久生十蘭のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
凝縮された完成度の高い短編が多く、何とも言えない美しい描写や人の性格の描き方が上手さもあって楽しく読める。時々立ち上る「ハイカラ」な香りも良い感じ。
「黄泉から」
話の筋よりも、おけいが死の間際にニューギニアで見た「雪」のシーンが実に素晴らしい。★★★★
「予言」
これは夢だったか妄想だったか、読んでいるうちに立っている平面が分からなくなる書きっぷりが絶妙。★★★★
「鶴鍋」
いやはや、良い話だなあ。といったところ。★★★
「無月物語」
これは十分に狂ってると思うなあ。★★★★
「黒い手帳」
これはいいね、実にいい。ルーレット必勝法を軸に、短いながらも話が二転三転、読ませる。★★★★★
「泡沫の記」
これも黒い手帳のような謎解きの楽しみがあるとともに、語り手の立ち位置がとにかく不思議。★★★★
「白雪姫」
氷の中に封印されて30年、美しいといえば美しすぎる話かもしれない。★★★★
「蝶の絵」
戦争後遺症の話として読む分には楽しかったが、解説にあるほど蝶の効果は感じなかったなあ。★★★
「雪間」
これもミステリ風だが、これは普通。★★★
「春の山」
何はともあれ、主人公のような御身分になりたいもんだ。それが一番の感想。★★★
「猪鹿蝶」
女はたくましい。着物談義は読んでもイメージ湧かない素養不足が痛手だった。★★★
「ユモレスク」
何だか最後は不思議な話に、今一つ流れつかめず。★★★
「母子像」
純粋すぎるぜ、まぶしいぜ。★★★★
「復活祭」
普通の良い話。最後のほうに読んだのに一番印象薄い。★★★
「春雪」
純愛の話。美しいですな。★★★ -
Posted by ブクログ
この作品集に収められている『母子像』をゼミの演習で発表してくれた子がいて、すごく面白かった。美しいと思って、憧れていたもの、この物語の少年にとっては母親の汚さを見て、もう嫌だ!死にたいと思ってしまうのは、少年であるがゆえの心の純粋さのためであると思う。そんな悲しい気持ちを持ってしまった少年の最期は切なくて、悲しかった。この作品では、自分が解釈する自分、他人が解釈する自分とのズレが興味深い。自分が考えている自分だけではなくて、他人が解釈する自分も、自分であることは紛れもない事実で、でもそのズレが人との関係をややこしくしてしまうのかなと思う。
ゼミで久生十蘭を初めて知ってよかった。自分だけで読む本を選ぶとどうしても偏ってしまうから時には他人の読んでいる本をまねして読んでみることも必要だと思う。 -
購入済み
リズムよく
銭形平次捕物帳 半七捕物帳の伝統を引き継ぐ捕物帳シリーズ、和風定食の味わいである。べらんめえ調の口調の良さがそのまま文章になっていてリズムよく読みすすめることができる。ストーリー内容はそれほど重くなく、謎解きもそれほど難しくはない。主人公が武士 という設定なので、平次 半七の大先輩二人と比べるとやや情感 人情にかけるのかな。
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ネタバレ 購入済み
オットセイに化けていました、というバカミスともいえる真相は、氷に覆われた離島という極限状態であればこそ「まあありかな」と思わせるものだと思う。