法月綸太郎のレビュー一覧

  • ふたたび赤い悪夢

    Posted by ブクログ

    小説でありながら、哲学書でもある。それは作家の内なる叫びが、作品世界という自らの創造する空間に、神の視座として降臨した、一種の降誕祭なのかもしれません。んー、我ながら何言ってんだ?

    本作、ワシにとって初めての法月倫太郎氏は、しかし初めて接するにはいろんな意味でイレギュラーだったのかもしれません。本作を、小説という枠で捉えることはとても難しく、小説としてはむしろ蛇足かもしれない、作者自身の思想が反映された「哲学的な」テキストが、しかし作品世界にフィードバックされているのも確かで、とても、読み解くのが難しいです。

    作品は、とても読みやすい。でも、読み解くのが難しい。

    たぶん、小説作品としては★4つ付けたいほど普通に面白い、本格ミステリーをきっちり堪能できる作品なのですが、その哲学の部分に、良いも悪いも判断の付かないワシは、一冊の本としては★3つとしました。

    この、作品への神(作者)の干渉、というのは、じっくり考察したくなるテーマです。これまで、物語の構成は気にしつつも、物語の構造を気にしたことが余りなかったので、それを考察したいと思わせてくれた本作は、ワシにとってとても有意義な読書でした。

    0
    2014年03月27日
  • しらみつぶしの時計

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    本格あり、奇妙な味あり、ハードボイルドありな多彩な短編集でした。
    パスティーシュや倣った作品が多く、本家も読んでみたくなります。

    ネタバレ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・









    【使用中】新たな解釈での密室殺人を論じる推理作家と、それを理解しないおっちょこちょいの編集者。そのラストはとても皮肉的で、編集者の片桐が憎めない愛嬌のあるキャラクターとはいえ恐ろしかったです。
    犯人の計画と異常性もおもしろい。

    【ダブル・プレイ】交換殺人の裏に潜む真相。複雑な構図に惑わされましたし、夫婦間のサスペンスも良かった。内容もタイトルも野球がキーとなっていてお洒落。

    【素人芸】腹話術人形や夫婦間の暴力場面は緊迫感がありましたが、下手くそな腹話術は不気味さよりも白々とした空気の方が勝っていてちょっと笑える。

    【盗まれた手紙】推理ゲームみたいです。南京錠で施錠された鉄箱からどう手紙を取り出すか。しかもそれは往復で郵送されているという特殊な状況ですが、秘めた恋という材料であまり不自然になってません。がらりと文体を変えて海外ミステリの雰囲気になっているのがすごい。

    【イン・メモリアム】奇妙な味のショートショート。

    【猫の巡礼】不思議なお話です。猫を飼った経験があるので、飼い主の気持ちや猫の様子などには共感しました。

    【四色問題】「四色問題」は数学の問題ですが、これは数学とは関係ありません。事件関係者が色分けされた戦隊物の出演者ということで、まさしく4色の内どれが犯人か?になっているのがおもしろいです。難しいダイイングメッセージでした。

    【幽霊をやとった女】これも海外ミステリの雰囲気ですが、「盗まれた手紙」と違ってこちらはハードボイルド。彼女の計画がそんなに上手くいくかは疑問です。

    【しらみつぶしの時計】これはもうまんま推理ゲーム。どれ一つとして同じ時を刻んでいない時計1440個の中から、現在の時刻を刻んでいる時計を当てよ、というもの。本当にただの推理クイズなんですが、あとがきに論理性よりも小説としてのテンポを重視したとあって、作者の苦心がうかがえます。

    【トゥ・オブ・アス】病院のシーンがややこしいので兄弟の入れ替わりには気付きやすい。ただ、悲恋物語としては切なくてよかったです。

    0
    2014年03月19日
  • 新装版 密閉教室

    Posted by ブクログ

    ☆3.3
    密閉された教室の真ん中にクラスメイトの死体。消えた48の机と椅子。犯人は誰?

    一回読んで、初めからまた読みたくなる本。伏線を回収しながらもう一回読みたい。

    0
    2014年02月27日
  • 新装版 密閉教室

    Posted by ブクログ

    物語がゆっくりとしたテンポで進み、様々な角度から検証が試みられていているので、じっくりと推理に取り組むことが出来ました。
    教室から全ての机と椅子が消えてしまうという大胆な謎は面白いですし、その理由はある程度納得がいくものでしたが、トリックは現実的に実行可能なのかなど、ツッコミたくなる箇所が多く荒削りな印象でした。

    0
    2014年02月11日
  • 盤面の敵はどこへ行ったか 法月綸太郎ミステリー塾 疾風編

    Posted by ブクログ

    冒頭に「…ミステリー塾」という副題は、小説と勘違いされないように付したもので、堅苦しい内容ではないですと記されているものの、この作者故、油断しないで読みだしましたが、文庫本などの解説として著されたものが中心に構成される構えずに気楽に読める好書で、良い意味で期待と違う内容でした。海外ミステリーの紹介、都筑道夫に関する論考、エラリー・クイーンに関する論考などなど、どれも楽しく読ませていただきました。中でもクイーンのラジオドラマ脚本の解説には感心しました

    0
    2014年02月05日
  • しらみつぶしの時計

    Posted by ブクログ

    最初の密室の話、構成がすばらしかった。そしてトゥ・オブ・アスも、読後に漂う切なさというか哀しさが魅力。ただ、他の短編は個人的にはあまり好きでなかった。猫の巡礼は特によくわからなかった。

    0
    2014年01月21日
  • しらみつぶしの時計

    Posted by ブクログ

    「猫の巡礼」に惹かれて。
    この話、猫に興味のない人には何のこっちゃだろうなぁwミステリー短編の中にポツンと一滴の不思議の雫。河原での猫たちの描写には、実際にその光景を眺めているような何とも言いがたい厳かな気持ちになった。

    0
    2013年11月23日
  • 新装版 密閉教室

    Posted by ブクログ

    うーん、登場人物の台詞回しがおよそ現実離れしていてなんか違和感。自己陶酔的な、文学少年がかぶれて書きましたみたいな。生首にきいてみろとか頼子のためにとか読んだことあるしそのときはあまり違和感とかなかったからこの作品だけなんだろうか。

    0
    2013年10月28日
  • 法月綸太郎の事件簿 都市伝説パズル

    Posted by ブクログ

    2013.10.17再読 処分

    法月綸太郎シリーズ。
    「都市伝説パズル」「黒衣の家」「現場から生中継」「世界の神秘を解く男」の4篇。
    1番面白かったのは、表題作でもある「都市伝説パズル」。
    先輩の家で飲み会をした後忘れ物を取りに戻った女性が、鍵の空いた部屋に入り、電気を点けずに忘れ物を取って帰ったところ、翌日先輩が殺されているのが見つかり、部屋の壁には「電気をつけなくて命びろいしたな」と書かれていたという都市伝説をもとにした話。

    0
    2013年10月18日
  • 法月綸太郎の功績

    Posted by ブクログ

    法月綸太郎シリーズ。短編集。

    短編集が苦手な私ですが、本作はどれも良作だったと思います。
    「イコールYの悲劇」と「都市伝説パズル」が特に好きです。

    何気に表紙も気に入っています。

    0
    2013年10月17日
  • しらみつぶしの時計

    Posted by ブクログ

    著者は僕がファンの作家の一人。なんとなくペダンチックな文体は、いつも僕を引きよせてくれる。
    特に表題作は、バリバリガチガチの論理で攻めていて、好きだなあ。著者本人はそれほど気に入って無さそうだけど。

    猫の巡礼の話は、あまりに異色すぎて腰を抜かした。

    0
    2013年06月28日
  • しらみつぶしの時計

    Posted by ブクログ

    パスティーシュ物、パズル物、密室物など、著者の魅力満載の本格推理短編集。
    ところどころに蘊蓄も挿入されていて、「四色問題」の地図の色と「あきみちゃんのブラは紫」の話は、誰かに教えたくなる。

    0
    2013年05月15日
  • 法月綸太郎の新冒険

    Posted by ブクログ

    法月綸太郎シリーズ短編集。
    「身投げ女のブルース」無理があるけど嫌いじゃないかな。

    それにしても、出版社違いで
    出てくるマドンナも違うというパラレルワールドぶりに
    かなり違和感を感じる…
    統合される日は来るのかな?

    0
    2013年05月12日
  • 法月綸太郎の冒険

    Posted by ブクログ

    法月綸太郎シリーズ。
    短編集です。

    元々、私自身が短編が苦手なのもあり、
    読むのに少し苦労しました。

    切り裂き魔以降は一つの繋がりがあります。

    0
    2013年04月02日
  • ふたたび赤い悪夢

    Posted by ブクログ

    法月綸太郎シリーズ。

    『雪密室』と『頼子のために』が関係した作品。
    とにかく分厚い。
    ちょっと冗長だなぁと思いました。
    半ば以降は一気に読めたのですが、前半が。
    どんでん返しは予想がつきましたが、面白かったです。

    0
    2013年03月25日
  • 新装版 密閉教室

    Posted by ブクログ

    初法月さん。
    非常に文章が淡泊。ほとんど会話で進むので、登場人物がとてもクールに見える。大学生が脚本を書き、大学生が高校生を演じているハードボイルド風味の舞台劇を見ているような気分になった。ちょっと違和感。
    ミステリとしては結構王道か。登場人物の独特な哲学やら文学やらの嗜好がスパイスになっていて、ハッタリが利いてる。なかなか好きだった。
    これがデビュー作みたいなので、もう少し追ってみようかな。

    0
    2012年12月19日
  • 新装版 密閉教室

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    法月氏の小説はどうしてこう暗いのだろう。
    面白い事は間違いない。

    密閉された空間、そう密室の中で人が死んでいた。
    本格だ。
    間違いなく本格ミステリ。
    もしかしたら、自殺かもしれない。いや、状況から考えてそのようなことはありえない。
    高校生探偵工藤っつーと、コナン君を思い出させる。けど、コナン君ほど独善でもなく、高校生らしい目線で事件を追いかけていく。その姿はすがすがしさも感じられる。

    けど、やっぱり氏らしい人間の闇みたいな性格描写があり、どうしても好きになれない。好みの問題だとは思いつつも、何のために人を殺すのか。フーダニッドに突っ込むのならばもっと納得させられるような論理構成の方が個人的には好きだ。

    逆に京極氏のように、人を殺すのにそんなに深い理由が必要か。みたいにさらっと流してくれた方が納得できるような。

    どうも、どうしてそんな理由で殺しちゃうの?という思考がグルグル回転を始めるとラストですっきりすることができないんだ。個人的には。

    0
    2012年11月04日
  • ふたたび赤い悪夢

    Posted by ブクログ

    すげー!とは為らないかな。
    飽きない程度に展開して行くので比較的読みやすい。

    トリックも犯行の背景も、良い意味でそれなり。
    ハマり切らないのは文章のせいなのかな。。

    生首よりは面白かったかな。

    頼子のため と色々関連しているみたいなので次はそっちを読んでみよう。

    0
    2012年10月13日
  • 新装版 密閉教室

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    学園が舞台だからか、ジュブナイルっぽさ漂う作品。話は正直終盤までちょっと退屈。終盤の立て続けのどんでん返しはなかなか良かったけど、ラストの終わり方がもやっとする。

    0
    2012年08月31日
  • ふたたび赤い悪夢

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    ≪内容覚書≫
    法月綸太郎シリーズ。
    人に刺されたと思っていた少女は無傷。
    そして刺してきた男の死体が発見され、事態は混乱を極める。

    探偵と言う自分の存在に苦悩している綸太郎は、
    真実を探し出し少女を助けることができるのか。

    ≪感想≫
    適当に選んだせいで、
    綸太郎の苦悩の発端となる話がとんでしまった。
    失敗。3部作のようなので、前2作を先に読むべきだった。

    綸太郎が、探偵としての成長過程にいるのかもしれないが、
    うじうじと後ろ向きで、
    読んでいてちょっと面倒なこともあった。
    同シリーズの別作品レビューでも書いた記憶があるが、
    ヒーローのような探偵役を求めて読むとつらい。

    私は、トリックをじっくり考えて読むタイプではないが、
    きちんと騙してもらえてよかった。
    最終的に、「悪」が犯人になってくれた点もホッとした。
    「悪」が、多少短絡的で、あまりにも「悪」すぎる気もする。

    0
    2012年03月28日