金子成人のレビュー一覧

  • 付添い屋・六平太 龍の巻 留め女

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    ネタバレ

     長く脚本家として活躍して来た著者らしい、どこまでも王道な、人情時代劇。想い人を探して江戸へやって来た女性がお金が無くて困窮したり、大名行列を横切って武士に突き飛ばされ、昏睡状態に陥った息子の為に復讐する父親の話などなど。現代にも通じる、江戸っ子達の悲喜こもごもが描かれている。全4編。

     最後の「祝言」で、血のつながらない兄・六平太へ複雑な想いを抱きながら呉服屋へ嫁いでゆく義妹・佐和の物語は、それまでの登場人物が勢ぞろいして、4編のまとめ的な意味合いであるのと同時に、一つの区切りにもなっていて、筋自体はとっても王道なのだけれど、佐和の姿に思わずホロリとした。

     勧善懲悪、ほぼ大団円の物語なのだけれど、自分自身のせいではなく、不覚にも浪人となっていまい、一時期荒れていた六平太の悲しみとか、最後の佐和のいない家の寂しさとか、所々悲しみが滲んだ物語。

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    2014年08月18日
  • 付添い屋・六平太 龍の巻 留め女

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     時代劇の脚本家が時代小説を書いたらしい。 

     主人公の六平太は藩のお家騒動に巻き込まれ、浪人となった。しばらくは理不尽を嘆きながら、酒を飲み、やさぐれ、自暴自棄になった過去がある。しかし今は、年の離れた妹の佐和と二人で暮らし、剣術の腕をいかした付添い屋稼業で生計を立てている。付添い屋とは、いうなればボディガード。裕福な商家や町人の子女などが遊興や野暮用で町中を歩く際、半日くらいの契約で、掏りや暴漢から守ることを請け負う稼業のこと。


     一読しただけだと、登場人物が多く、キャラクターがよくわからなかったので、間をおいて二回読んだ。そうしたら結構、味のある話で面白かった。4編の短編で構成されている。


     気に入ったのは『初浴衣』という短編。
     大名行列の前を横切った少年が殴り飛ばされて、意識が混濁したことに怒り心頭の父親が藩邸に糞尿をばらまいた。義憤にかられた六平太と面子をつぶされた藩の家老がみせる駆け引きが面白い。父親に味方した町人たちは武家に対して、知恵でたたかう。したたかで痛快だ。家老は家老でただの頭でっかちかと思えば、最後の最後で粋なことをする。


     その他に『雨祝い』『留め女』『祝言』の短編がある。


     この小説は六平太とともに、妹の佐和も大きな役割を担っている。『祝言』は佐和が結婚する話。
     佐和と六平太は兄妹だが血のつながりはない。そのあたりの事情は最初の短編『雨祝い』に詳しい。『祝言』で嫁ぐ佐和の心情の移り変わりを読むと、おめでたい話なのに、せつない部分もある。


     人気脚本家らしいから、もしメディア化するなら個人的には石原さとみあたりに演じてもらいたい。


     ひとつ難を言えば六平太の強さがピンとこないこと。


     なぜかというと、必殺技(剣)がないから。相手を上手くいなし、反撃の芽をつぶす太刀裁きは、達人ぶりを感じさせるのだが、特徴がないだけに、球種が豊富で丁寧なピッチングでゲームをつくる中継ぎ投手のような印象だ。抑え投手には絶対必要な伝家の宝刀がない。
     プロレスで例えるなら、いくら強くてもアントニオ猪木が鉄拳制裁や延髄蹴りを出さずに勝利してしまったら観客が沸かないのと一緒で、六平太にも何か読者をわくわくさせる必殺技を編み出して欲しい。


     六平太の飄々として、女心に疎く、ちょっと間抜けな、でも強い、といったキャラクターを全く想像できない表紙は、メディア化の際はとっとと変えた方がいいと思う。

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    2017年08月15日
  • 付添い屋・六平太 虎の巻 あやかし娘

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    シリーズ第二弾ですね。
    第二弾にして血の繋がらない妹の問題も解決、元許嫁の夫の疑いも解決もしました。
    次はどうなるのか楽しみですね。

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    2026年07月29日
  • 付添い屋・六平太 龍の巻 留め女

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    娯楽時代小説ですね。
    昔の時代劇ドラマを思い出します。
    水戸黄門、桃太郎侍、遠山の金さんなど。
    ほのぼのした気分になります。

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    2026年07月19日
  • 付添い屋・六平太 河童の巻 噛みつき娘

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    育ての親が亡くなったことをきっかけに、ようやく穏蔵君も落ち着き先を見つけたようです。
    意外と可愛らしい一面のある永井丹二郎との関係はこれで終わるのか?

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    2025年12月28日
  • ごんげん長屋つれづれ帖 : 11 苦難の母

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    202509/登場人物達にも愛着わき、安心して楽しめるシリーズ。今回は手習い師匠の元妻話はせつない…。

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    2025年12月22日
  • 付添い屋・六平太 猫又の巻 祟られ女

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    六平太にしては珍しく庶民ではなく大名家のトラブルに巻き込まれるが、そっちな領域がメインの作品と比べだらライトテイストです。

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    2025年11月25日
  • 付添い屋・六平太 鵺の巻 逢引き娘

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    相変わらずその日暮らしの六平太。
    新シリーズになって何らかの変化があるかもと期待したけれど、それは周りの人ばかり。
    そういえば、博江さんはどうなった?

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    2025年06月29日
  • ごんげん長屋つれづれ帖 : 1 かみなりお勝

    ネタバレ 購入済み

    あまりにも、登場人物が多くて、頭の整理がつかないけれど、もう少ししたら慣れると思う(笑)
    それにしても、お勝という人の生き様も、凄いとしか言いようが無い。これからの話が、楽しみだ。

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    2025年04月22日
  • 付添い屋・六平太 獏の巻 嘘つき女

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    真面目で健気な博江さんをそろそろ何とかしてあげなきゃ。
    おりきさんもいい女だけど、きっと一人で生きていきたい人だと思う。

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    2024年12月13日
  • ごんげん長屋つれづれ帖 : 3 望郷の譜

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    お勝さんと町人、武士のあれやこれや。
    長屋の人となりが見えてきて、楽しくなってきた。
    どの時代もお金は大事。
    よく生きたと思って逝けるように過ごしたいなと思った。

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    2024年10月11日
  • 付添い屋・六平太 龍の巻 留め女

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    新しい時代ものを読みたくて手にした一冊。
    六平太はよく主役になりがちな剣豪。
    妹佐和の気持ちが切なかった。
    落ちたままの峯太郎もまた哀しかった。
    菊次の涙は温もりを感じた。
    次巻も楽しみ。

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    2024年10月07日
  • 付添い屋・六平太 麒麟の巻 評判娘

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    地方藩の国元にいた武士が江戸に出てきた時に勘違いした行動をしがちというのは頷ける。完全に井の中の蛙ですもんね。
    六平太と博江さんの関係に進展が見られないのがもどかしい。控えめながらしっかりした、とても魅力的な人なのに、やっぱりおりきさんのことが忘れられないのか、、、

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    2024年09月23日
  • 付添い屋・六平太 鳳凰の巻 強つく女

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    おりきさんがいないと、かくも味気なくなるのか。
    博江さんはいつでも待っている雰囲気なので、次作あたりでそうなるのか。
    そんな中、お寅さんはなかなかの人物だったな。

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    2024年08月11日
  • 付添い屋・六平太 朱雀の巻 恋娘

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    十河藩との因縁は士農工商の序列を凌駕する商人の金の力によって強引に解消したようです。
    相変わらずふらふらしている六平太のような生き方が若い商家の娘達には型にはまらない魅力と映るのかな、
    そんな中途半端な彼と自由度を残した付き合い方を選択したおりきさんに一票です。

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    2024年02月17日
  • 付添い屋・六平太 玄武の巻 駆込み女

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    佐和ちゃんのほのかな恋心と、十河藩の権力争いと並行して発生する存亡の危機という、全く趣の異なる2つの流れを軸にして、ブラブラ付添い稼業に勤しむ六平太。
    いろいろあるけどこんな生き方で暮らしていけるのが羨ましい。

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    2023年12月21日
  • ごんげん長屋つれづれ帖 : 1 かみなりお勝

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    後半になってググッと面白くなり、次巻以降も読みたくなった。
    かみなりお勝のきっぷの良さと、秘めた過去の痛みと、子どもたちに、周囲の弱き人に寄り添う温かな情が心地よい。
    いろいろあっても、前向いて笑って生きていこう、生き抜こう、と思える時代もの。

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    2023年11月07日
  • ごんげん長屋つれづれ帖 : 7 ゆめのはなし

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    202309/面白かったけど、貸本にたすけての文字…の話は強引にミステリー仕立にしてる印象でちょっと残念。

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    2023年10月25日
  • 付添い屋・六平太 鷺の巻 箱入り娘

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    短編毎に毛色が異なる依頼人の事情を織り込んでいるので、変化があって誰にでも読みやすいのだろうと思う。けれど、もう少し奥行きが欲しいので長編にして欲しいな。
    十河藩の面々は第1巻からずっと卑怯で小物ばかり。こいつらこの先も成敗されずにずっと出てくるのだろうか。

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    2023年09月30日
  • 小梅のとっちめ灸 (三)針売りの女

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    ネタバレ

     灸師小梅は午後は道具箱を持って外回り、大店加賀屋の御嬢さんの放屁癖の治療をしたりして豪勢な食事をw。薬師庵での治療専門の母親お寅はやっかみを。世は老中水野忠邦、北町奉行鳥居耀蔵の悪政下、この二人によって被害を被る者達の怒りは収まらない状況。そんなある日、小梅が外回りで訪れ、小梅の前で背中を見せている主人は、鳥居耀蔵そのものであった。金子成人「針売りの女」、小梅のとっちめ灸シリーズ№3、2023.6発行。

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    2023年09月17日