野口百合子のレビュー一覧
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ネタバレ2025年の29冊目は、C.J.ボックスの「暴風雪」です。ジョー・ピケットのシリーズを読みのは、ほぼ1年振りとなります。酷暑の最中に読むには、ある意味ピッタリだったかもしれません。
前作で住まいを失くしてしまったピケット一家がどうなったのか気になる所です。今作では、更に、ジョーは猟区管理官の仕事も失う大ピンチに陥ります。
安定の面白さでは有りますが、事件が小粒で有るせいか
ハラハラドキドキ、スリリング感少なめです。
ジョーの長女シェリダンの男勝りの活躍が、最大の読み所ではないでしょうか。それにしても、世の中は、あらゆる意味で女性が動かしている事が良く分かります。
この先、知事コルター・アレンとジョーが、どのように対決して行くのか次作に向けて気になる所です。
☆4.3 -
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本作品がジョー•ピケットシリーズのうちの一作ということを恥ずかしながら知らずに読んでしまいましたが、私にはハマるおもしろさでした。
巨大製薬会社の跡取りである男の失踪から始まる本作。猟区管理官を辞していたジョーは知事からの依頼で、以前から暗殺業を営んでいると噂されるテンプルトンがこの件に関わっているのか調査に乗り出します。しかもそこに盟友ネイトも暗躍しているのではという疑念も絡み……。テンプルトン「王国」という完全アウェーでの困難な調査にジョーは果たして正義を貫き、真相に辿り着けるのかというお話です。
テンプルトン王国という書き方は本作ではありませんが、ジョーの動きは住民によって常に監視されている⁇ 住民はみんなテンプルトン信者⁇ と感じさせる極寒の辺境の地で、「浮いた厄介な存在」のジョーはミッション•コンプリートできるのか。このストーリーの結末を見るまでにそんなに時間はかからないはずです。 -
Posted by ブクログ
ネタバレジョー・ピケット猟区管理官シリーズ第十七弾。
前作で焼失してしまった官舎も再建されていないと言うのに、
新しい州知事に呼び出されたジョーは、
英国女性の失踪事件を調べるように「命令」される。
(ただし、焼死したと思われていた犬は助かっていた)
女性が滞在していた高級リゾート牧場ではシェリダンが働いていていて、
また担当エリアの猟区管理官が行方不明なこともあり、
調査に向かうジョー。
今では鷹狩りの仕事を(合法的に)しているネイトも、
ワシ狩りを許可するよう知事に圧力をかけてほしいという鷹匠を連れてやってくる。
失踪女性は生きているのか。
シェリダンの恋人は関係しているのか。
町に住む老婦人を事故に見せかけて殺そうとした犯人は誰なのか。
養魚場を怪しんで乗り込んでいったネイトが、
薬物販売の相方として来たと間違えられたのは、笑えた。
無理もない。
まさか義母ミッシーが金に物を言わせて、知事にジョーを陥れるように画策したとは。
姿を見せていないがおそるべしミッシー。
解雇され逮捕されたジョーはどうなるのか。
前知事のルーロンが乗りだしてきたが、助けとなるのか。 -
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ネタバレジョー・ピケット猟区管理官シリーズ第十六弾。
何度もこのシリーズに登場し、
何度も危ない目に遭いながらも生き延びて来たフォーカスが、
とうとう殺されてしまう。
「嵐の地平」で刑務所送りになった元ロデオ・チャンピオンが、
自分の家族の死や四肢麻痺の原因だと思っているジョーに復讐しようとしている、
という伝言を残して。
赤外線装置の画面を通して、殺人現場を目撃した幕開けも恐怖だったし、
コミュニティ・カレッジに通い始めたエイプリルの家に衝撃者が現れ、
同居人が間違われて刺されたのも怖かったが、
何と言っても恐ろしかったのは、義母ミッシーの登場だ。
元チャンピオンの弁護士の妻として現れる。
猫なで声で娘と孫娘たちを豪邸に招き入れる狙いは何なのか。
ジョーが支給車を駄目にしてしまうのはいつものことだが、
今回は官舎である自宅にグレードアップ。
放火されてしまった。
馬と犬が犠牲になってしまいかわいそうだった。
面白かったのは、飾ってあったエルクの剥製が袋角の状態であり、
狩猟シーズン前に狩りを行ったことを見抜いたジョーが、
静かに脅して相手から情報を得た場面。
相変わらず手助けをしてくれたネイトは、前作の仕事で容疑を抹消され、
タカ狩りサービスの会社を軌道に乗せていた。
忙しすぎるぐらいに。
そして、新しい州知事がジョーに接触してきた。
彼はジョーが何でも屋ではないことをまだ知らない。 -
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スゴ腕の警官としてかつてブイブイ言わせていたバック・シャッツ。しかし、腕を鳴らしていたのも遠い昔、退職した今は現役時代のような動きのキレもすっかりなく妻と近くに住む孫と余生を過ごす毎日。そんなバックの元にある日、旧友が死の間際に最後の願いを口にします。その依頼とは、かつての大戦の際に収容所で2人を凄惨な目に合わせたナチスの将校の行方を突き止め、大戦終了時に持ち出したという金塊を手に入れて欲しいと言うものでした。最期の依頼を託した旧友はほどなく息を引き取り、バックは弱った足腰に鞭打って、宿敵ともいえる件の人物を追跡を決意します。しかし、お宝の噂をどこから聞きつけたのか、金塊を狙う複数の人間達が現れ、バックの調査はいきなり困難を極めることになりました。
主人公のかつての宿敵に対する因縁と200ポンドの金塊という財宝を追跡するという、ある意味分かりやすい王道のストーリーですが、本書を際立たせている設定は、『加齢』 すなわち、タイトルの「もう年はとれないDon’t Ever Get Old」という年を取る事への恐怖にあります。中年や初老を主役に据えた作品はいくつかありますが、今作の主人公のバックは第2次大戦のナチスの収容所を生き延びた(主人公はユダヤ人、宿敵はナチスの将校という設定)なんと87歳。後期高齢者どころかもうすぐ米寿のお祝いです。老いの恐怖をコミカルに描くという意味では、ジョン・スコルジーのSF「老人と宇宙」と共通する印象がある感じです。
とにかく、いまやすっかり足腰の弱った主人公は事あるごとに身体機能の低下を訴えつつ、ダーティーハリーはクリントイーストウッドばり活躍をする本書は、ユーモラスなミステリーでありながら、バックの老いていく恐怖を説得力を持って表現している点で、本当に楽しくも魅力あるストーリーでした。
惜しむらくは中盤に入ってからの展開。主人公を付け狙う関係者の連続殺人が発生し、こっちの捜査に軸足が移ります。「罪を犯す手段と同期を持っている人間が何人もいるにも関わらず、一人も殺人者として直感的にしっくりこないことだ」のセリフ通り、終盤まで全く予想できないフーダニットとして良い出来ではあるのですが、老いの恐怖という本作の魅力が隠れてしまう感じがして、個人的には微妙なところではあります。 -
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2024年の2作目は、ワイオミング州猟区管理官ジョー・ピケットのシリーズです。相変わらずの面白さです。
今回の舞台は、州南部の砂漠地帯レッド・デザートです。物語は、ジョーの盟友ネイト・ロマノウスキが、予知夢を見る事から始まります。それは、砂漠の真ん中で、3台のピックアップ・トラックに乗ったイスラム系戦士が自分に向かって来るという夢でした。そして、予知夢通りの結末に至る訳ですが、それにジョーが、どう関わって来るのか?最後は、正に西部劇の対決シーンの様です。そして、いつものようにジョーの家族が巻き込まれます(笑)。今回巻き込まれてしまうのは、長女のシェリダンです。
今回描かれているようなテロ計画は、9.11以降のアメリカでは、きっと現実に起きている事と思ってしまいました。荒唐無稽でなく、十分にリアリティを感じます。
☆4.5 -
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主人公の「バルーク(バック)・シャッツ」は87歳のユダヤ人で、常に強烈な皮肉な言葉を発し、何処かしこで紫煙を燻らすヘビースモーカーの爺さんだ。
「バック」は、第二次世界大戦でノルマンディー上陸作戦に従軍し、ナチの捕虜収容所では生死に係る過酷な経験を経た後、何とか生きて母国のアメリカへ生還したタフな男だ。
捕虜収容所で凄惨なリンチを「バック」に加えたナチ親衛隊の将校「ジーグラー」は、戦後のどさくさに紛れてユダヤ人から強奪した多くの金塊を持って海外へ逃亡したとの噂があった。
この設定が核となって、タフな「バック」の物語が綴られる。
アメリカへ生還後に社会復帰した「バック」は、メンフィス警察殺人課の辣腕刑事として、大いに名を馳せた実績がある逞しい男だったが、今では単に年老いた爺さんになってしまった。
ある日、戦友だった「ウォルス」の臨終直前、「ジーグラー」はアメリカに逃亡後、未だ生存していて金塊をも隠し持っているとの言葉を「バック」に遺す。
その噂を聞いても、「バック」は老いと初期の痴呆症を認識していたこともあり、当初は金塊には無関心だったのだが、孫の「ウィリアム」の力に助けられながら、憎き「ジーグラー」と金塊を追うことになる。 -
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ネタバレジョー・ピケット猟区管理官シリーズ第十五弾。
今回はいつもの山の中を離れ、砂漠で闘うネイトとジョー。
というよりか、ネイトのお話。
相変わらず政府から追われていて、とある牧場主にかくまわれていたが、
政府の秘密組織から容疑の抹消を条件に、
ある人物への接近を依頼される。
向かったのはレッド・デザート。
一方、ジョーも「おれの州で連邦政府が何をやってるのか探れ」という知事の命令で、
グリズリーの追跡を口実にレッド・デザートへ向かう。
さらに、シェリダンもルームメイトに頼まれてレッド・デザートへ…。
ネイトとメアリーベスの予知夢のせいか、
展開が予想通りの感じは否めない。
それに、グリズリーの南下の謎はわからずじまいだったし。
とはいえ、前作で大けがをしたエイプリルが、
元気になってコミュニティ・カレッジの学費を稼ぐべく働くという、
まともな生活に戻っていて良かった。
一緒に砂漠を歩いて横断した女性が、
ジョーを助けるために人を射殺してしまった時にでも、
彼女を抱擁したことを
メアリーベスに対して後ろめたく思ってしまうのは、
相変わらずジョーらしい。
そして、何かと難題を押し付けてきたルーロン知事が退任するとは、
私も寂しい。