久生十蘭のレビュー一覧

  • 十蘭錬金術

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    河出文庫での十蘭短編集もとうとう5冊目になった。3冊ぐらいで打ち止めと思っていたので嬉しい。続編が出るのか気になる。本編でも、事実をもとにして、驚くべき物語を生み出す錬金術に驚かされる。大戦直前のフランス、戦争中の東京、南方の戦地を舞台とする魅力的な男女が繰り広げる刹那的な行動を描く「勝負」が気に入った。

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    2012年07月03日
  • 湖畔 ハムレット 久生十蘭作品集

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    「湖畔」「ハムレット」「玉取物語」「鈴木主水」「母子像」「奥の海」「呂宋の壺」

    湖畔・ハムレット・母子像がよかった。
    ほかは歴史小説のような形式で仮名遣いなどがかなり読みづらい。
    玉取物語は文字どおりすぎて笑ったw

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    2012年06月10日
  • 十蘭レトリカ

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    国際的な話が多い。息もつかせずグイグイ引き込まれ最後にストンと落とすところが見事。面白かったのは「胃下垂症と鯨」「ブゥレ=シャノアヌ事件」「心理の谷」

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    2012年03月17日
  • 十蘭レトリカ

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    著者の作品に初めて触れたのだが、行間に滲むその博覧強記ぶりにまず圧倒され、溢れ出る言葉の旋律が心地良い。生島治郎の「黄土の奔流」を思わせる冒険譚あり、幕末を舞台にした波乱万丈の復讐劇ありと、収録されている八編の短・中編はそれぞれ異なる趣で楽しませてくれる。

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    2012年02月18日
  • 十蘭レトリカ

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    河出文庫での十蘭短編集の第4弾。フランス、中国、オーストラリア、幕末等舞台が変われど奔放な想像力の爆発と華麗なストーリー展開は、変わらない。三界万霊塔、花賊魚が特に凄い。

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    2012年01月23日
  • 十蘭万華鏡

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    ドキドキする。隙間に入ってくるレトリック。もう純文学でそんなに感動することはないと思っていたが、帯の「澁澤龍彦が絶賛」で購読。丁寧な仕事ぶりに驚嘆。刹那的だが芥川より明るく、横光よりも洒落ている。寒い土地で育った元新聞記者には何も言っちゃあいけないのかも。

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    2011年10月15日
  • 久生十蘭ジュラネスク 珠玉傑作集

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    「フィクションとしての小説というものが、無から有を生ぜしめる一種の手品だとすれば、まさに久生十蘭の短編こそ、それだという気がする」と、解説で澁澤龍彦が指摘しているが、その通り。
    私は作者が現れてくるような作品の方が好きな場合が多いけれど、久生十蘭のプロ技は素直に凄いと思う。
     『無残やな』『死亡通知』『藤九郎の島』あたりがなかなか気に行った。奇妙なほどあっさりした描写が面白い。
     でも結局一番好きなのは『生霊』で、久生十蘭の味というよりは、田舎の因習やそれに類するものの土着的な不思議な雰囲気の描写が好きなだけなのかも知れない、という気もする。

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    2011年07月09日
  • 久生十蘭短篇選

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    ツイッターでフォローしてる河出文庫で話題にされてたので、しかしあったのは岩波のだった。

    いろいろと予想外。漠然と予想していた幻想文学、だけでもなく、平易で読みやすいのに見慣れない文体。そっけないような丁寧なような。身構えて読んだら優しかったり、ぽんと突き飛ばされて終わったり。
    時間の流れがさくさくと切り変わったりさかのぼったりして不思議な気分になる。話の行き先がわからなくて、それが良い気分になったり。

    気に行ったのをここにあげておこうと思ったらだいたい全部だった。そのうち買いたい。
    「黄泉から」「蝶の絵」「復活祭」。

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    2011年03月04日
  • 久生十蘭ジュラネスク 珠玉傑作集

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    どれもおもしろかったが
    「葡萄蔓の束」「その後」「死亡通知」
    の三篇が特に素晴らしい.

    十蘭の作品は全集でなければ読めないものも多いのでこの手の文庫化は嬉しい.

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    2011年01月22日
  • 久生十蘭短篇選

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    凝縮された完成度の高い短編が多く、何とも言えない美しい描写や人の性格の描き方が上手さもあって楽しく読める。時々立ち上る「ハイカラ」な香りも良い感じ。

    「黄泉から」
    話の筋よりも、おけいが死の間際にニューギニアで見た「雪」のシーンが実に素晴らしい。★★★★

    「予言」
    これは夢だったか妄想だったか、読んでいるうちに立っている平面が分からなくなる書きっぷりが絶妙。★★★★

    「鶴鍋」
    いやはや、良い話だなあ。といったところ。★★★

    「無月物語」
    これは十分に狂ってると思うなあ。★★★★

    「黒い手帳」
    これはいいね、実にいい。ルーレット必勝法を軸に、短いながらも話が二転三転、読ませる。★★★★

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    2010年12月19日
  • 久生十蘭短篇選

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    洒落てる
    そして作品中の描写(心理/風景)のバランスがきまっていて明晰さを感じる

    「予言」「白雪姫」「雪間」「母子像」が特に好き

    比喩もくどくなくて鮮やか
    とても好きな文体でした

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    2010年04月06日
  • 湖畔 ハムレット 久生十蘭作品集

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    おもしろかったけれど、作品ごとに作風がバラバラでまだどうこういえる段階ではない。けれど、洋風のものが面白かった。

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    2011年09月03日
  • 久生十蘭集 ハムレット ―怪奇探偵小説傑作選3

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    魅力的な短編集。
    とりわけ『母子像』は脳内映像フル稼働・・・!胸の苦しさがかえって心地いいなんて。余韻にしびれます。

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    2009年10月04日
  • 久生十蘭集 ハムレット ―怪奇探偵小説傑作選3

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    久生十蘭の本で現在、手に入れやすい一冊。『黒い手帳』の端正な書き出しから幕を開ける。『海豹島』『墓地展望亭』の浪漫に酔いしれ、『月光と硫酸』の黒いユーモアにニヤリとし、『昆虫図』の最後の一行に戦慄することになるだろう。壮大にして精密な構成を支える文体の魔術師、少女小説から時代物までを書きこなす舞台の広さ。観客はこれから始まるであろう、久生十蘭劇場の開演を待ち望んで欲しい。

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    2009年10月04日
  • 湖畔 ハムレット 久生十蘭作品集

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    この作品集に収められている『母子像』をゼミの演習で発表してくれた子がいて、すごく面白かった。美しいと思って、憧れていたもの、この物語の少年にとっては母親の汚さを見て、もう嫌だ!死にたいと思ってしまうのは、少年であるがゆえの心の純粋さのためであると思う。そんな悲しい気持ちを持ってしまった少年の最期は切なくて、悲しかった。この作品では、自分が解釈する自分、他人が解釈する自分とのズレが興味深い。自分が考えている自分だけではなくて、他人が解釈する自分も、自分であることは紛れもない事実で、でもそのズレが人との関係をややこしくしてしまうのかなと思う。
     ゼミで久生十蘭を初めて知ってよかった。自分だけで読む

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    2009年10月04日
  • 魔都

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    恩師が久生十蘭の研究をしていたことがきっかけで読む。大好きだった夢野久作と同じ退廃的な時代背景を感じさせる、矛盾だらけの人間臭いミステリ。推理よりも昭和初期の文化や価値観が面白かった。

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    2025年01月26日
  • 久生十蘭短篇選

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    15篇の短編からなる。
    どの登場人物も言葉遣いや境遇、ハイソな感じ。
    西洋にあこがれる日本人。

    いろんな物語を背景に描かれているようで知識の薄い私などが読むと分かってないことばかりかも。
    読者を試すところはナボコフみたいなのかも。

    白雪姫は、ある一生の羊飼いの男と同じような現象かな。
    あと、さらりとひとが死ぬな。

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    2024年08月30日
  • 肌色の月~探偵くらぶ~

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    浪漫ですね。冒険小説テイスト味の強い『金狼』、サスペンス風の『肌色の月』(絶筆)、その他収録されている短編小説どれも、でてくる女性がファムファタールといいますか魔性と言いますか。翻弄される男性と逃れられない運命って感じで、ほんと浪漫です。
    『魔都』が大好きな私としてはこの短篇集もとてもお気に入りです。

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    2024年06月16日
  • 顎十郎捕物帳 01 捨公方

    購入済み

    リズムよく

    銭形平次捕物帳 半七捕物帳の伝統を引き継ぐ捕物帳シリーズ、和風定食の味わいである。べらんめえ調の口調の良さがそのまま文章になっていてリズムよく読みすすめることができる。ストーリー内容はそれほど重くなく、謎解きもそれほど難しくはない。主人公が武士 という設定なので、平次 半七の大先輩二人と比べるとやや情感 人情にかけるのかな。

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    2024年05月03日
  • あなたも私も mt×角川文庫 specialカバー版

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    ん・・・

    読み始めからこの方角は予想できず、迷子になった。

    もう一度読む機会があれば、きっと楽しめる。きっと。

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    2023年11月07日