エマニュエル・トッドのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレドイツがヨーロッパでどのような役割を果たし、それによってヨーロッパを変質させて行っているかがわかる本。
■学び
ドイツのように、他国(東欧圏)に対して、賃金が安いが質のよい労働力を確保して、そこでの生産および利益が、自国ないし自国経済の登場人物に還流する仕組み(帝国のシステム)を作りだす志向性を持たなければならないということ。
つまりは、自らそれを志向しなければ、他の帝国を志向する隣人に、位置付けられ、利用され、下位序列化されてしまい、そのシステムから抜け出せなくなるということ。フランスがドイツに飲み込まれてしまっているように。
■気づき
金融資本を操る超富裕層が、国家に金を借りさせている状況を作っているという点であり、無能無策な国家が、呑気に支出した結果、金が足りなくなり、借金をしているのではないということ。
超富裕層(ここではゴールドマンサックスの名前が頻繁に挙がった)の余った金の運用先として、国家債務があり得るということだった。
だから、ギリシアはデフォルトさせてもらえない。つまりは、金を返さなくてはならない状況に追い込まれているとのこと。 -
Posted by ブクログ
陳腐なシャルリ事件解説書かと思ったらかなり硬派なフランス社会論だった。フランス一般の捉え方に異を唱えるタイプの本なので最初の一冊には向いていない。ただ、読む価値はある。
そもそもライシテの歴史を踏まえた「俺たちが政教分離を守っているのだからお前らも守れ」という主張が正しいのかを検証し、またデモ参加者の地域が都市部に偏っていることを論証する。(フランスでは都市と地方の格差が深刻である)
とはいえ、新書の紙幅上仕方ないが、反EUなど従来の主張を繰り返して紙幅を費やし、かつアプリオリにされている部分が多く論証が足りておらず、また主として人口統計に依存した切り口では物足りない部分が多いため、全体としてざっくりとし過ぎている印象が強い。 -
Posted by ブクログ
借りたもの。
ロシアのウクライナへの介入に端を発した対立構造、欧米 vs. ロシアという図式は、かつての冷戦のぶり返しでは無いことを著者は指摘する。
西側諸国のロシアを悪のように見立てる報道に対して「待った」をかける視点は大切だと思う。
ロシアは戦争をしたい訳ではなく、ウクライナへの介入は対ロシア包囲網を恐れていること、プーチン大統領は立ち直りつつあるロシアの国力まだ脆弱であることを自負していると分析。
ユーロ、ひいてはEUを経済面から動かしているドイツ――その影響力から「ドイツ帝国」とし、世界は独・米・露の三つ巴の勢力争いになっているという。
そしてこの均衡が崩れた時を懸念する。
経済の危機――ユーロという統一紙幣の中で、`諸国民の文化や習俗の違いに大きく起因する経済問題が現れて(p.150)´いるという。
家族構成から見る文化的差異ーー家族的・家父長的性格のドイツと、遺産は男女関係なく平等に分け与えられ、自律的な家族ユニットを築く事が当然とされているフランス。
こうした差異が齟齬を生む事をふまえ、ドイツが提唱する経済モデルに追従しようとするフランスを批判している。
著者が親露嫌独ではなく、人口学や文化的な差異から読みといた結果がそうなるという。 -
一般人向けといえるのか?
フランス社会の予備知識があるかどうか以前に、日本語として極めて難解で、無理に通読したものの、何も残らず。タイムリーな表題で序文だけ読んで購入してしまったが、出版社、編集者の姿勢に疑問を感じざるを得ません。