あらすじ
女子供を狙う“あこぎ”は、赦せなくてね。
●第一話 幽霊息子
ある夜、刃物を手にした何者かに襲われた六平太。知らず知らずのうちに恨みを買ったかと思案するも、心当たりが見つからない。そんな折、音羽の顔役・甚五郎から、一人息子の穏蔵に婿養子の口がかかったと告げられる。
●第二話 願掛け女
六平太に湯屋での見張りの仕事が舞い込むも、居眠りをし、盗っ人に入られてしまう。一方で、「市兵衛店」の弥左衛門の家に通う女中・お竹から、殺された弟の敵打ち成就の為、願掛けの付添いをしてほしいと依頼される。
●第三話 押し込み
六月の晦日、六平太は妹の佐和と亭主の音吉たちに連れられ、橋場にある明神社に参拝に訪れていた。賑わう境界を歩いていると、背後から女の悲鳴と男の怒鳴りが聞こえ、振り返ると見覚えのある女が包丁を持って立っていた。
●第四話 疫病神
六平太が足繁く通う料理屋「吾作」の料理人・菊次と、お運びのお国が所帯を持つことになった。六平太とおりきで二人の家移りを手伝っていると、佐和と伜の勝太郎が人質に取られたと知らせが届く。色めきたつ六平太は一人覚悟を決め、助けに向かう!
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
読む前から、楽しみが始まっていたが、想像以上にしてやられた。
若い頃は、我が身を嘆いて、放蕩していた六平太だが、歳を重ねて、世間の情を知る様になると、なかなかいい男に成長。
今回の4話は、皆殺しも糸話ない押し込み強盗団が、江戸に帰ってきたところから始まる。
六平太の仲間ともいえる近所の連中は、実に心持ちが良い。それぞれに長所も欠点もあるが、信頼を深めて、そのやり取りも心地いい。
今回は、逆恨みで妹と甥っ子を窮地に立たせたり、放蕩時代の養子にやって名乗りもあげていない息子のその後の成長ぶりなど、人生模様が映し出され、上質な映画を見る様な作品に。
弥左衛門、やっぱり、盗賊の親分だったか!悪あがきの上後、六平太に成敗されたけれど、なかなか、しぶとい悪人だった。それにしても、六平太の危難に、すっと助けに駆けつけて、力を貸してくれる人が多くて、胸が熱くなる。
匿名
やっぱり盗賊でしたね。
今までも命を狙われてましたが
人質に取られる話が無かったので新鮮でした。
六平太の息子穩蔵との親子の名乗りはしないのかな
このまま曖昧な関係で進んで行くのか
今後の2人に注目です。
Posted by ブクログ
金子成人「願掛け女」、付添い屋六平太シリーズ№13、2020.2発行。幽霊虫、願掛け女、押し込み、疫病神の4話。六平太、困った時の「飛騨屋」頼み、山左衛門、おかね、一人娘の登世に世話になりっぱなしです。登世の「いかず連」の結成には少々あわててますが。人質になったお佐和と勝太郎を救出する六平太、流石、強いです。おりきが穏蔵に平手打ち、人の道を説説と諭す姿に、六平太との絆の強さを感じました。それにしても、武家の後家博江は全然登場しませんね。著者に忘れられてるのかw。
Posted by ブクログ
付添い屋稼業を続ける六平太が当面する様々な出来事や事件が比較的淡々と綴られている。
気になるのは、父親の名乗りを上げられずに近くにいる息子穏蔵とのもどかしい関係だ。