あらすじ
時を永遠に彷徨っても、君をもう死なせない。時間遡行機(タイムマシン)“アリスの鏡”が開発された近未来。喪われた美術品を過去から盗み出す泥棒のルフは、至宝インペリアル・イースターエッグを盗み19世紀パリに逃亡(ロスト)した幼馴染・フォースを連れ戻すことに。だが彼女は高級娼婦(クルティザンヌ)“椿姫”マリーになりすまし、しかも不治の病を患っていた。頑なに帰還を拒否する彼女が秘めた真意とは!? 時の迷宮に惑うタイムループミステリー!!
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Posted by ブクログ
「リチャード氏」の作者のデビュー作。非常に難解なSFで、読み下して理解するのに何度も読み返した。それでも理解しきれない部分も多いが…。そのSF設定の裏側では、人々の想いが錯綜している。実在の人物に成り代わり、一人の人間として平穏な普通の暮らしを望んだフォース、フォースを大切に思いつつ、任務を全うして現代に帰りたがるルフ。そのルフも会社による暗示が解けてフォースとの未来を望む。アルフレードが軽薄な言動の裏には、醜悪な意図も隠されていて…。作者の詳細な描写はコミカライズにしやすいほど映像が脳内に再生される。アリスの鏡というタイムマシンを使って過去へ行き、失われた美術品を盗み出して特権階級に売りつけるというのは近未来にいかにもありそうだ。最終的にロストしたという社員達は、タイムマシンで肉体が崩壊したのもいれば、フォースのようにナノマシンの暴走で病気のように死んでいったのもいるのだろうか。ループしていた同一人物達はどうなったのだろうと少々気になる点もあるが、読み応えがある。