法月綸太郎のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ「玄人が好きそうな本格ミステリ」というべきか「非常に地味で堅実な作品」というべきか…。派手さは全くないが,緻密に伏線が張り巡らされた,よくできた作品。
石膏像の首が何者かに切断され,持ち去られる。モデルとなった女性の身に危険があるのか?法月綸太郎が捜査を進めると,モデルとなった女性の生首が宅配便で送付されてくる…というあらすじ。
ふた昔前くらいの本格ミステリでありそうな設定だが,怪奇的なムードなどは全くなく,彫刻についての雑学的分野を描きつつ,法月綸太郎と警察の捜査が丹念に描かれている。特に,法月綸太郎の考えや推理,勘違いなどが詳細に書かれている。この部分をフェアととらえるか,冗長ととらえるかで,この作品の評価は大きく変わりそう。
解説や書評でも書いてあるが,全体の話の流れで,無駄な部分はほとんど存在しない。全て,何らかの意図や伏線を意識して書かれている。
とはいえ,キャラクターの魅力はそれほどでもない。推理についても,探偵役が最後の最後で一気に真相を語るのではなく,真相を小出しにしていくので,驚愕のラストというものはなく,インパクトは弱い。
真犯人の各務順一とその妻の結子は,過去の犯罪はともかく,川島江知佳殺しは完全な行き当たりばったり。綿密な犯罪というより,偶然と勘違いで完全犯罪になりかけたという雰囲気
再読したら,「この伏線は見事」とか思って評価が上がる可能性はあるかもしれないが,現時点での評価はそこまで高くない。★3かな。 -
Posted by ブクログ
内容(「BOOK」データベースより)
2058年4月、上海大学で20世紀の探偵小説を研究していたユアン・チンルウは、国家科学技術局から呼び出される。博士論文のテーマ「ノックスの十戒」第5項が、史上初の双方向タイムトラベル成功に重要な役割を担う可能性があるというのだ。その理由を探るべく、実験に参加させられた彼が見たものとは―。表題作「ノックス・マシン」、名探偵の相棒たちが暗躍する「引き立て役倶楽部の陰謀」などを含む中篇集。
ノックス・マシン、SFを読みなれない人間からすると非常に難しい文章だった。が、読み終わった後、ミステリ的にはとてもさっぱりしたシンプルなものだった。
引き立て役倶楽部の陰謀、これもタイトルを見て思い描いていたものとは違い、メタ要素が絡み合い気軽には読めない重厚なものだった。ワトソンはパロディで主役として書かれると、すこし残念な感じになることが多いのはなぜだろうか。
エラリー・クイーンの国名シリーズをまた読み返してみたくなった。 -
Posted by ブクログ
頼子のためにを読んでない人は向かない本かな、と。対比のようにまあまあハッピーエンド。
事件はアイドルが殺人事件に巻き込まれて、それを匿いながら奔走し、過去の一家惨殺事件と同時に解決するというもの。
アイドルが絡むので、アイドル史みたいのも出てくるけどもう古いよね。AKBやももクロよりずっと前だからなあ。逆にノスタルジックにもなってないと感じて残念。
アイドルなのに過去の事件がトラウマで狂うとかいかにもおじさんの考える理想のピュア娘でちょっと。。しかも、父親も純愛風に演出されてるけど不倫だしね。古風な父親像との組み合わせも最悪。
なんかどれも食い合わせが悪いなあ、と感じました。ミステリ部分は普通なのに残念。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ法月綸太郎氏のデビュー作。
文体、構成、展開、人物、どこをどう切っても、いかにも、という趣きが漂う。
もちろん本格ミステリーにカテゴライズされるので、単純に先が気になって苦痛なく読み進めることはできるのだが、じゃあ披瀝される各種明かしや、二転三転するラスト近くの展開に素直に感嘆できるのかというと、それは別の話。
クライマックスに仕掛けられた種々の捻りが物語にとって必然性のあるものとは感じられらなくて、乱暴に言ってしまえば、細工のための細工、のようなものになってしまっている。
そこらへんも込みで、いわばゲームとして読者の方も楽しむことを求められているのかもしれないが、それでいて結末は含みを持たせたまま了となっているし、あくまでリアルな、そこらへんでひょっとしたら私たちも出くわしてしまうかもしれないような非日常を期待すると、肩を透かされてしまう。