あらすじ
生誕百十年、澁澤龍彦が絶賛した鬼才が描く、おとこ前な男女たち内外の数奇譚。幕末物、西洋実話物語、戦後風俗小説、女の意気地……。瞠目また瞠目。
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Posted by ブクログ
フラットな視点で描かれた歴史物の佳作を多数収録。ドキュメンタリータッチの凝った文体に、「さすが手練れよのう」としみじみ。あとがきを読んでていておやと思ったのは、十蘭がGHQの閲覧コードを把握していた節がある、ということ。だとしたら情報提供者は誰だったんだろう。そこらへんの謎も大いに気になる。
・「レカミエー夫人」:現代のこじらせ女子を先どりしたようなユーモアたっぷりの物語が面白い。
・「あめりか物語」:十蘭らしいシニカルな視点が冴えている。無慈悲なまでにクールな結末もいっそ潔い。