野口百合子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレバック・シャッツの目が老いで曇っているからか、老人問題の側面と事件とが全く絡み合ってないように思える。
ピークはジーグラーに面会にいくシーンである。殺人はただ謎のために起こるだけだ。そこに人間の根源的な心理なぞ読み取れない。ただジーグラーに会いに行くシーンには、「死神」に向かう姿勢がある。老いと過去の収容所の虐待とが上手く絡んでいる。
殺人事件をストーリーに入れず、ジーグラーの面会途中の独白をピークとして、その後ゆっくりと終わる中編としていたら秀作であったろう。
バック・シャッツをかっこよくみせるためのアクションシーンや謎解きのシーンなどは全く不要である。本書の最も良い部分が濁るだけだ。記憶 -
Posted by ブクログ
ネタバレ更に年を重ね88歳のハードボイルド元刑事。
前回の後遺症で、更に、現実を見つめ、諦め、受け入れなければならない事が増えているにも関わらず、元気。
ありのままの自分を受け入れる事で、こんなに快活(?)になれるのだ。
受け入れられないから悩み、苦痛となるワケで、受け入れてしまいさえすれば、それが当たり前になり、悩む必要もなくなる。
バックシャッツはスゴイ。なかなかできる事ではない。
そんな、出来ない事が増えた彼なのに、事件は彼を放っておいてはくれないのだね。
どうやらこれで終わりではない様子。
更にさらに年齢を重ねるであろうバックシャッツが、何を諦め、受け入れて、それでも、自分の正義の為に突き進 -
Posted by ブクログ
ネタバレ87歳のハードボイルド元刑事。
確かに、アメリカ映画で観るなら(虚構として観るなら)カッコイイ。
けど、現実にいたら・・・
銃さえ乱射しないでくれれば、他は好きです。
銃の乱射がなければ、自分のおじいさんがこんなだったらいいなとも思います。
銃さえ・・・・・そこが日本と違うとこ?
このシリーズは高齢者をありのままに表現しようとしている所が良い。
年を重ねるにつれ、本人の中に沸き起こる葛藤を、ありのままに表現していると思われる。そして、それを受け入れなければいけないことを、分かっている主人公。
ハードボイルドの中に、人間が生きて行く成長段階を受け入れるという事が、いかに難しく、しかし、それがい