佐々大河のレビュー一覧
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購入済み
東洋のアルカディア
日本奥地紀行で東洋のアルカディアと称された置賜盆地をスルーされたのは少々残念。赤湯のハイジアパークという温泉施設には、館内のイザベラ・バードコーナーにバードゆかりの物が多数展示してあり、日本奥地紀行の世界を肌で感じることができますよ。赤湯では、イザベラ・バードは知名度が高いと思います。たぶん。
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ネタバレ風雲急を告げる4巻である。今回から山形編が開幕した一方で、プラント・ハンターであるチャールズ・マリーズによる魔手が伊藤を捕え始めた巻であった。
ここでのマリーズの悪役ぶりは本当に見事だ。悪役と言い切るのも問題はあるだろうが、現地の使いやすい手駒としか見ていない彼の姿は、あまりにバード女史の姿勢と対照的すぎる。
文物へ関心深く、細やかな反応を見せるバード女史と、商売としての視点だけで揺ぎ無く冷酷にさえ見える反応を見せるマリーズの対比は、物語に新たな視座を加えている。
伊藤の苦悩の行く末が大いに気になる巻であった。この巻もまた星五つで評価している。
腰痛を抱えるバード女史と、そんな彼女 -
Posted by ブクログ
第一部が完結となる3巻である。ここでは会津を抜け、川下りを経て新潟へと到着するバード女史と伊藤の姿が描かれている。
この作品については、本当に語るべきことが逆にないほどに素晴らしい。異文化との衝突をコミカルにもシニカルにも描きながら、その描写のベースには温かなバード女史のまなざしがある。
ディテールまできめ細かな描写は優れたものであるし、一つ一つの話が濃く、ダイナミックでもある。川下りにおけるダイナミズムなどは絵としても楽しい逸品だ。
文句なしに星五つである。
最後に収録された新潟に住まう英国人宣教師のファイソン氏の娘ルースの心優しき姿は癒されるものがある一方、不穏を感じさせる伊藤 -
Posted by ブクログ
イイ漫画ってのは、読み手を複雑な気分にさせるもんだ
これほど面白い漫画ならば、もっと注目されるべきだ、と思う一方で、『ダ・ヴィンチ』などで特集され、俄かファンが増えるのは困る、とも
そんな葛藤で、私を苦しめてくれる作品の一つが、この『ふしぎの国のバード』だ
(2)の感想にも書いたが、ほんと、佐々先生は綿密な取材をしているんだろうな。しかも、得たモノを全て、漫画に還元しよう、と更なる努力を惜しんでいない。これで面白くならない方が、ふしぎって話だ
私ら現代人が知らない、かつての時代の細部を、当時には相当、珍しい異国の女性が自分の目で視て、自分の耳で聴いて、生きた知識と感情を得て、それを後世に伝え残 -
Posted by ブクログ
2013〜15年に「ハルク」誌に掲載された5話を行程順に並べて単行本化。
明治11年に、イギリス人女性冒険家(当時40代)が通常のルートと違う道を踏査して、東、北日本の各地を見聞した記録のコミック化。
消えゆく日本の原風景や文化を記録しようとした。勤勉なのに貧しいという日本社会の矛盾も見ていた様子がよく分かる。
第1話横浜、第2話江戸、第3話粕壁、第4話日光①、第5話日光②
最初に書かれたのは日光①で、ブラタモリの「日光」の回でも、イザベラ・バードが西洋人に日光を紹介したため、中禅寺湖畔に外国人の別荘が建てられたと言っていた。
<イザベラ・バード>
1878年(明治11年)6月 -
Posted by ブクログ
今回の巻からいよいよ本格的になりました。
バードさんは道として整っている奥州街道や三国街道ではなく会津街道というまさに未知な悪路を歩くことになります。
極東まで来るほどの好奇心旺盛なんですからそれくらいでないと!
でもまさに道無き道で悪路。
宿のない村にも泊まらなくちゃいけないし虫もいっぱいいるし前途多難。
その中でも近代化していく日本においていかれたような汚れていることが当然のような人達もいて私もショックでした。
また伊藤とも絆が深まり安心しました。
平気と言ったら変だけれど普通に真っ裸で男女混浴していたらそりゃ外国人にとってはカルチャーショックだろうなぁ〜(笑)
この時代を生きてい