この世に存在させない。葬る事もしない。  生命の誕生は祝福されるべきである。健在である両親。その両親が心から招いた客である事。この二つが揃って、初めて暗い生命ではなくなる。  私のささやかな生きる希望は、それだけである。ただ一人の愛する人との間に、限りなき幸福に恵まれた生命を造る事……それだけが私の生きる全てなのである〉

裏切り者を消せ! ――組合を崩壊に追い込んだスパ
イとさらにその恋人に誤認された女性が相次いで
殺され、事件は容疑者の事故死で幕を閉じる。納
得の行かない結末に、倉田警部補は単独捜査に乗
り出すが……。アリバイ崩し、密室、暗号とミス
テリの醍醐味をぎっしり詰め込んだ、著者渾身の
デビュー作。虚無と生きる悲しさに満ちたラスト
に魂が震える。
〈トクマの特選! 〉第一回配本。

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2025年02月28日

Posted by ブクログ

面白かった。内容の古さは否めないし、最初は事件のレポが150ページくらいある。情報に殴られて読み進みにくい。けど、謎解き編に行くと一気に進む。トリックを丁寧に解き明かしていく過程好きなので、良かった。最後3ページの結末から、なんとなく続きも想像できた終わり方だった。

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2025年02月16日

Posted by ブクログ

笹沢佐保さんの長編

容疑者の事故死で完結している事件に、納得のいかない倉田警部補が事件を追う(休暇中)
前半は事件に関する報告記録、後半は警部補の報告録形式
「男女の感覚」に時代を感じるものの、トリック、アリバイ、動機など複数の難題に向かっていく面白さがあり、題名の意味に震えた…タイトルがずしんと来る…

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2022年11月30日

Posted by ブクログ

ネタバレ

1960年代のミステリー。有栖川有栖の帯文の通り、アリバイ有り、暗号有り、密室有りでてんこ盛り。探偵役の刑事の地道な捜査で一つ一つ、事件の紐を掴んで行く感じが良い。刑事の奥さんからしたら溜まったもんではないのだけども…。

そしてタイトルの回収が切ない。犯人の動機というか、生きる目的というか…。刑事のところにもうすぐ望まれて産まれてくる命があるのもまた対比させるよね。
犯人は身勝手なんだけど、それでも生きていく力を持った強かさは凄い。

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2022年09月13日

Posted by ブクログ

最初に『結婚って何さ』を読んだのですが、面白かったのでSelection1から順に読んでいこう
と思い購入しました。
前半で事件の概要などを列挙した後に、後半でその謎に迫っていくという構成は面白かったです。

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2023年03月31日

Posted by ブクログ

ネタバレ

● 感想
 有栖川有栖の「必読!Selection」に選出されている笹沢左保のミステリシリーズ第1弾であり,笹沢左保のデビュー作でもある。
 テイストは本格ミステリというより社会派ミステリ寄り。しかし,その社会派ミステリの中に,本格ミステリ的な仕掛けが巧みに盛り込まれている。
 いくつかのプロットが入り組んでいるが,根っこにあるのは意外な動機である。
 第1の被害者・鶴飼の恋人で,被害者側の人物と思われていた細川マミ子は,「子ども」に強い執着を持っていた。しかし,鶴飼に堕胎を強いられたことで,逆に鶴飼への殺意を抱いていた。
 「お腹の子の父親である鶴飼を殺すはずがない」という思い込みと,「妊娠中なら急勾配の非常階段で犯行を行うのは不可能」という二つの前提を,「すでに堕胎しており妊娠していなかった」という事実がひっくり返す。この意外性が,本作のプロットの核になっている。
 続く第2の事件,二階堂殺しにも,「細川には動機がない」「凶器がない」「アリバイがある」という三つの謎が用意されている。
 動機は「妊娠していないことに気付かれたから」。凶器はドライアイス。そしてアリバイは,貝塚という男を酒で酔わせ,日時を誤認させることで偽証させていたというもの。
 こちらのトリックは一つ一つを見るとやや弱めだが,複数の仕掛けを組み合わせることで成立させている印象である。
 暗号も,郵便局の局番を利用して都道府県を「いろは」で読ませるというもの。これも一本の作品を支えるほどではないが,デビュー作らしくサブトリックとして盛り込まれている。
 第1部を捜査資料のみで構成し,第2部で倉田警部補が捜査を進めるという構成も面白い。終盤は,倉田警部補と完全犯罪を成し遂げた細川マミ子との対決のような雰囲気になる。
 社会派ミステリをベースに,多数の本格ミステリ的な仕掛けを盛り込んだ秀作という印象。★3。
● メモ
・組合を崩壊に追い込んだスパイと疑われた鶴飼範夫が殺害される。現場は商産省の非常階段。その後,鶴飼の内縁の妻・細川マミ子と同室だった二階堂という女性も殺害される。
・当初の容疑者は組合執行委員の亀田克之助。しかし亀田は,自殺とも事故とも取れる形で死亡する。
・第1部は,事件に関する供述書や資料などを並べた「捜査資料編」。できるだけ主観を排した構成になっている。
・第2部は倉田警部補による捜査。亀田にアリバイを与えた元恋人が,幸せそうな結婚写真を偶然見たことから,偽証ではないかと疑い始める。
・倉田は,亀田の背広がラーメン屋でツケの代わりに預けられていたことを突き止め,その背広から日記を発見する。
・鶴飼が逃亡していた旅館を突き止め,そこへ暗号入りの名刺が送られていたことを知る。細川と鶴飼が元郵便局員だったことから,郵便局の局番を利用した暗号を解読する。
・二階堂殺しの凶器はドライアイス。消えた凶器の謎が解ける。
・細川のアリバイは,貝塚を酔わせて日時を誤認させ,偽証させていたものだった。
・タイトル『招かれざる客』は,「望まれずに宿った子ども」を意味している。
・細川が鶴飼を殺した動機は,子どもを堕ろさせられたこと。
・細川が妊娠中なら,非常階段での犯行は不可能。しかし,すでに堕胎して妊娠していなかったため,犯行は可能だった。
・二階堂殺しの動機は,自分が妊娠していないことを知られたため。

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2022年09月25日

Posted by ブクログ

裏切り者を消せ! ――組合を崩壊に追い込んだスパ
イとさらにその恋人に誤認された女性が相次いで
殺され、事件は容疑者の事故死で幕を閉じる。納
得の行かない結末に、倉田警部補は単独捜査に乗
り出すが……。アリバイ崩し、密室、暗号とミス
テリの醍醐味をぎっしり詰め込んだ、著者渾身の
デビュー作。

ここまでトリッキーな作品だったとは。続刊も楽しみ。

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2021年11月07日

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