金子成人のレビュー一覧
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ネタバレ読む前から、楽しみが始まっていたが、想像以上にしてやられた。
若い頃は、我が身を嘆いて、放蕩していた六平太だが、歳を重ねて、世間の情を知る様になると、なかなかいい男に成長。
今回の4話は、皆殺しも糸話ない押し込み強盗団が、江戸に帰ってきたところから始まる。
六平太の仲間ともいえる近所の連中は、実に心持ちが良い。それぞれに長所も欠点もあるが、信頼を深めて、そのやり取りも心地いい。
今回は、逆恨みで妹と甥っ子を窮地に立たせたり、放蕩時代の養子にやって名乗りもあげていない息子のその後の成長ぶりなど、人生模様が映し出され、上質な映画を見る様な作品に。 -
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いやぁ〜良かった!
4巻で物語は終わったのだが、実に良かった。
時代小説に佐伯泰英を読んでからハマりにハマり、
数え切れないほどの時代小説を読んだのだが。
この物語は第1巻から、途方に暮れるようなシチュエーション。
どうみても主人公で、いい奴が、最初っから悪役の手の中に。身動きできない立場に追い込まれながらも、生来の真面目さ、人間力で友人知人が増えていく。
故郷から遥か遠くの知る人のいない江戸という大都会で、
田舎者ではあるが、知性も度量もある主人公が遠く離れた妻を思いながら不本意な人斬りを依頼される。
しかし何人目からか、見張りの忍びと思われる横目たちの目を掻い潜り、納得のいく処し方を -
Posted by ブクログ
2巻目。
『あやかし娘』『武家勤め』『むかしの音』『雪の朝』の4編。
1巻目より、さらに面白くなった。登場人物に慣れてきたからかな。
最初の短編『あやかし娘』は大して面白くなかったけど、その他の3編は秀逸。
『武家勤め』は六平太がある小藩の世継ぎの少年(でも妾の子)を助けたことが縁となって、その少年の武術指導のお勤めを始める話。
六平太には同じぐらいの息子がいたが、荒んだ生活をしていたころ、生活が立ち行かず、その子が3歳のときに養子に出してしまい、それ以来、会っていない。
その少年に自らの息子の姿を重ね合わせて熱血指導してしまう六平太と、強くなりたいと必死に稽古にくら -
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自分の夢を追い、健気に生きるお栄。茂平の情婦の息子。金儲けに血道をあげる旗本と、親孝行の子供の顛末。死ぬ間際の仙五郎の昔語りと、残された妹。う~ん、色々、考えさせられる話だった。
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ネタバレ 購入済み
夢を叶えた与之吉、お志麻の夫婦が、ごんげん長屋を、出て行く事になった。貸本に書かれた「たすけて」という文字から、盗賊の被害を未然に防いだ事への、天王寺屋からのお礼で、貸本屋の店が持てる事になったのだ。幸せになって、出る分には、良いね。
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娘さんに子を孕ませて、逃げ出す男も居れば、身代わりに、父親になろうとする男も居る。治兵衛さんの昔の苦い思いも、晴れて、終わり良ければ、すべて良し。
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世の中には、子供を捨てる親も有れば、拾う人も居る。お妙ちゃんと同じ頃捨てられた旗本の姫様は、亡くなっていた。拾って育てた人には、感心するが、捨てた身勝手な親には、呆れ果てる。
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ごんげん長屋から、出て行く人、入ってくる人、それぞれに、色んな人生が有る。およしさんは、遺骨になって、息子の梅太郎さんに抱かれて、帰りたかった故郷へ帰って行った。長年連れ添った、彦次郎さんは、残ったけれど。
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ネタバレ 購入済み
仮祝言を終えた穏蔵に、おとっさんと呼ばれて、返事をした。おりきと、一緒に暮らす事になった。六平太の身の回りが、バタバタと片付いていく。これで、終わりでも良いけれど……
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六平太は、お金にならないお節介が、多いなぁ(笑)そこが、彼の良い所でも有るのだが……。信濃屋の隠居の依頼は不穏だけど、穏蔵の仮祝言は、めでたい。良い事が、沢山有ると、気持ちが浮き立つ。
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ネタバレ 購入済み
あはははっ
帰りは、呆気なく江戸へ帰り着いて、一件落着。行きも、女から逃げる為に、帰りも、女に振られてと、様にならない理由は有れども、沢山の人達との出会いは、巳之吉にとっては、大きな財産になったのでは、無いかな?