辻村七子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
舞台は24世紀の地球。
地球温暖化の進行で海に覆われたディストピア。
二本の煙突から煙を上げる小型船。
中に乗っているのは
一人のドクターと円柱形の医療用ロボット。
1話目を読んだ感触として、
ブラックジャックみたいな短編集かな、と思ったのだけれど、
“見返り”が明言されず有耶無耶になっていたり、
委託を受けて大企業の下請けのような役割をしたり、
どうにも一貫性を感じない作品集だった。
そしてラストの5話目のエピソードが強すぎて、
この5話目のアイデアを1冊にまとめるためだけに
前の4つのエピソードが足されただけのように感じた。
1冊の作品としてはちぐはぐな印象が拭えなかった。 -
Posted by ブクログ
正直に告白すると、同姓の別の有名作家の作品だと勘違いをして読み始めた。読み終わってから、それなりに評価されているシリーズでアニメ化もされていることを知った。
タイトル(と作者の姓)だけを見て、流行のパターン、つまり、さまざまな職業の人を素人探偵に据えて、その職業の特殊性や専門知識をうまく絡めながら、日常的な謎を解いていく、といった連作短編だと決めつけて読んだ。そういうのは嫌いではないので、それなりに楽しみにしていた。
ある部分は期待通りだったし、ある部分は(良い意味で)裏切られた。宝石商という、こっちの日常とはギリギリ接しているけどなじみがあるとはいえない職業の世界を取り上げていること。お客さんが宝石と共に謎を持ち込み、その解決を通して短編1つがきれいにまとまっていること。「ホームズ」と「ワトスン」の造形なども、まさに「構えたミットに直球が投げ込まれた」という感じで、あまりの真っ直ぐさがすがすがしいほどだ。もちろん、宝石に関する蘊蓄もうまく盛りこまれていて興味深い。
ただ、名探偵が快刀乱麻のごとく謎を解き明かす、という感じとはちょっと違っていて、そこに好感が持てた。語り手である「ワトスン」の方がむしろ解決に向かって進んでいく感じが強い。「ホームズ」の方は真相を解き明かすために推理するというよりもむしろ(・・・ネタバレ・・・)というあたりが、ミステリでありながら、ミステリっぽくない所以だろう。ミステリを読んでいるというよりも、「いい話を読んだな」と思う読書感の方が強かった。
登場人物は、やや(主人公はわざと?)劇画的だけど魅力的だ。多様性への言及やルッキズムに関する警句もよく効いていて、時々ハッとさせられる。大変楽しく読ませていただいたけど、シリーズの先に自分が読み進めるかどうかは微妙。魅力的だけど、もっとつきあっていきたいかというと、この一冊でしっかり完結していて(そして、この一冊を読み終えた自分がしっかり満足してしまっていて)、この先を読んでも「おなじようなことが続くかな」とつい感じてしまった。読み続けなかったことを後悔するような気もするが(これはあくまで個人的な感覚で、作者や熱心な読者の方々には大変失礼とは承知しているけれど)。