久生十蘭のレビュー一覧
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45年前からよんでます。
岩波文庫からか2冊も出ています。再評価の時は、特異の文学でした。今は普遍的名作になりました。色褪せることはありませんでした。短編の名手と言われますが、魔都、新説鉄仮面、とか良い長編小説もあります。 -
1937(昭和12)年-1956(昭和31)年に発表された作品を収めた短編小説集。
初めて読む久生十蘭作品で、私はこの作家を探偵小説の作者と思い込んでいてのだが、本書を読み始めてびっくりした。最初の3つの短編「骨仏」(1948)「生霊」(1941)「雲の小径」(1956)は、驚くべき純粋芸術とし...続きを読むPosted by ブクログ -
津原奏水『玻璃玉の耳輪』のようなミステリ仕立ての冒険小説
のようなが逆でこちらが先だろうけれど
ミステリとしても警察ものとしても中途半端だが
昭和9年の時代ものとして充分な筆力
登場人物たちにも十二分の説得力があり良い意味で辟易させてくれる佳品Posted by ブクログ -
日影丈吉とともに引っかかった作家。
凄い好き。
冒頭から、どんなふうに展開して落ちが付くのだろうと様々な想像を膨らませて読むのだが、そうくるか、と仰天するばかり。
『墓地展望亭』は、ものすごいファンタジーめいたラブ・ストーリーで、読み始めると止まらない面白さがある。
『ハムレット』に出てくる女性たち...続きを読むPosted by ブクログ -
1930年代から最晩年までの作品から選び出された8編。
改稿を繰り返し、彫琢を重ねたという名品揃い。
物語が面白いだけでなく、文章そのものが美しくて、
鳥肌や眩暈を催した。
故・中井英夫が終生、師と仰ぎ続けたという話にも頷ける。
以下、特に感銘を受けた作品について。
■「雲の小径」
飛行機での...続きを読むPosted by ブクログ -
この人の短編では「漂流もの」(昔の)っていうのがジャンルになっている感がある。阿倍仲麻呂から江戸時代まで、このジャンルに佳作多い。個人的には江戸の庶民の目で異人の風俗を100%の日本語で語るという技、これが何ともおかしい。はまってしまいます。Posted by ブクログ
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十蘭の小説にはいつも死の影がつきまとっている、と思っていたが、本書では必ずしもそうでない短編が収められている。かたや掟破りの夢オチが多用されているのもご愛嬌。彦輔と艦長には感心した。Posted by ブクログ
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最後の「死亡通知」のオチがわからない。再読すべし。
それはともかく、岩波文庫とまったく重複がないのがよい。また小説ジャンルも多岐にわたっていて
力量を感じさせる。Posted by ブクログ -
なにせ、知らない熟語、読めない漢字、初めて目にする言い回し、が随所に出てきて大変!。でも、久生が創り出す独特の美しい世界の”雰囲気”は楽しむことが出来ました。気に入った短編を繰り返し読んでみれば、その度に新しくわかることがあるかも。。。Posted by ブクログ
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万華鏡のような後味は他の作家にはないかもしれない。
アコーディオンの伴奏にのせて物悲しく奏でられるBGM。モノクロの八ミリ映画の哀愁。ラジオから流れる雑音混じりの音声。懐かしい昭和の香り。「鶴鍋」「無月物語」が特に印象的だった。Posted by ブクログ