【感想・ネタバレ】マグナ・キヴィタス 人形博士と機械少年のレビュー

あらすじ

ノースポール合衆国自治州『キヴィタス』は1億6千万の人口を収容する人工都市だ。アンドロイド管理局に勤める若きエリート、エルガー・オルトンは、帰り道で登録情報のない「野良アンドロイド」の少年を拾う。ワンと名乗った少年型アンドロイドとエルは不思議な共同生活を始めるが、ワンは記憶を失っていた。彼の過去を探るうち、エルは都市の闇に触れてしまい?

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マグナ・キヴィタス

アンドロイドか一般的に使用される世界で、人形のような人間と、人間らしいアンドロイドが、心を通わせる話です。
人間を人間たらしめるものは何か、誰もが一度は考えたことがある問題を思い起こさせます。答えは出ませんが、愛に満ちた話です。

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2021年05月15日

Posted by ブクログ

すごく良かった…!! 2人のやりとりが可愛かった。近未来SFものとしても、世界観にスッと入れたし説得力があった。ラスト近辺はちょっとごちゃついたかなという印象。続刊があったらいいのにな!
アンドロイドのワンの方が感情表現豊かで、人間のエルの方がそういう出力が不得手なのもちぐはぐで可愛かった。エルが、ワンとの交流で自分の心に生まれた新しい気持ちを手探りで知ろうとするような感じがよかった。ワンのこと好きなのは分かってるのに恋愛に結びつけて考えていないところもかわいい。にぶちん。ハイスペック幼児言い得て妙すぎて笑った。ワンの方がとっくに気づいているな〜これは…と途中で思ってにこにこした。常とは違う欲求や感情をバグだと思っていそうだエルは…無自覚だからこそ突拍子もない爆弾発言をするのだろな。かわいいな〜!

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2020年02月01日

Posted by ブクログ

知らない言葉や言い回しが多かったけど、調べながら読むと内容理解も深まって楽しかった!
エルの空虚な疑問がワンによって素晴らしいものに変わっていく様子もすごくよかったな。
裏表紙にある、「せめて血の色くらいは赤がよかったな」というセリフ。
正直ありきたりだなとか思いながら読んでたけど、その分が登場した瞬間の感動がやばかった!
続き出たらいいのになぁ…

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2018年12月18日

Posted by ブクログ

シリーズ初巻


これはまた、リチャード〜シリーズとはうってかわって、
ゴリゴリのSFもの。

高性能野良アンドロイドと、人間感情に乏しい調律師の
お話。


あれよあれよと、過激になっていく後半のストーリーは
圧巻。

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2022年05月24日

Posted by ブクログ

宝石商リチャード氏の謎鑑定の著者の最新作。
未来の人口都市・・・
読み始めのあたりでは、長野まゆみさんのテレビジョン・シティを
連想してしまいました。
読後数日間、切なさを引きずった作品だったので、
裏表紙に書かれた「せめて血の色くらいは赤がよかったな」
というセリフで嫌な予感バリバリ。
ハイスペック幼児で天才馬鹿なエルとアンドロイドなのに
人間以上に人間らしい二人の噛み合わない会話がいい。
後半で、いきなり走り出す物語に、久しぶりの心臓バクバク!
ベタで王道と言えば、その通りなんだけど
その持って行き方が好き。
これはうまく誘導されてしまったなぁ~
楽しく読めました。
ただ、表紙絵は、どうにかならなかったのかしら?

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2022年01月03日

Posted by ブクログ

ネタバレ

人間らしさとは、を究極までに問い質している物語。

この中で一番人間らしいのは実はアンドロイドのワンで、一番人間の倫理から外れているのが唯一の人間、というのがなんとも皮肉。
ただ機械が一律同じものを作り続けられるか、と言われるとある一定の確率で必ず「不良品」は見つかるし、それは実は人間も一緒で、それを「不良品」として排除するか、「進化」として受け入れるかもまた、社会の在り方によるんだな、と考えさせられる。

最初はエルはワンの言うようにエリートだけに人間性の壊れた人物だと思ってたのが、大量生産で生まれ不良品を排除し続けた結果残った人造人間、という背景が凄まじいと思った。同じ遺伝子、同じ環境で育てられても、排除されていく個体があると、その個自身を決定するものはなんだろう?と考えてしまう。
エルが如何に最小限の被害で自分の最大の目的を遂行していくか、感情のままに行動しながらめっちゃ冷静にテキパキ物事を進めていくところが「静かにキレてる」感があって面白かった。
最小限であっても何かを誰かも傷つけても、自分以外の存在を助けたい、命令を受けなくても自ら実行していくその姿勢は、まさに人間の思考そのものだと思うので。その領域に達していれば、もう人造人間でもアンドロイドでもいいのではないかと。ワンもそうだし。
欲望に忠実、こそが人間を人間たらしめ、進化を促してきたことなのだろうな。

物理的に肉体は機械を使って不老不死にすることは可能だけど、精神を不老不死にすることは可能だろうか?
痴呆というのはいずれ向かう死についての逃避、という見方もあるというので、人はいつか死ぬし、その思考についてはAIが引き継いでいく未来もあるのかな、と思う。

あと人造人間が金色の血、てどうやって着色してるんだろう、とか(笑)人間の血が赤いのは鉄を含んでいるからだし、肌の色が違っても血の色が変わらない以上、肌の色を変えることは可能だけど、血の色はどうやって変えるのかなーとか素朴な疑問。ちなみにタコやイカは銅が含まれているから血が青いというし、ホヤに至ってはバナジウムが含まれているから緑の血だということなので。どうでもいい疑問でした。

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2021年08月13日

Posted by ブクログ

ネタバレ

野良アンドロイドと人造人間が出会って同居して友好的な関係を育み、野良アンドロイドの元の持ち主(アンドロイドの虐待、都市の犯罪者)から野良アンドロイドを助けてついでに都市も助ける話(犯罪者なので、虐待から助けたつもりが犯罪の証拠も掴む)

SFでした。SF。オチも仲良くなってめでたし、ということでした。さらり、さくっとしたSF。

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2023年02月19日

Posted by ブクログ

作者さん、SFが好きなんだなあ、とそんな風に感じる。作り込まれた設定もそうだが、終盤に出てくる「メモリーダビング端末」なんてガジェットに強くそれを感じる。

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2021年09月14日

Posted by ブクログ

「お前も俺も同じ地獄の釜の住人だ。お前だけ天国にいるようなふりをしなくてもいい。俺にはお前の苦労はわかんねーし、お前にも俺のあれこれはわかんねーだろうが、まあ、そんなもんだろ」
(P.130)

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2021年07月24日

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