あらすじ
時を永遠に彷徨っても、君をもう死なせない。時間遡行機(タイムマシン)“アリスの鏡”が開発された近未来。喪われた美術品を過去から盗み出す泥棒のルフは、至宝インペリアル・イースターエッグを盗み19世紀パリに逃亡(ロスト)した幼馴染・フォースを連れ戻すことに。だが彼女は高級娼婦(クルティザンヌ)“椿姫”マリーになりすまし、しかも不治の病を患っていた。頑なに帰還を拒否する彼女が秘めた真意とは!? 時の迷宮に惑うタイムループミステリー!!
...続きを読む感情タグBEST3
面白かったです!
「宝石商リチャード氏の謎鑑定」にハマってから本作を読んでみました。
未来ものだ…と読み始めて少し立ち止まりました。(今まで無機質で機械的な未来ものに少し苦手意識があったのです)
でも、読み進めるうちに、なんてあたたかくいきいきとした、愛に溢れたお話なんだろうと、主人公のルフの気持ちが伝染して愛しさで胸がいっぱいになってしまいました。宝石商で感じ入った素晴らしい筆致や表現力が、デビュー作にもそこかしこに香っています。素敵なお話でした。
Posted by ブクログ
繰り返しのタイムリープものでよくありそうではあるが、「泥棒」という設定は新しかった。後半になるにつれて面白くなっていった感じ。最後はいい話だなーという終わり方でスッキリした。
Posted by ブクログ
ハヤカワと創元、ライトノベルレーベル以外で、タイムリープものが読めるのは嬉しい。世界大戦により荒れ果てた未来において時間遡行会社で泥棒として働く主人公が、盗んだ宝石を持ったまま19世紀フランスで「椿姫」として過ごす同僚から宝石を奪い返すために、同じ時代に時間遡行する話。大戦後である荒れ果てたフランスも物珍しく興味深い。メインの舞台である椿姫の存在する時代も、細かい時代考証はないが、舞台として魅力的。謎が徐々に明かされていくのもいい感じ。作者の次作にも期待。
Posted by ブクログ
時間遡行機によって過去に遡れることになった世界
泥棒と呼ばれる職業が台頭し、
戦争で失われた美術品を過去から盗み出していた
主人公にある日任された仕事は
19世紀のパリで
ある卵を盗み出すことで……
過去も未来も現在として繰り返す
タイムループミステリ
******
序盤は、なんだかよくわからなくて
マリーに小馬鹿にされて
主人公と一緒に「どういうことだよいい加減にしろ!!」と
カッカしていたけど
中盤以降の展開がとても良かった!
「仕事を成功するまで延々と繰り返すループ」
会社も、あきらめずに何度もチャレンジしてほしいと
社員の泥棒たちに指導している
けれどその繰り返しが単なる「やり直し」以上の意味を持って
ルフの中で行われていくことに
新鮮さというか悲壮というか、あぁ…と嘆息が出た
あんまり「泥棒」という名付けには馴染みはできなかったかも
違う呼び方でも良かったかも
Posted by ブクログ
歴史物の要素もある時間SFだけれど、それ以前に、核戦争後の荒廃したヨーロッパで、タイムマシンを使って過去から美術品を窃盗してくることを強要される元浮浪児たちという設定がまず魅力的。19世紀のパリへ逃れた元のタイム・スィーフが椿姫になっているというのも面白いし、彼女の行動の理由にも意外感がある。ただ、終盤の展開はかなりグダる。逆襲の手段にもう一ひねりが欲しいところ。それでもラストの甘やかさが、全てを補って余りある。
Posted by ブクログ
ファンタジーっぽい美しい表紙からはなかなか想像つかないような、タイムループ物のがっつりSFミステリ。
主人公が泥棒という設定も珍しく面白いです。
後半にかけて盛り上がっていき、真相まで読むと、ルフとフォースの信頼関係と、ほんのりした恋愛色にきゅんとします。
それにしても、未来にもブラック企業があるって考えるとそれが一番怖い気も……。
Posted by ブクログ
筆者のデビュー作
ガッツリSF
タイムトラベラーのぐるぐる回るお話
どう解決させるんだろーと思ってたら
納得の結末。
初々しいしさと、気合いが感じられる一冊でした
Posted by ブクログ
ひさびさのがっつりファンタジー
というかこれがSFというのか……ふむ。
めっちゃ面白かったんだけど!?!?(この時点で☆4)
タイムリープものあんまり好きじゃない。
これもやっぱりその描写は(主人公たちのように
頭おかしくなりそうになるから)好きじゃなかったけど、
だからこそ乗り越えられる設定は美味しかったー
とはおもいつつ、ふとした時にタイムリープ部分が
フラッシュバックして不安になるというか
吐き気がするというか……
やっぱりものすごーーーく苦手な分野。
夜なかなか寝れなかったので、☆3
Posted by ブクログ
タイムマシンが開発されて、過去の失われた文化的価値のあるものをとってくる仕事をするけど、まあ記憶を仕事を終わらせる度に消すブラック企業だったというやつでしょうか。
30人いた同僚は使い倒されて、最終的に主人公とヒロインだけになってしまい、悪環境を打破するべく仕返しをしてハッピーエンドでした。
ループものは好きだけど、とくにドキワクすることもなく綺麗に終わったという印象でした。。もっとドロドロに悪どいのが好きかもしれないです。