坂井豊貴のレビュー一覧
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財の効率的な配分を目的としたオークション、マッチングなど制度設計理論であるメカニズムデザイン(マーケットデザインという呼称もな配分を目的としたオークション、マッチングなど制度設計理論であるメカニズムデザイン(この分野はマーケットデザインとも呼ばれ学問的な違いはあるのだろうが、ほぼ近似した内容であると理解している)。
本書はその分野の研究者である著者と、不動産売買オークションビジネスを長年手掛けているデューデリ&ディール社が共催するオークション・ラボという勉強会の模様を書籍化した一冊であり、メカニカルデザインという学問をどうビジネスに活用するかというヒントに満ちている。
実際の理論を知ろうと -
Posted by ブクログ
数式をつかわず、グラフなどの図によってミクロ経済学の初歩を解説している本です。
いわゆるミクロ経済学の入門書の構成とはちがった内容になっていますが、数式をつかわずに説明できるところに絞って、わかりやすい解説を試みたところに著者の工夫があるように感じられました。本書でミクロ経済学の概要をつかむことはできませんが、ミクロ経済学に苦手意識をもっている読者に興味をいだかせることが本書の目的だとするならば、その目的は十分に果たされていると思います。
また、ゲーム理論的な説明が随所に取り入れられているのも特色です。もっとも、まとまった解説にはなっておらず、断片的な説明がそのつど出てくるので、べつの書き -
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『運動が起き、それが広がるためには、「参加者の間で何らかの価値が共有されていること」そして「その価値が相手にも共有されていると考えていること」が必要』
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相手にも共有されていると考えていること、これが難しい。運動まで行かなくても、仕事の部下と上司の関係でも同じことがいえるんじゃないだろうか。多様な価値があると考えることのできる経験と想像力と余裕が必要だと思う。
『事実の認識問題は、「出来事レベルでの認識の共有に失敗」と「解釈レベルでの認識の亀裂」がある』
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出来事レベルでの認識の共有は日常でもよくある。それをなくすために丁寧にこまめに伝えようとするとそれはそれでくどい(笑)
でも、仕事 -
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大学教授等の専門家が、現代社会での事柄について、上から目線で述べたもの。本書作成の発想はとても良いと思うが、共著となっているので章によって、質にばらつきがあり、感動的な内容がある一方、読むに堪えない稚拙な部分もある。特に松沢氏の意見は、左翼的で賛同しかねる箇所が多く、また下から目線で本書作成方針に反すると思う。
「シェアリングが広まれば、人生の生活水準は上がりますが、GDPは上がりません。物を大切に使うことや、再利用に努めることも、やはりGDPを上げません。エコロジカルな暮らし方はGDPの上昇には結びつきにくい傾向があります」p15
「(勤労)まじめに労働にいそしむことを大切にする考え方は、 -
Posted by ブクログ
所得が増えたとき消費が増えるものを上級財、反対を下級財。
ベルトラン価格競争=2つの企業が価格を選べる状態=ベルトラン寡占市場では限界値になるまで競争が続く。
ギッフェン財=価格が上がると需要が増すもの。貧しい地域の必需品がそうなることがある。
ネットワーク外部性=利用者が多ければ価値が多くなること。
ナッシュ均衡=自分が行動を変えると損をする状態。膠着状態。必ずしも双方にとっていいとは限らない。
パレード優位=双方にとって一番いいナッシュ均衡状態。
参入の阻止=価格をある程度抑えることで独占企業が他社の参入を防ぐこと。スタンウエイの松尾楽器商会は独占でも値上げできない(並行輸入されるから -
Posted by ブクログ
これからの社会をよりよくするためのヒントとして、一人一人が考えていかなければならないテーマを4人の著者が解説した本。取り上げられているテーマは、GDP,勤労、時代の分け方、多数決、社会運動、私、公正、信頼、等々全12項目。
できるだけ平易に書いてくれているのだとは思うが、それでも筆者にとってはまだ難解な個所が多かった。
そもそも本書カバーのイラストが田中圭一だったので、内容もそれなりにやわらかいものだと期待してしまったのが間違いだった。田中圭一の作品を知っている人には、カバーイラストは明らかにミスリーディング。
著者達、あるいは出版社側は確信犯なのか、それとも偶然なのか、田中圭一の起用に至るま